社会不適応者の箱庭。

ハイったり鬱ったりしながら生きているイキモノ・五十海(いかり・♀)の適当な日々を綴った『どうでも』なシロモノ。

01月10日。カスタム・チャイルド。

2010-01-10 | 読書のこと
 カスタム・チャイルド~罪と罰~
 遺伝子工学が発達し、子供の容姿の"デザイン"が可能になった仮想現代を舞台に、社会によって歪められた少年少女の屈折や友情を描く、著者渾身の青春ストーリー。
 メディアワークス文庫・壁井ユカコ著・¥650

 ネグレクト(育児放棄)された美少年、父が愛好するアニメキャラ(綾波○イ)の実体化として作られた少女、遺伝子操作を拒絶し自然妊娠にして生まれた"遺伝子貧乏(ジーンプア)”少年が主観となり、物語を紡いでいきます。
 金髪碧眼の"美少女&美少年"が横行し、個人の能力や何もかもが生まれる時に選んだ遺伝子(お金でどうこう可)で決まる世界。
 故に、今現在の自然妊娠によって生まれる子供は"遺伝子貧乏(ジーンプア)”と呼ばれ、一段低い存在に見られ、いじめの対象となる。
 そんな世の中に生まれた少年少女の物語。
 けして、世界がどうのと言うことはなく、世界の片隅での物語。
 でもそれぞれの痛みと望みがあって、絶望と祈りがある。
 誰もが幸福になれることもないし、誰かだけが絶望の淵から叩き落されるわけでもない。
 数ある登場人物の中で、気持ち悪いと言うか、反面的に執着が最強に強くなった1人がいる。
 そう、五十海は思う。
 執着がもてる程の何かを持ちえると言うことは、ある意味、凄いのでは?
 固執。
 読んでてぞくぞくした。

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