robihei日記(将棋とか、GOLFとか、徒然に)

将棋ファン暦30余年、10年程前のNスペ「対決」を観て将棋ファン熱が更に高じ、以来ずっと棋界ウォッチャーに

3/9奨励会三段リーグ最終戦

2006-03-10 12:24:07 | 将棋な私

年に2回、半年間の期間をかけて行う奨励会三段リーグ最終局が昨日行われ、4/1から新四段となる2名の棋士が決定した。

まずは三段リーグの対戦表と、そもそも三段リーグって?という方に奨励会のシステムを説明した将棋連盟のHPをご紹介。
三段リーグ対戦表  http://www.shogi.or.jp/kisenhyo/sandan/38.html
新進棋士奨励会   http://www.shogi.or.jp/kisenhyo/syourei.html

6級から多くの奨励会員がそのキャリアをスタートし、1級→初段入品を経て二段・三段と昇段すると、半年間全18局の三段リーグへの資格を得る。4月に三段になると10月まで待たされることになるので、三段リーグに駆け込むためには現二段で昇段間近の人間は必死に勝ち星をつもうとするという事情もあったりする。常にすべての対局に全力を挙げている修行中の棋士の卵たちに手を抜く抜かないのメリハリはあろうはずもないが、ともあれ三段リーグは半年に一度、その時点(3月及び9月末現在)で参加資格のある20~30数名の棋士の卵を乗せて発車するバスのようなもの、終了時に降りる人は次の2種類。

■昇段して新四段のプロ棋士になれるもの、2名
  (勝ち星順、同星の場合は順位順、ここも「順位戦」である)
→昇段した新四段は、毎年6月~翌年3月に行われる将棋順位戦の最下級クラスである「C級2組」に編入される、10月昇段者は翌4月まで待たされる。

■年齢制限・自主退会等で三段リーグを去るもの
→(参考)年齢制限=日本将棋連盟HPより
「満23歳(※2003年度奨励会試験合格者より満21歳)の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は退会となる。ただし、最後にあたる三段リーグで勝ち越しすれば、次回のリーグに参加することができる。以下、同じ条件で在籍を延長できるが、満29歳のリーグ終了時で退会。 」

個人的な感覚値だが、統計的に見ていると各回の三段リーグ参加者のうち、約々半数が後にプロ棋士になっている。今三段リーグに参加している32名の青少年のうち、今回昇段は糸谷・中村太の両三段(ともに17歳、若い!)だが、残る30名のうち、今後プロになるのが10名ちょっとはいる計算になる。

瀬川棋士(昨年アマから特例受験で四段に昇段)もかつて奨励会に属し、この三段リーグの年齢制限の前に門戸を閉ざされた一人である。

個人的に注目している2人の奨励会員のうちの一人、佐藤天彦三段(昨年の瀬川アマの受験対局者の一人)は、「昇段2名につぐ第三位の成績で三段リーグ次点を2回とったものは順位戦参加資格のないフリークラス棋士(四段)になれる」という規定を蹴って三段リーグに残ることを決断して話題になったが、今回も惜しくも勝ち星1つの差で四段昇段を逃した。次回に期待。

また、もう一人の注目奨励会員である関西所属の吉田二段は次回三段リーグに間に合わず。秋からの三段リーグには参加できる可能性が大だが、これも興味を持って見守りたい。吉田二段は昨年の朝日アマ名人から19歳という奨励会入会適齢期(12・3歳が大半)を大きく超えての年齢から1級で受験、見事合格、瞬く間に初段→二段と昇段したが、三段リーグ参加にはいま少しの勝ち星が必要な状況。昇段のためには8連勝もしくは12勝4敗、14勝5敗等の基準となる星が必要であり、奨励会員同士の壮絶なゼロサムゲームが繰り返されている。

『東大生になるより難しい』将棋棋士の卵の世界、一端をご紹介しました。