robihei日記(将棋とか、GOLFとか、徒然に)

将棋ファン暦30余年、10年程前のNスペ「対決」を観て将棋ファン熱が更に高じ、以来ずっと棋界ウォッチャーに

棋王戦終了、将棋09年度総括などなど・・・

2010-04-02 14:34:46 | 将棋な私
あまりに衝撃的なベストバウトを目の当たりにし、おもはずtweetするのが精一杯の状況から
早3日ほど経ったが、棋王戦が大詰めで最終局決着(3/30)そして期末の将棋大賞選考と
トピックが続いたのでちょっと総括っぽくrobihei的にも整理しておきます。

■棋王戦、最終第五局
→結果、この対局が年度の名局賞を得ることになる延々190手の二転三転の大接戦。結果
 指運が久保に味方して●○●○○で久保が防衛という結果に。
 佐藤の無念、いかばかりか。ちなみに「指運が最後に幸いする」のは確実に終盤の実力
 を顕しているといっても過言ではない。機械で無い人間同士の戦いの中で、小ミスは
 しても、一局を棒に振る(この局に関しては、結果的に冠位を失うことになる)ような
 決定的な悪手は指さずに最後の最後まで戦い抜く。そのような棋士に「最後に指運が来る」
 のである。久保つえーや。ホントに強い。技術もさることながら、精神の成長が大きい。


■将棋大賞
→恒例の年度末総括の選考。羽生が17度目の受賞。ちなみにこの数字はバケモノ的である。
 羽生以外で大賞受賞してるのは、彼以外の現役では谷川5、佐藤森内高橋加藤一各1と
 いう超超寡占状況。それも、この20年以上で限れば羽生谷川佐藤森内しか取ってない。
→これに久保あるいは渡辺・深浦あたりが交代で入ってくるようになれば、本当の戦国時代
 といえるのだろうが、あと5年ぐらいでそうなって欲しいものである。
→他の賞で目を引いたのは新人賞の戸辺(最多勝豊島・新人王広瀬を凌駕という評価)と
 敢闘賞の木村である。特に木村、24勝23敗という平凡な成績でrobihei自信も???と
 一瞬思い出すのに時間が掛かったが、そうそう昨夏あと1勝でタイトルに手が掛かった
 棋聖戦、王位戦の両タイトル戦で、その1勝が結果あげられずに棋聖は王手から連敗、
 王位は王手から4連敗という計「初タイトルリーチの状態で6連敗」という珍しい記録を
 樹立したんだった。
→ちなみにこの23敗、棋界全体で2位タイである。負け頭は25敗の佐藤、23敗のもう
 1人は郷田九段。そう、「タイトル戦に出て負ける」ぐらいしないとここまで負けられ
 ないのである。将棋界、沢山勝つのも大変なのだが沢山負けるのも大変という不思議な
 業界なのである、ふう。

さて、替わって10年度。注目は戸辺くん。快進撃はいつまで続くことやら、
「強くなった」のか、「単に調子がいいだけだった」なのかは、この1年でベンチマーク
されることになる。
日本一高い米を作る魚沼の脱サラ農家の長男でもある戸辺誠六段、皆さんご注目を。


王将位移動

2010-03-19 14:45:56 | 将棋な私
ちょっとガッカリが強かったこともあり、2日ほど更新する気が起きなかった王将戦の結末。

自分が2日前に呟いたtwitterを時系列に並べて振り返ってみる。

(その1)
昨日から2日制で対局してる▲羽生△久保の王将戦、業界用語だが「ゴキ中▲5八金超急戦」指し始めてから双方十手ずつ位指した段階ですでに過激な終盤戦という絶対よい子は真似してはいけないw将棋。ちなみにこの戦形、2人では5局指されていて結果は全て▲羽生の勝ちという戦績が残っている。
(その2)
しかし、星取は羽生から見て●○●●○という状況、いわゆるあと1番で失冠という「角番」この戦形は高さ百米の平均台の上を全速力で向かい合って走るような「将棋界のチキンレース」とでもいうべき戦い。一歩踏外せば即奈落=失冠という状況で平然とこの戦形に誘導しつつどんどん過激に踏み込む王将w
(その3)
しかし、2日目午後の今やっと、50手超えたという段階で(結果はまだ出てないものの)▲羽生優勢の終盤らしい。してみるとやはり「これで僕に勝てないなら王将位あげない」という声が聞こえる。「羽生さんの指し方は古傷に塩を塗るようなもの」という羽生通の深浦森下の冷静なコメントも。すげーや。
(その4)
ということでこの話のオチは「早く決着がついてくれないと、チラ見してる私としては仕事の生産性が落ちて仕方が無い」ということです(笑)羽生タンがんがれ。
(その5:終局直後)
王将位が動いた。久保が2冠になった。羽生にタイトル戦で勝つってのは本当に大変なことだけど、これで久保も最強リトマス試験紙を1回クリアした実績がつく。おめでとう!羽生さんは4月までにきりかえて、名人戦できっちり勝って、竜王戦では挑戦者になってくださいな。

うむ、吾ながらよく流れが作られてる(笑)

要は、
”一歩踏外せば即奈落=失冠という状況で平然とこの戦形に誘導しつつどんどん過激に踏み込む王将”
が本当に一歩踏み外してしまって失冠という結末。ああ、最後久保に負けても悔いは
ないんだけど、もう一番見たかったなあ・・・面白すぎなんだもんこの2人の将棋は。

しかし、数あまたの手の分岐で唯一凌げる手順が久保のために残されてたという今回の
最終盤の展開、その数手前に桂馬で合駒したものが香車であれば、その後の展開でほぼ確実
に羽生勝ちの展開になったと思われることからも、この戦型の厳しさを再確認してしまう。

その久保新二冠が今日は角番の棋王戦を対局、多分これ負けて一冠に戻ると「最短二冠記録」
と称されることはほぼ間違いない(笑)でも僕は佐藤挑戦者を応援してます。


棋王戦第三局:揺れ動く未来

2010-03-08 15:03:35 | 将棋な私
新潟で指された第三局。3番続けて後手番勝利となる形で佐藤が勝ち。
○●○で2-1となった。

うーむ、どうなのかなこの展開。

・久保に連戦の疲れが見えてきている
・佐藤、先日の順位戦といい、吹っ切れた感満載の趣
・羽生は羽生で、「最強リトマス試験紙」の役目を十分果たしそう

上記を踏まえ、大胆予想をして見ます。

今週の王将戦、久保が勝って王将奪取なら、久保が3月末には二冠になる。
逆の展開にて、羽生が勝って王将混沌化となれば、久保は残念ながら無冠になる。

さあて、今週が鬼勝負ということですよそういう意味じゃ!

でも、でもね多分、このどっちも予想がはずれて、「結局一冠じゃん」って
可能性が一番たかい訳ですがね(爆)

A級順位戦最終局

2010-03-03 14:03:50 | 将棋な私
うん、満足度60%ってとこかな。23時から25:30過ぎまでは堪能できました。

○ 藤井が残留したこと(これのみ?(笑)+50%)
  木村勝ち越し   (+9%)
  佐藤勝ったし(笑)(+1%?(笑)、証文の出し遅れも甚だしいが)

× タニー・・・orz (△15%)
  郷田・・・(T_T) (△20% 最終的に三浦挑戦でもいいからPO見たかった)
  解説がなあ、、(△ 5% もう少し力強く言い切ってよ阿久津君、渡辺君)

個人的には佐藤の快勝譜を並べつつ「B1に落ちた人の指す手じゃない」と昨日だけは
絶賛していた先崎のコメントが嬉しかった。彼なりの最大限のエールなんだろうな。
モテ光くん、親友だしね。

来期はこの面子から佐藤・井上out/久保・渡辺inという構図。
うん、これに深浦と(ちょっと時間が掛かるけど)豊島くんぐらい入れば完璧だ。

そして、来期もまた藤井猛の死に物狂いの残留争いが話題の中心になるであろうA級。
いやー、ゼロサムってほんと怖いわ。

藤井猛の引退まで順位戦の彼を応援し続けると心密かに誓っているrobiheiにして、
今から気が重い来期順位戦。今年もお世話になりました。

棋王戦第二局:一抹の寂しさ

2010-03-02 14:31:33 | 将棋な私
ほんと、最近ツイッターばかりでblog上げる気にならないです。

北陸で先週末の土曜日に指された棋王戦。後手番久保が中盤から終盤の入り口の捩り合いを
制して●○のタイに。5番勝負は改めてここから3番勝負の図式に。

うーむ。



佐藤・森内、そして羽生。磐石と見られる将棋の強さの根底にあった「磐石の終盤力」が
どうやら翳る時期が来たようである。
今回も明らかに棋譜のコメントを見ると佐藤が終盤の入り口以降、読み負け。

こりゃ、棋王強いな。無冠予想は大変失礼した、という感じ。
二冠の可能性が一番高くなってきた今日この頃である。

そして今日はA級最終日。藤井、そして郷田、頑張れ。

王将戦第四局

2010-02-18 19:40:33 | 将棋な私
島根県で指された対局。中盤から「!!!」が沢山つくような派手な、あるいは奇想天外
な手の応酬だったが、終盤の入り口で羽生王将が致命的な見損じをしたようで、一気に
非勢となってそのまま決着。

これで、久保挑戦者から見て○●○○ということでリーチ。
3年前の深浦王位奪取と同じ流れになってきた。

うーむ、どうやら王将の取られ時というニュアンスが強まってきた。

でもね、きっと最終局まではいきますよ、きっとね。

次、第五局は3週間後。結構長いインターバルを経て、そこからは3週連続の対局になる。
まあ、次で決まる確率は45%、それを逃すとフルセットの確率が8割方という見立て。

久保が7割方は優勢になり、羽生は首の皮1枚という状況ではある。

でも、河口老師流にいえば

「その1枚の首の皮が意外に分厚いのである」

という状況ですな。

王将戦第三局&新女流名人誕生

2010-02-12 15:19:02 | 将棋な私
ファンサービスを兼ねて祝日を交えて2/10-11で掛川のお城で指された王将戦第三局。

先手番久保の捌きvs羽生王将の金銀5枚の厚みという対照的な布陣から、久保棋王が
軽快に捌きから強襲を決めとおして○●○の星勘定で2-1とリード。

うーむ、久保が羽生相手のタイトル戦で2勝するのは初めて。事件だな(笑)
3年前の王位戦での深浦のときと同様、これまたフルセットまで行くことになる予感。

しかし、最終盤の羽生の凌ぎの恐ろしさといったら・・・月並みながら
「負けてなお、羽生の強さありあり」という構図であった。
調子よさそうなので、明日の朝日杯が楽しみです。

運よく入場できることになったので、次回はその感想など上げたいと思います。

話かわって王将戦の1日目は女流名人位戦の第三局の対局日でもあり、挑戦者里美倉敷藤花
が○○○で女流名人位奪取。

10代での女流二冠は史上二人目の快挙。ただ、その最初の人が

「林葉直子」

であることから、個人的にはあまり触れないでほしいと思ってたりします(笑)
ともあれ、これから女流のニュースターがいろいろなところでフィーチャーされていく
ことになると思う。変な虫がつかず、すくすくと棋力が伸びますように。

巨星堕つ

2010-02-04 16:32:20 | 将棋な私
既報の通り、昨日行われたA級順位戦第8回戦一斉対局。

互いの首を掛けたがけっぷちの戦い、藤井-佐藤康光戦は、先手番藤井の穴熊から、
只捨て▲8二銀の鬼手一閃!以降大差の決着。

これで、名人2期、通算タイトル12期、永世棋聖位資格保有者の佐藤康光がA級陥落決定。
名人経験者の降級は中原誠以来10年ぶり。

佐藤の今期、●●●●●●○●という成績では如何ともしがたい。
前々期の時、●●●●●●○○○で奇跡の生還をした訳だが、それを再現するには
至らなかった。

現役でのタイトル数ランクでいえば、羽生谷川に次ぐ第三位、永世位を保持する現役棋士
も羽生谷川森内(名人)渡辺(竜王)佐藤(棋聖)と5人のみ、まさに将棋界という小宇宙
での「TOP of Tops」の一角の陥落・・・

まさに「巨星堕つ」である。

次期、B1という池で佐藤康光という鯨がどういう立ち振る舞いをするかというのも興味
がないではないが、やはり第一感としては「違和感」が表現として相応しい。

佐藤が負けて陥落すること、これからのことでシビアに言えば、「負けて落ちたこと」より
「佐藤はもはや最強ではない」と思われること(信用の崩落)の方がより深刻である。
これを一期での圧勝でA級復帰という形で反証できなければ、文字通り佐藤の棋士としての
朱夏の時期は終わっていくことになる。

2010年という今年1年、佐藤康光のことを注視していこう、と改めて思う1日となった。

最後に一言。鰻屋こと藤井猛九段、良く勝って凌ぎました。とはいえまだ首の皮が完全に
繋がっていないという状況。佐藤を屠った者としての義務、次ぎ勝って残留はTOP棋士
としての絶対の義務。是非それを果たして欲しい。

週末将棋、満喫なう(笑)

2010-02-01 18:32:27 | 将棋な私
いやー。最近ツイッターばかりでblogがお留守になりがちです(笑)

先週末から土日にかけての将棋界

■金曜日:王将戦第二局・驚異の終盤の応酬

■日曜日:AM渡辺マジック満喫・久保も嵌まった驚きのB面攻撃

     PMお嬢さんいつの間にそんなに駆引き巧者になったの?(笑)という
       里見嬢の圧巻の指し回しでの女流名人戦連勝の1局

やっぱり、将棋はライブに限る。ライブコンテンツとしての魅力にどんどん磨きが
かかる一方で、それを支える文化事業(メディア様その他)の足腰が弱り続けている
状況がすごく心配なう、ほんと心配なう。

王将戦開幕

2010-01-18 09:34:58 | 将棋な私
将棋を指す会場としては若干どころか多大な違和感を感じる徳島の大塚製薬関係の美術館
だかの大フレスコ画広場で指された開幕局。

先手番久保の3手目▲7五歩からの三間飛車、いわゆる石田流で派手な斬り合いの熱戦を
制して挑戦者先勝。

負けて尚、

「序盤でやり損ねたあの将棋を飛車角を切り飛ばして肉薄の熱戦に持ち込んだ羽生強し」

という評判しきりの今日この頃ではある。
だが、一方で冷静な星取を考えれば今まで4度タイトル戦を羽生と戦い、最高でも一番しか
入らなかった久保がいきなり勝てたってのはとてつもなく大きい。

早速で早すぎる予想ながら、「次局勝った方が王将」という気がしている。
次は栃木大田原で月末に指される。今からワクテカである。