磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

新自由主義-その歴史的展開と現在-

2009年08月20日 | 読書日記など
『新自由主義-その歴史的展開と現在-
  A brief history of neoliberalism』
   デヴィッド・ハーヴェイ(著)/渡辺治(監訳)/
     森田成也、木下ちがや、大屋定晴、
       中村好孝(訳)/作品社2007年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「いかにして世界は、再編されているのか?
21世紀世界を支配するに至った新自由主義の30年の政治経済的過程とその構造的メカニズムを世界的権威が初めて明らかにする
渡辺治〈日本における新自由主義の展開〉収裁」



以前から流布されていた少数意見=新自由主義。下「」引用。

「ボルガー、レーガン、サッチャー、とう小平。彼らはみな、かなり以前から流布されていた少数意見をあえて採用し、それを(延々と続く闘争を避けることはできなかったとはいえ)多数派へと押し上げた。」

チリやアルゼンチンは暴力をともなったが……。下「」引用。

「新自由主義化はどのようにして、そして誰によって実現されたのだろうか? 一九七○年代のチリやアルゼンチンのように、それが急激かつ残酷、着実に進んだ国については容易に考えられる。伝統的な上層階級とアメリカ政府に後押しされた軍事クーデターの発生、それに続いて、彼らの権力を脅かしていた労働運動の都市の社会運動の内部で形成されたあらゆる紐帯に対する猛烈な弾圧がそれだ。だが、一九七九年以後の、通例サッチャーやレーガンに帰せられる新自由主義革命は、民主主義的な手段によって達成されなければならなかった。」

福祉をサッチャーから守った英国? 下「」引用。

「しかしながら、福祉国家が解体されてしまったかというと必ずしもそうではなかった。教育、医療、社会サービス、大学、国家官僚、司法の分野に手をつけるのは困難であることがわかった。」

IMFとアメリカ……。下「」引用。

「さらに、IMFを無視して資本取引規制を設けた国--マレーシア--の方が急速に回復した。同様に韓国も、工業・金融分野の再編に関するIMFの勧告を拒絶してから、急速な経済回復を果たした。IMFとアメリカ財務省が新自由主義化を主張しつづける理由は、一見したところ謎である。これについて被害者の側では陰謀論的な回答をする者がますます増えている。」

スウェーデンでも、新自由主義をとりいれた……。下「」引用。

「新自由主義への本格的転換が始まったのは、一九九一年に保守党政権が成立してからのことであるが、こうした方向性はすでに、経済停滞からの活路を見出すようますます強く迫られていた社会民主党の手で部分的には準備された。-略-今や理念を見失ったのは、右翼より左翼であった。-略-」

だけど、限定されたスウェーデン。下「」引用。

「スウェーデン市民は、いまだ自国の福祉制度に強い愛着を抱いていた。不平等は確かに広がったが、アメリカやイギリスでみられるほどではなかった。貧困水準は低いままだし、社会的給付の水準は高く維持されていた。スウェーデンの事態は「限定された新自由主義化」と呼びうるものであり、同国における種々の社会的指標がおおむね高い水準に維持されていることはその表われである。」

中国のとう小平のことも書かれてあったが、あまり理解できなかった……。

だが、日本よりひどい格差社会というもある。

アメリカ……。下「」引用。

「さらに、自らの無謀な経済政策を一要因としてグローバルな金融危機が起こった暁には、アメリカ政府は自国民に福祉を提供するいかなる義務もかなぐり捨て、社会的騒乱を鎮圧しグローバルな規律を強要するために必要となる軍事力と警察力だけは増強し続けるようになるだろう。」

ブッシュのままだと、そうだったろう……。
はたして、オバマは……。








index

目次



エンタメ@BlogRanking




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。