朱印やハンコが赤いワケ(その2)

2020-07-31 19:44:05 | 紹介
明日から8月になりますね。
学校も短いながら夏休みに入る地域も多いかと思います。
お知らせしました武田24将総選挙も始まりますので、
ぜひ、足をお運びくださいませ。
 
それはさておき、時を戻そう。
先日ご紹介した朱印のお話の続きです。
戦国の世に、大名の間で広まった印判。
公的文書に使う場合、多くは朱肉が使われました。
なぜ朱肉の「朱」が選ばれたのでしょうか。

朱肉の「朱」の素は、
辰砂(しんしゃ)という自然界の鉱物(硫化水銀)で、
日本では「丹(に)」と呼ばれていました。
日本での採掘は、縄文時代後期(4000年~3000年前)にさかのぼるとか。
辰砂は赤色の顔料、塗料として、また防腐剤、防虫剤としても使われたようで、
土器をはじめ、古墳の内壁、棺や壁画に塗られたものが見つかっています。

漢方薬の材料でもあり、不老不死(!?)の仙薬と言われたり、
中世ヨーロッパでは、「賢者の石」と呼ばれていたとか。

不老不死かはわかりませんが😉 
辰砂でつくった「朱」肉が他のものと比べて発色もよく、
印影を長期にわたって保存しやすい、虫も付きにくい、
という素材の特性が重視されました。
(注)辰砂は硫化水銀で、燃やした時など、水銀が環境に散逸されることへの
懸念から、現在では、別素材が代用されています。


カーネーションの赤。私たちに元気をくれる、気がしませんか?

「朱」は太陽と炎、そして血の色であり、エネルギーに満ちた色。
そんなイメージからの連想でしょうか。
「朱」には「祝」や「生命」などの持つ縁起の良さや、
神社の鳥居のように、「魔除け」などの呪術・霊力があるものと考えられました。
古くから日本では、「疫病の神さまは赤がお嫌い」ということで、
病人のいる部屋に赤いものを置いたり、赤い服を着せたりしていたというのも
「赤」のパワー頼み。
また、「血判状」と聞いて感じる、命をかけんばかりの強い意志も、
私たちが本来的に「赤」や「朱」という色から受けるイメージによるもの!?

朱印やハンコが「朱」色である理由は、文書を物質的・精神的に守り、
朱印の主の本気度もアピールするためだった(!?)のかもしれません・・・。


武田神社の参道の橋も朱色です。

武田軍の代名詞ともなっていた「赤揃え」も赤



【再度のお知らせ】
信玄ミュージアムでは、館を訪れ、特別展示室まで観覧された方への恩賞として
武田氏の朱印入り、御城印をご用意していました。
明日から配布を予定していました特別展示室再開が延期となり、
配布も再延期となってしまいました。
再開が決まりましたら、こちらのブログ等でお知らせいたします。
お楽しみに!
※こちらは、お知らせ用のPR画像です。
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信玄ミュージアム・夏のイベント~あなたが選ぶ 武田24将総選挙~

2020-07-30 15:26:03 | イベント
夏のイベントが、いよいよ始まります!

題して・・・
「あなたが選ぶ 武田24将総選挙」!


「え!?武田24将って、選べるの!?」
と思った方も多いはず。

そうなんです。数多の「武田二十四将図」。
時代によって、選者によって、もろもろの事情(!)によって、
見えないところで、24将の座をめぐって熱い戦いが繰り広げられてきたのです。

そんな戦いが、この夏、信玄ミュージアムでも!

日時 8月1日(土)~9月30日(水)
場所 信玄ミュージアム・常設展示室
観覧料、参加費、ともに無料です。

選ぶのはあなた!
誰が選ばれてもおかしくない選りすぐりの31将のうちの
お気に入りの1将に、あなたの清き1票を!

投票方法は簡単🎶
各武将の名前入りポケットに投票用紙を入れるだけ。
殿方は青い投票用紙を、


姫君は薄紅の投票用紙をご使用くださいませ。


1日につき1票でお願いします😉 

お待ちしております🙇


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朱印やハンコが赤いワケ(その1)

2020-07-29 16:01:07 | 紹介
7月27日の記事でお知らせしました御城印につきまして、
楽しみにされていた皆様には大変申し訳ありませんでした。
配布開始をさらに延期させていただくことになりましたが、
デザインとして押印する武田信玄公使用の龍朱印にまつわるお話を
しばし、お伝えしてまいります。

日本で生活するなら、印鑑がないと何かと不便でしたが・・・
アフターコロナの社会は、少しずつテレワークにシフト中。
「印鑑捺すためにわざわざ出社🚈」問題を解決すべく
日本も脱ハンコ文化が進んでいます。

日本でハンコを使う文化・習慣の始まりは、戦国の世。
下剋上が決して珍しくなかったこの時代、出自さまざまな大名は、
朝廷に任命されていた守護職と比べ、
領民との距離が近く、何かとおふれを出すことも多かったとか。
でも、草書体を崩したステキな花押✨を書くのは時間がかかるし、
一般庶民に、なんだか丁寧すぎない?こちらは大名!
(と思ったかどうかはわかりませんが・・・)

そこで名案💡花押の代わりに大きな「朱」の印!
信玄をはじめとする、主に東国の戦国大名は、領国内で文書を出す時、
威厳を保ちつつ、且つ迅速に、朱印をとっても効率良く利用したとか。
朱印は読んで字のごとく、「朱」肉をつけて押印したもの。
文書に印影を残すことで、その責任や威厳の証に。

写真は、昨年、信玄ミュージアムの特別展示室(有料)で
ご来館時におすすめしていた龍朱印です。
現在、特別展示室は閉鎖中ですが、再び開館した折には
パワーアップした御朱印ならぬ「御城印」を
来館記念としてご希望の方に配布します。
ぜひ、受け取りにいらしてください♪

戦国から江戸時代にかけて、頻繁に使われるようになった「朱」印。
印の色に特に決まりはなかったようですが、
織田信長や徳川家康は、公的なものには「朱」、私的なものには黒を使っていたことから、
家臣たちは、あえて朱色を使わなかったとか。
江戸時代になると、朱肉を使えるのは武士階級のみ。そのほかは黒。
明治に入り、いわゆる庶民に朱肉の使用が許可されて、現在のように広く使われるようになりました。

長い歴史ゆえでしょうか。
ハンコに朱肉の色は、間違いない組み合わせ。しっくりきます。
素朴な疑問。なぜ「朱」色が良かったのでしょう。

次回は、不老不死の薬(!?)と言われた「朱」色の素(!)と
大名の印判の関係を探ってみたいと思います。
よろしければお付き合いください🙇
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国史跡武田氏館跡の御城印に関するお知らせ

2020-07-27 11:21:00 | イベント
4連休が終わりましたが、週末にお出かけになった方も多いと思います。
当館は、まだフルオープンには至っていませんが、
連休中、大変多くの方にご来館いただき、
お越しいただいた方には感謝申し上げます。

全国各地で城郭を訪れたしるしとして、
「御朱印」ならぬ「御城印」が頒布されています。
当館でも4月に開館1周年を記念して
国史跡武田氏館跡の御城印を作成いたしました。
館跡を知っていただくための施設ですので、
御城印は、現地にお越しになり、展示を見学いただいた方に
お渡しする予定です。
御城印のみの販売は予定していません。

そのため、当館特別展示室観覧者で、ご希望の方に配布予定でしたが、
新型コロナウイルス感染拡大による臨時休館等により、延期してきました。
信玄ミュージアムは、6月19日から再開館していますが、
感染拡大防止の観点から、
配布場所の特別展示室は、ドアや窓が少ないため、現在も閉館しています。

感染状況に応じて8月1日(土)から再開の予定でしたが、
このところ、各地で感染者が増加傾向にあることを受け、
特別展示室の再開を見送ることとし、
それに伴い御城印の配布も延期とさせていただきます。

楽しみにしていた方には大変申し訳ございません。
感染状況の推移を注視し、再開時期を検討していますが、8月上旬には
再度、御城印配布に関わるご報告をしたいと考えていますので、
もう少々お待ちください。
なお、再開が決まり次第、この公式ブログ、甲府市役所HPの当館施設情報で
お伝えいたします。
ご迷惑をおかけいたします。



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開催中止 【夏のイベント告知】川中島合戦の世界にタイムトリップ!

2020-07-24 12:28:57 | イベント
信玄ミュージアムの旧堀田古城園では、8月8日(土)に
「川中島合戦にタイムトリップ!~自分だけの歴史を描いてみよう~」を開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大を受けて中止することを決定しました。



武田信玄の有名な戦いと言えば、「川中島合戦」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
上杉謙信と武田信玄が戦ったこの「川中島合戦」、絵にも描かれて残されていますが、
実は立場によって同じ戦いでも全く違う描かれ方をしています。

「川中島合戦」について、まったく知らなくても大丈夫!この戦い基本的な流れを
一緒に見ていきながら、絵には何が描かれているのか、どうして違う描かれ方が
されたびょうぶ絵がうまれたのかの謎を探っていきます。

絵に解説を書き込んでみたり、登場人物たちがどんな立場で、
何を思いながら戦っているのかを想像しながら、彼らにセリフを書き込んでみて、
自分だけの川中島合戦の絵を考えていきます。

 

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