磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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ぼくもう我慢できないよ ある「いじめられっ子」の自殺 &続

2010年03月25日 | 読書日記など
『ぼくもう我慢できないよ ある「いじめられっ子」の自殺』
   金賛汀・著/一光社1980年

ひどいものです……。ひどすぎて把握できないほどです……。
そして、何の解決もされていないという感じです……。
もちろん亡くなった人はかえってこない……。
今も、ひどい社会であることは、何一つかわっていない。

空手着姿で自殺……。「はじめに」より。下「」引用。

「一九七九年九月九日の早朝、埼玉県上福岡市で一人の少年が十二階建てマンションの屋上から飛び降り自殺をした。
 各新聞はこの自殺を「いじめられっ子の自殺」として大々的に報じた。
 自殺に至る経過と原因、そしてその後の処置についての新聞報道は次のようなものであった。

 中一少年“死の抗議” いじめられる学校はいやだ 空手着姿で飛び降り 六月には未遂“強い子に”努力むなしい -略-」

今では、ふじみ野市立 花の木中学校に名前はかわったようですね。

朝鮮人だと知らなかったという担任のK教諭。

ケンカをして、かみついた。それをクラスでは自殺した子供が悪い……としたようだ。

教頭のいうことと『報告書』が異なったという。

ひどい『追悼文』を渡さないと学校側。下「」引用。

「『追悼文』を渡すという、ごく当然の行為が、教員達の「保身」の気持ちの前に拒否されてしまい、それが「職員会議の決定」となってしまったのである。」

矛盾だらけの毎日新聞の教育週刊紙「くりくり」に載った文章。下「」引用。

「-略-それが「騒がないでくれ」「そっとしておいてくれ」というだけで、「迷惑だ」という気持ちとその感情だけが突出している。そんな気持ちしか持てない生徒が、どうして「私達の中学校は、他の中学と同じとても優しく温かい人ばかりです」といえるのだろうか? そして、この文章には悲しいことに、同校生徒の自殺を悼む言葉がただの一句も書かれていないのである。戦慄すら感じた。」

その文は大人の文章だという……。

「学校の隠蔽方針が父母にも反映して」

書き直し。下「」引用。

「校長は最初、「作文」はありますからお渡ししましょうといっていたが、そのうち「とても遺族の人には見せられる内容ではありませんから、もう一度書きなおさせてさし上げます」という言いかたになる。」

朝鮮についての授業を受けてから、いじめが激しくなったという。

人道や人権をきちんと教えていたら、「朝鮮人だからいじめてもいい」なんてことは100%ないとわかっていたことだろう……。

著者は朝鮮人ジャーナリストだという。


『続 ぼくもう我慢できないよ 「いじめられっ子」の自殺・その後』
   金賛汀・著/一光社1980年

まだ何らかの社会的・教育的決着がついていない……。

「「死ね!」と書かれていた卒業サイン帳」
--ひどいサイン帳。

悪意がギラギラしているサイン帳を正当化する元生徒……。下「」引用。

「Tさんはサイン帳に書いたことは全部「悪意」はなかった、と主張する。そのとおりであろう。悪意がギラギラしいている文章を、そのまま「悪意」があったと認めることはできないだろう。特に「死んでください」と書いた相手が本当に死んでしまったとしたら。-略-」

特有のジョークだと正当化する元生徒……。

担任は若い女性だったようだ……。下「」引用。

「賢一君のクラスで陰湿ないじめが続いていたにもかかわらず、高野教諭は「そんなひどいいじめではない」と否認する。」

上福岡市在住の作家小泉壌は、自殺未遂した人は自殺しないと発言(この自殺問題を考える会「九日会」で)。下「」引用。

「警察の統計によれば、自殺未遂者の半数以上が未遂日から三か月以内に本当にの自殺をしているという。それ故に未遂者には、未経験者に比べ十倍の危険がある」といわれている。」

謝罪文……。下「」引用。

「-略-位牌の前に上福岡市の教育委員長、教育長、教育次長、そして学校長、教頭、担任らが坐って焼香を終えたのち、まず学校長が学校サイドの謝罪文を読み上げた。
 長文の謝罪文は賢一君がいじめられた様子を具体的に述べ、教師の不適切な指導、監督のもとで自殺に追いやられた状況を述べていた。-略-」

教育長は結局、何の解決策も示さないまま辞任したという……。









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