朱印やハンコが赤いワケ(その1)

2020-07-29 16:01:07 | 紹介
7月27日の記事でお知らせしました御城印につきまして、
楽しみにされていた皆様には大変申し訳ありませんでした。
配布開始をさらに延期させていただくことになりましたが、
デザインとして押印する武田信玄公使用の龍朱印にまつわるお話を
しばし、お伝えしてまいります。

日本で生活するなら、印鑑がないと何かと不便でしたが・・・
アフターコロナの社会は、少しずつテレワークにシフト中。
「印鑑捺すためにわざわざ出社🚈」問題を解決すべく
日本も脱ハンコ文化が進んでいます。

日本でハンコを使う文化・習慣の始まりは、戦国の世。
下剋上が決して珍しくなかったこの時代、出自さまざまな大名は、
朝廷に任命されていた守護職と比べ、
領民との距離が近く、何かとおふれを出すことも多かったとか。
でも、草書体を崩したステキな花押✨を書くのは時間がかかるし、
一般庶民に、なんだか丁寧すぎない?こちらは大名!
(と思ったかどうかはわかりませんが・・・)

そこで名案💡花押の代わりに大きな「朱」の印!
信玄をはじめとする、主に東国の戦国大名は、領国内で文書を出す時、
威厳を保ちつつ、且つ迅速に、朱印をとっても効率良く利用したとか。
朱印は読んで字のごとく、「朱」肉をつけて押印したもの。
文書に印影を残すことで、その責任や威厳の証に。

写真は、昨年、信玄ミュージアムの特別展示室(有料)で
ご来館時におすすめしていた龍朱印です。
現在、特別展示室は閉鎖中ですが、再び開館した折には
パワーアップした御朱印ならぬ「御城印」を
来館記念としてご希望の方に配布します。
ぜひ、受け取りにいらしてください♪

戦国から江戸時代にかけて、頻繁に使われるようになった「朱」印。
印の色に特に決まりはなかったようですが、
織田信長や徳川家康は、公的なものには「朱」、私的なものには黒を使っていたことから、
家臣たちは、あえて朱色を使わなかったとか。
江戸時代になると、朱肉を使えるのは武士階級のみ。そのほかは黒。
明治に入り、いわゆる庶民に朱肉の使用が許可されて、現在のように広く使われるようになりました。

長い歴史ゆえでしょうか。
ハンコに朱肉の色は、間違いない組み合わせ。しっくりきます。
素朴な疑問。なぜ「朱」色が良かったのでしょう。

次回は、不老不死の薬(!?)と言われた「朱」色の素(!)と
大名の印判の関係を探ってみたいと思います。
よろしければお付き合いください🙇
コメント
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