磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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178 一冊の本

2007年10月04日 | ライト小説
総理がコジキでコジキがソーリィー

七章、ノーマーシィー(仲間の死)




178 一冊の本


黒い革の鞄から、一冊の本を出した。

「これは“いじめに勝つ!”というPUP研究所から出版されたベストラセラーです。多くの人たちが、感銘をうけて、力づけられた書物です。きみたちも、この本によって、“いじめに勝ってもらいたい”のです。この本のサブタイトルは、早く目覚めてほしいというものです。実にそうです。この本を呼んで一日も早く目覚めてほしいものです」
と、優しい口調で親切に話す教師。

生徒たちは今度の先生はよい人だとすっかり思い込んでいる。

「この本の4ページには、見事な提言が書かれてあります」

教師は黒板に文字をかく。“タフなやつが勝つ”

「では、肝心な箇所を読むから、君たちは目をつぶっていなさい。しっかり心の耳で聞くのですよ」

みんなは静かに目を閉じた。教師は威厳あるように読む。

「“総理大臣もあなたを守ってくれない。ここは完全な弱肉強肉の国です。この国ではタフな人が勝つ。理屈はいらない”繰り返して読みます。“タフな人が勝つ。理屈はいらない”わかったねえー」

教師は笑顔である。生徒たちは戸惑った、どういう意味で教師がそれを読み上げたか理解できないでいた。

理解されていないことを察知した教師は愛想笑いをしていたが、釣られて笑う女生徒もいた。

だが、多くは瞬き一つせず、教師の顔を真剣に見ていた。

「まあ、みんなには難しいことかもしれない。
徐々にわかっていくことだろう。
世の中には「命令タイプ」と「命令されタイプ」がいる。
「命令タイプ」は感謝などしない。
毎日ストレスを発散して快調です。不満を自分の中にためない。
「命令タイプ」によって「命令されタイプ」はストレスを感じても、「命令タイプ」はそんなことも理解しない、相手が弱いと想うだけなのです」

そんな人を友にしても、本当の友にはならないだろう……。
--多くの生徒は心の内で思った。

あの録音をした少年が教室にいる。彼は録音したものを、他のテープにダビングしていたのである。

いつでも、マスコミに公表できるようにしてあると、教頭にいったのである。それで彼はこの教室に戻ることができたのである。それだけじゃなかった。

彼は教室に隠しカメラをセットしていたのである。

何も驚くことではない。自分の子どもが“いじめ”にあっていないか、ランドセルに盗聴器をしかけている親だって、この日本ではいるのである。

それほど、親や子どもも心配しているのである。
--それが、日本の現状なのだ。

教育者たちは、悪ガキを預かっているのだから、いい気なもんだとでも思っているだろうが、親はかわいい子供を人質に出していると思っている……。







閑話休題

一冊の本で人生を変えたという人もいるだろう。

--子どもたちが学ぶ、その教科書。

「教科書“で”学ぶ」であって、

決して、「教科書“を”学ぶ」ではないという。

現実を学ぶために、教科書を用いるにすぎない。

しかし、教科書でいいなりにしようと

嘘を教えようとする

人たちもいることだろう……。

ロボットのようにしておいて、

創造的な仕事をしろ!

無理だろう……と、

ボクは思います。












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