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雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

白光/連城 三紀彦

2008-07-16 | 小説
 幼い少女が殺された。

 少女は誰に殺されたのか?何故、殺されたのか?

 ある空白の時間に起こった殺人事件。そこには、他所からは窺い知ることのできない、怨念、後悔、嫉妬、裏切り、愛憎が渦巻いていた。

 犠牲になった少女を取巻く穢れた者たちの≪救いなき物語≫



 そんなに派手さがあるわけでもなく、むしろかなり地味目なミステリー小説。それでも真犯人が二転、三転、いや、四転、五転くらいする流れはかなり読み応えあり。
 ある家庭での事件だけれど、なんだか社会の縮図を見ているような、そんな気持ちにさせられました。

 ミステリー小説に≪救い≫なんてないんだろうけど、この小説は必死に≪救い≫を求めている。でも、そこに≪救い≫は、ない。

 なんとも「ジメっ」とした、梅雨時にはもってこい(?)の作品です。
 
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