雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

水汲み奔走列伝

2008-02-17 | 雑記
 我が家では飲料水を毎週日曜日の朝、山まで汲みに行っている。

 もちろん、水道水が飲めない訳ではないが、なんとなくマンションの水道というのは、イヤだ。だからといって毎回買うのもアホらしいし、何より、小一時間ほど車を走らせれば、そこには壮大な自然がもたらす連峰白山の伏流水が溢れ出ているのだ。これを活用しない手は、ない。

 そんな訳で、今日も今日とて朝の八時に出発した次第。(妻同伴)

 が、この記事の一つ前の写真を見てもらえば分かるように、そこは雪山・・・いつもの水汲み場「弘法池」というところなのだが、なんとも素敵に積雪五、六十センチ。それでも用意してきた長靴に履き替え、あたふたと水汲みの場へ。そして、いざ、蛇口を捻ると、凍結・・・。だみだこりゃ。

 が、しかし、そこは偉大な白山連峰のお膝元、水汲みポイントは数々点在しているのだ!

 そこで、次に目指したのは私の勤める会社の社長から教えてもらった「穴場なポイント」に向かってみた。そこは初めて行く場所だったのだけれども、「スキー場の近くなのですぐに分かるよ」という話だったので、大方の場所は見当がついているので、すぐさま向かった。

 が、そこはそれ、シーズン真っ只中だ。道中やたらスキー客の車が多くて、しかも近辺に着くも、その場所が見当たらない。
 ここまでおよそ二十分ほど・・・。
 しょうがないのでスキー場の駐車場整理をしている若いオニィチャンに「この辺に水汲み場があるって聞いたんですけど・・・」と訊ねてみた。
 すると、「あぁ、それだったら、ホラ、あそこの白い建物の横の細い道を入っていったところっすよ」と、指差された方角を見ると、スキー客がわんさかと・・・。
 一瞬たじろぎながら「この雪でも、入っていけますかねぇ?」と道路脇の余裕で一メートル越えしている積雪を見やりながら訊ねれば、「いやぁ~そこまでは分かんないっす」

 ・・・・・・・。

 そ、そうですか、ありがとうございます・・・そう言って、来た道を引き返しました。いくらなんでもあの人だかりの中をグイグイ進んでいく根性は見当たりませんでした。

 しょうがないので、とりあえずいつも地元の新鮮野菜を直売しているお店へ行くことにしました。そこまで戻ること、およそ三十分・・・。

 そこで何気に近隣地図を見ていたら「延命水」と書かれた場所が。ここから程近そうだったので、店員のオバサンに「この『延命水』って、汲めるんですか?」と訊ねると、「あぁ、そこはあんまり・・・」と、何やら言葉を濁す。続けて「それより、最近はこの『地蔵水』ってところが流行ってますよ」と、「延命水」とは逆の方角に記されている「地蔵水」を指差す。
 いや、流行ってるって(笑)・・・などと軽く心の中でツッコミながらもオバサンの説明を聞き、
「遠いですか?」
「いいえぇ、ここから車で二、三分くらいのところですよー」
「じゃあ、行ってみます」
「お気をつけて」
 そんな会話を交わし終え、いざ、「地蔵水」へ!

 ・・・・・・あれ?

「もう、五分くらい走ったよなぁ・・・?」と妻に問えば。
「なんか、すでに集落通り越して、この先なにもなさそうだけど・・・」と一面の銀世界を見渡し不安が過ぎる。

「も、戻るぞ!」

 昨夜観た『バベル』の途方もない砂漠のシーンが脳裏を過ぎった私はすぐさまUターンを決めた。

 程なく戻ると家の前で明らかに己の背丈よりも高い積雪をサッサと側溝によかしている齢80過ぎと思われるオジィチャンがいたので「地蔵水」の所在を訊ねてみる。

「あぁー、そりゃあ、バックだバック!もう一つ前の集落と集落の間になぁー・・・」そう言いながら積もった雪に人差し指で地図を描き始める。
 す、すまん、オジィチャン。大変分かりやすいんだけど、ツッコミどころが多いって(笑)と内心笑いを堪えつつ、「あぁ、そうですか、あぁ、分かりました。どうも、ありがとうございます」と満面の笑みを湛えその場を辞去した。

 オジィチャンの分かり易い説明のおかげで、すぐに「地蔵水」を発見したのだが、これがまた、民家のすぐ脇からジョボジョボと溢れていて、一見するとその民家の生活排水のように見える代物・・・・でも、先客がいて余裕で汲んでいるし、ここだよなぁ。

 私と妻は顔を見合わせ、「どうする?」「どうする?」と牽制し合う。

「やめとこう」私がキッパリ言うと、「だね」と妻も納得。

 そんな訳で、今日は水汲み出来ませんでした。まぁ、家にはまだストックがあるので、余裕なのです。

 帰りの車内で、「明日、仕事の帰りにお宮さんで汲んでくるよ」

 力なく私が述べると、妻は当然の如く「よろしく」

(ここで説明しよう!『お宮さん』とは私の仕事場のすぐ近くにある神社のことで、ここにも滾々と白山系伏流水が溢れ出ているのである!そう、最初からここに行けばなんの問題もなかった、という話なので、ある)


 

 おまけ。。。『秀さんを探せ!』↓

          
コメント
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