ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

香具師列伝(★★)

2005年12月15日 00時48分41秒 | 香具師列伝
窯業に従事する俺も「転職しようか?」と考えた事は何度もある。
あまりにも将来性が無いからだ。

知人に相談してみた事がある。以下、その時の話。

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「ちょうど加速器を売る営業員を探していたんだ。お前、やるか?」
「加速器?」

 何言ってんだ?と俺は思った。
(かそくき)って...原子炉みたいな巨大な装置じゃなかったっけ?
その辺を訊いてみると、

「そうだ。でも体育館くらいのサイズの小型のヤツだ。」
「何処で、誰に売るんですか?」
「研究所とか、政府の機関。場所は主にアメリカになるだろう。」

一体、この俺にそんな事が出来るのだろうか?

「...値段は?」
「日本円で一基、○十億円。」

いくら何でも単価が高すぎる、と俺は思った。

「そりゃ、マグカップでもオマケに付けないと売れそうもありませんね。」
「いや。加速器としては、破格に安いよ。」
「...。」
「3年に一基も売ってくれればいいからさあ。」

3年間、俺は何をすればいいんだ?想像も出来なかった。

「質問はあるか?」

「加速器、一基買ってくれた人にはスタンプ一個。
 で、それが5個溜まったら、マグカップ一個。
 そういうのも、営業経費で出ますか?」

「ほう。どんなカップだ?」

「東京電力のデンコちゃんみたいな、カソちゃんキャラのカップ。」

「いいよ。それでも。売れればね。」

「...。」
(や、やります。)と言う言葉を俺はグッと呑み込んだ。

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今まで、俺は、
「その時のノリ」や「勢い」で何度か人生を棒に振った。

でも、もう、そんな歳でも無いし。結局、断ることにした。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (裏山師)
2005-12-16 10:30:44
どうしてそんないい、転職話俺には来ないの?
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裏山師さん (RESANDO)
2005-12-17 00:08:59
その知人は、

日本香具師会に所属しています。



それでも「いい」ですか?
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Unknown (裏山師)
2005-12-17 11:04:52
俺はすでにその会に入っています。
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もしかして、 (李参堂)
2005-12-18 00:57:31
一級香具師か?
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