robihei日記(将棋とか、GOLFとか、徒然に)

将棋ファン暦30余年、10年程前のNスペ「対決」を観て将棋ファン熱が更に高じ、以来ずっと棋界ウォッチャーに

名人戦問題決着

2006-12-31 17:17:48 | 将棋な私
なんか今年は年末ぎりぎりまで忙しく、まだ年賀状も書けてない状況の中、将棋界の10大ニュース(週刊将棋選)でもブッチギリのトップ(当たり前だ)だった名人戦問題について決着の報道が4・5日前になされた。

細かく書けばきりが無いが・・・しっかり見比べていない中ながらいくつか感じることを。

■先手を取った将棋連盟だったが、結局は連合2紙に「トータルコストマネジメント」をされた形になった。普及協力金の5年間をどう活かせるか、それに尽きる感はある。

■「棋界序列第一位」の変更はなし、という話(竜王戦のことね)08年度までは契約済みだから、というのがその理由。これはまあ時限爆弾ですね。竜王戦更新騒動の際に「履歴書の方」が暴言暴挙に及ばないことを祈っております。

■若干コストを下げつつリニュアルされる「朝日オープン」の棋戦の内容がとても興味深い。この棋戦がどのように変遷するかに朝日新聞社の品格が中長期的に顕れる気がする。

来年、時間と共に契約内容の詳細分析や、棋界指導者層の名人戦改革にあたっての公約の予実分析の振り返りなどいくつか記事が出てくる気がする。

経営者としてはやや失敗(しそこなった感じはある)だった今回の騒動だが、プロの経営者ではない米長執行陣としては及第点とはいわないものの「可」の評価は下されている感じがする。だってこの決着で「落第」といわれたらそれ以上の結果を出せる人間・陣容は連盟内にはなかったのは明らか。

お門違いの連想ながら、「ヴィッセル神戸に三木谷氏が29億円寄付」という記事がどうにも気になる。ナニ長者でも構わないから寄付でも集めてまとまった基金でも造らないことには中長期的に見れば間欠泉のようにまた経営問題がきっと起きる。

来年もまた、勝負事以外で棋界のあれこれを書く1年になるんでしょうかねえ?まあ半分好きでブログ書いてるってのはありますが(語るに落ちたか、こりゃ^_^;)

それでは皆さんよいお年を

竜王戦決着

2006-12-22 13:07:47 | 将棋な私
終わってしまった・・・

時間がないのでまずは一言だけ。

渡邉竜王は棋界第一人者(もしくはその一団の一員)の認知を名実ともに得たような気がする。あと足らないのは羽生にタイトル戦で勝つという「結果」だけである。そのチャンスは意外に近くに(とはいえ1年近くかかる)ありそうではある。そのときにあっさり羽生善治が土俵を割るとも思えないのですが。

佐藤の指してが羽生に挑みかかるときと全く違う様相だったのも印象的。少なくとも年齢差からくる無意識領域の判断が多少作用したか?「勝ちに行く将棋」でなく「負けないことを第一義に指す将棋」であったのが印象深い。

あとは、竜王ブログの更新を待ちましょう。

竜王戦最終局第一日:ワクテカな二手目△3二金(笑)

2006-12-21 02:32:57 | 将棋な私
うーーーむぅ、あまり題名からはしゃぎたくないんですが、、が、、が。やっぱ場外乱闘の要素も交えてこの話題には触れないと。

新潟県の旅館龍言で20日から行われている竜王戦最終決着局。千日手が3回ぐらい続いて明け方とかにならない限り決着が付くはずナ2日間がスタート。そこでまたまた飛び出したのが後手番佐藤棋聖の△3二金!だったのである。

若干補足説明を。先手は8割がた初手▲7六歩、残りが▲2六歩からスタートする。その応手となる2手目すなわち後手番の最初の手は角道を開ける△3四歩か飛車先の△8四歩が普通、というか他の手は不利を招く手になるのでしないのが得策。

なのに前局後手番でカド番の佐藤棋聖は二手目△3二金!これには渡邉竜王もびっくりだったのだけど、飛車を振って挑発を受けたものの結局完敗。腹立ち紛れに打上の二次会で酔った勢いで「最高棋戦で△3二金はないでしょ!」のダダ発言まで出た。

今回の佐藤は絶対にそれを耳にしたか週刊将棋で読んだ(しっかり記事に、活字になっているのよ^_^;)に違いない。「最高棋戦で指す手ですよ」と頑固に続けるところがまた佐藤らしい。

思い出すのが10年ほど前の飛ぶ鳥落す勢いの羽生六冠(当時)が名人で居飛車党の森下卓の挑戦を受けた名人戦53期だったかな?後手番でやっぱりやった羽生の△3二金!これは振り飛車に来られると損という定説のある手でもあり、「居飛車党の森下サン、飛車振れますか?」と挑発している訳である。

毎日の記事を読んで覚えているんだけど立会いだった塚田九段が「これは30分は考えますよ!」という予告どおり24分顔を真っ赤にして考えた森下が決然と飛車を振ったが、結局は羽生勝ち。その後の感想戦後の打上2次会でやはり勉強に来ていた勝又5段(当時)らと話をした結論が、「将棋の最善手ではないけれど、勝負の最善手かもしれない」ということだった。

昔話が長くなったが、佐藤の連続挑発はこれを思い出しますた、ハイ。

今回は挑発に乗らず居飛車同士の戦い、将棋の純文学と言われる相矢倉戦脇システム系の戦いに。今にして思えば渡邉の前局終了後の愚痴は「またやってこい」の挑発だったのでは・・・?と穿った見方さえしたくなる。

まさにワクワクテカテカの展開である。どっちが勝ってもいいんだけど、早く終了翌日の渡邉ブログが見たいというのが一番の希望かも(爆)

竜王戦第六局

2006-12-15 16:38:21 | 将棋な私
あくまで個人的な記憶から来るイメージだが、過去から歴史的に「竜王戦決着の地」になることの多かった山形・天童で指された第六局、結果は既報の通り後手番佐藤棋聖の快勝で3-3、決着は最終局に。

前局のコメントのときに火曜移動→水木対局→金曜帰還のサイクル3連荘と書いたのですが、間違いですた。今回ですでに3連荘終了、次週で4連荘となります。竜王からみて○○●?というこの12月の連荘シリーズ、さてさてどうなりますか・・・

ずーーーっと「第6局を制するものが竜王戦を制する」といい続けてきたものの、今回の結果を見て改めて問われれば・・・「やっぱわかりません(笑)」まったくの五分五分に近い。(いやー、正直にいえば渡邉が勝っちゃうと思ってましたよ、ハイ)

あえて差がありそうな部分を言えば、
「今回の負けはしそこなった部分が全くなくて完敗だったことで、精神的には殆ど痛くない渡邉」一方で、
「鬼神の如く勝っていた佐藤が直近まさか???の4連敗だったのがこの1番でトンネル脱出」
うーん、、、こっちの方が大きいか?精神的に佐藤>渡邉の微差はある感じ。佐藤は少し前も秋口に4連敗から脱出後怒涛の12連勝を果たしている。

否応なくあと1週間で結果は出るが、もう一度ワクテカな2日間をすごせることは将棋ファンとして幸せである。

最後に、この状況を河口俊彦老師ならどう表現するか、心相模写のコメントを以下に記しておきます。

「開始前に渡邉-佐藤の竜王戦の予想を問われれば、殆どの関係者、棋士たちが佐藤圧勝の予想をしていたわけであり、現に第二局までは下馬評通りの展開だった。

それが第三局を終盤の捻り合いで制してからはツキが変わったように渡邉が勝ちまくった。3-3のタイとなって最後の大一番の帰趨を問われれば今や予想は全くの半々、いやむしろ竜王乗りの方が多いかもしれない。

渡邉はこの竜王戦で佐藤と互角の戦いをしたことで、羽生や森内を含めた羽生世代のトップと、すなわち棋界の第一人者達と全く同格であるという評判を得た。この信用の向上ぶりはどうであろう。

最終局の結果防衛できようが佐藤が勝とうが私に言わせれば大差がない。渡邉にとってはここまでで同格の評判を得たことがこの先の棋士としての人生で大きな財産となるに違いないのである」

とまあ、こんな感じでしょうかね。現に順位戦なんか「早くA級まであがってしまっちゃいな」と言わんばかりの周囲の目線だしね・・・

竜王戦第五局

2006-12-09 18:48:31 | 将棋な私
滋賀県で行われた第五局、火曜日移動→水木対局→金曜日帰還のサイクルの3連荘の2ラウンド目。後手番渡邉竜王が勝って●●○○○で防衛に王手。つえーな竜王の声しきりの昨今である。

2つ感じていることがある

1.世代交代の足音
→月並みだが、こうやって覇者の世代が交代するのか、と今更ながら歴史のページがめくられる瞬間を見ている気分になる。
→「タイトル戦を戦うと香車一本強くなる」が挑戦者佐藤康光の口癖だが、今回に限っては違いそう。明らかに渡邉はそうなっているものの、その強くなっている香車一本分は佐藤から吸っている音が聞こえて来るようである。
感覚的には竜王戦開始前に半香(片方の香車を駒落ちにするハンデ)ぐらいのアドバンテージがあった強さの佐藤が、ただ今の時点では逆に渡邉が半香ぐらい抜き去った感覚さえある。丁度差引き香車2枚分である。

2.時間消費のペース
→全部の対局の棋譜を調べていないが、佐藤勝ちだった前半2局はともかく、負けているここ3局は、「佐藤優勢もしくは優劣不明」→「先に佐藤が時間切迫(1分将棋に)」→「難解な終盤戦で”膂力に勝る”渡邉が捩り勝ち」と、判で押したように同じような展開である気がする。
ここで特筆すべきなのは、「終盤の膂力」といえば羽生佐藤森内というここ10年ぐらいの定評を覆すかの如く、「鬼強い」渡邉の終盤力。直感・反射神経的な勝負となる1分将棋の終盤では若さと伸び盛りの勢いに棋界トップクラスの終盤力の持ち主の佐藤でさえ吹っ飛ばされているのである。

こうなれば、直「感」の戦いとなる以前に、大局「観」の勝負で微差を勝利に結びつける展開を望みたいのだが・・・難しい中終盤の入り口で次々と繰り出される渡邉の勝負手に見る見る考慮時間を奪われて・・・という展開になっている。調子のピークが少し落ちて決断力と踏み込みがやや落ちた感のある佐藤康光。次局本当に、本当の正念場である。

第六局先手番の渡邉、6局自体の勝ち負けの確率は6:4と見ておこう。但し再度予言の確認、

「第六局を制するものが竜王戦を制する」

もし次渡邉勝ちとなり、森内・佐藤と連続撃破という実績が確認される事態になれば、羽生世代の堅陣もいよいよ本丸羽生だけという展開に。しかしその羽生渡邉のタイトル戦が中々実現しないというのも棋界の皮肉の1つ。ドラムロールがずーーーっと鳴り続けているという感じである。羽生渡邉のタイトル戦、次は早くても来年の王座戦か竜王戦?うーむ両者共に頑張ってホシイッス。

竜王戦第四局

2006-12-01 13:13:31 | 将棋な私
愛知県豊田市で行われた11/29・30の2日間での対局。先手番渡邉竜王が勝って、これで竜王から見て●●○○のタイスコアに。

勢いは渡邉だが、地力その他はやや佐藤が上もしくは互角か?という状況。勝ちすぎ、確変モードといわれた佐藤モテ光もさすがに小休止状態。

この後どうなるか?正直言って五里霧中。10年前に羽生佐藤で竜王戦やったときのマリオ武者野(近年とかく言われる棋士ではあるが)の言葉を思い出した。

「第六局を制するものが竜王戦を制する」

今回は、まさにその展開になってきたような気がする。これから年内ほぼ毎週予定される竜王戦、2ch的表現で言うと「ワクテカ」な展開である。