
さて、愈々今回ローマ訪問の最大の見所、システィーナ礼拝堂に向かいます。
バチカン美術館からシスティーナ礼拝堂に至る豪華絢爛な黄金の通路です。
そして礼拝堂に至る約200mくらいでしょうか、その間の通路にはこんな金色に輝く様々な
絵画が。ルネッサンス期のイタリアを代表する芸術家たちが競って腕を振るった結晶がここに。
この天井画ですが、目を凝らしてみると時々立体的に飛び出して見えるところがあります。
これが本物のレリーフか遠近画法を使った騙し絵であるか、現物を見ても全く判然と
しません。多分そんなところを意識して撮ってきたので、殆どは騙し絵手法のものだと
思いますが。デジタル写真ですと、より強調されて飛び出て写る傾向にあるようで、こうして
画像編集しているボクの目には、どれが本物のレリーフで、どれが遠近画法かますます
違いが分からなくっています(苦笑)。
こちらはコブラン織りの「最後の晩餐」。ちょっと面白い構図です。手前の使徒たちがこちらを
振り返っているように見えます。裏切り者の知らせでも届いたところなんでしょうか。
ユダがどこかちょっとわかりづらいのですが、画面手前左端かなぁ。
そして黄金の回廊が終わったところを出ると、愈々礼拝堂の入り口です。
残念ながら礼拝堂の中、あのミケランジェロが描いた大天井画の「最後の審判」は
撮影禁止になっています。バチカンで、観光客が入れる場所で唯一だろうと思い
ますが、撮影不可の場所です。
因みにこの礼拝堂は法皇の公式の執務室という位置づけですが、一般的には
例の法皇選出の際、この礼拝堂に候補者が缶詰になって投票を行うコンクラーベの
場所として有名です。
上の二枚はウイキペディアさんからお借りしました。上の写真は礼拝堂の半分です。手前に
同じくらいの大きさの部屋があって、ミケランジェロの最後の審判の天井画が続いています。
この写真は恐らく修復前の撮影ではないかと思いますが、数年前に大修復がなされ、かつて
見えなかった細部が克明に再現されています。ボクは修復前に二回、修復後の今回が二回目
で都合四回観たことになりますが、はっきり言って修復前は何の絵かよく分からなかった(苦笑)
修復されて、ミケランジェロが何故天才と言われたか、すんなりと理解出来ました。何故なら描か
れている人物がまるでそこにいるかのように立体的に見えたからです。現代の我々は3D画像
という近代科学でかなりリアリティの高い画像を見ることが出来ますが、フレスコ画でこれだけの
自然な立体画像を表現できるとはもうため息しか出ません。
そしてバスケット・コートが二面入るような巨大な部屋の天井に、どこをとっても緩みのない、緊張感
溢れる情景を描き出す力量はまさに神業としか思えません。
歴史的に見るとこの作品の発注については最後までミケランジェロとダ・ヴィンチが競い、ダ・
ヴィンチは敗れ、空しくモナリザの絵を持ってフランスに行くのですけど。理由は遅筆なダ・
ヴィンチではこれだけの大作は完成させられないだろうという懸念が強かったと言われて
います。多分大方の識者の見方は当たっていたんじゃないかしら。
え~と、これからこのミケランジェロの最後の審判を見に行かれる方がいらっしゃったら、
アドバイスさし上げることがひとつ。是非、快晴の日にお越しください。この日は生憎の雨模様。
時折小雨がぱらついて。この礼拝堂、非常に明かり取りが小さく、照明も殆どありません。
で、修復直後に見たあの素晴らしい色遣いが全くと言ってよいほど感じられず、躍動感溢れる
動きが減殺されておりました。是非是非快晴の日に行って下さいね。
通路の写真の中に、犬走りのような場所が写っていますが、そこには観光客は登れないのでしょうか?
レリーフは、四角い額縁の外側は皆彫刻に見えます。
そして、あのミケランジェロの対策をいつか見に訪れる時には、絶対に晴れの日を選びます!
彫刻で額にかかっているのも、わざとらしく、これも
騙し絵だろうとボクは推測してますけど(笑)
是非、今度はイタリアも行ってみて下さい。フランスと
全く違うもっと重厚さがありますよ。