3月3日は🎎 桃の用意も忘れずに

2023-03-02 18:41:36 | 紹介
3月3日といえばひな祭り🎎
女の子の健やかな成長を願う「桃の節句」ですが、
かわいらしいお雛様に似合うから「桃」というワケではないんです。
それじゃあ、どうして、「桃」なのか・・・。

古代中国では、桃は神仙(仙人)に力を与える樹木、果物であり、
邪気祓いの食べ物とも考えられてきました。
この不老不死の「仙桃」の園の管理者が
長い時を経て、人頭獣身から人間の死と生命を司る女神となった仙女・西王母。
人間の死への恐怖が、西王母を祭れば非業の死から免れるという信仰に発展し、
西王母は、絶大な信仰を集めます。

桃と聞いて「健康に良い!」と連想する人は少ないかもしれませんが、
腸を整える食物繊維が多く含まれる他、
高血圧の予防効果があるというカリウム、
コレストロールの改善に良いとされるナイアシン、
抗酸化作用が認められているカテキンが含まれるそう。

桃の種のようなものの中の空間は、竹の桿(かん)の空間と同じように、
神様の居場所とも考えられました。
その種のようなものが「桃核(とうかく)」という部分で、
漢方では、血行を改善する薬として、つぼみは、利尿作用、便秘薬、
桃葉湯はあせもなどの皮膚の炎症に効果があるとして使われています。
(でも、乾いていない葉には青酸化合物を含むので、注意も必要!)

意外にも、健康効果が注目される成分を複数含む桃は、
長寿を示す吉祥図案、祝い事には桃饅頭となって現在に至る一方で、
桃の木で作られた弓矢を射って、悪鬼を退け、
桃の枝を畑に挿して虫除けのまじないにも使われてきました。

古代中国の地理書『山海経(せんがいきょう)』によれば、
・・東海のあるところに、桃が三千里に渡って曲がりくねる樹があり、
その低い枝が東北に向かっていた。
これを鬼門といい、ここには、様々な鬼が出入りしていたが、
神荼(しんと)と、うつ塁(うつるい)という神が、鬼を捕らえて虎の餌にしたという。
漢族最初の統一国家を樹立したという黄帝(こうてい)は、
これに倣い、桃の枝を門戸に差し、二神を描いて鬼を封じた・・。

日本でも、『桃太郎』の鬼退治はあまりにも有名ですが、
桃の邪気を払う霊力は、『古事記』(※1)でも語られ、
案外、桃は中国原産ですが、日本ともお付き合いの長い果物🍑

・・・
実は、3月3日のように奇数の月と日が重なる日は、
昔から縁起が悪いと恐れられ、無病息災のために禊ぎ祓いが行われてきました。
こうした、節句本来の目的だった禊ぎ祓い、人形(ひとがた)流し(※2)に、
人形を使った神遊び、ひいな遊びが結びついた行事がひな祭り。
かわいいかわいい💓だけのお祭り・・ではなかったようです。

(※1)『古事記』における、桃の話。
国産みの神であるイザナギとイザナミ。
二人の間には、日本国土を形づくる多くの神々が生まれますが、
妻のイザナミは、火の神を出産した際に亡くなってしまいます。
それでも妻のイザナミに会いたくて、黄泉の国まで行ったイザナギ。
無事再会し、別れ際「決して後ろを振り向かない」と妻と約束したにもかかわらず、
(お決まりのパターンですが💦)誘惑に負けて、振り向いてしまいます。
真実を目の当たりにしたら最後です。その瞬間から妻の追手に追われるはめになり、
黄泉比良坂にたどりつき、そこにあった桃の実を必死に投げつけると・・・
追手は退散ヽ(`▽´)/
九死に一生を得たイザナギは、桃の功を称えて、名を与えた・・・。

(※2)今でこそ雛人形は、節句が終われば片付けてしまいますが、本来は流し雛でした。
『日本書紀』や『万葉集』などにも、紙や織物などで作った人形(ひとがた)を、
自分の身代わりとして、穢を背負わせて流したことも記されています。
ひな祭りの飾りや、ひな祭りの歌に白酒や菱餅が登場しますが、
これは、身代わりになってくれる、人形へのご褒美なんです。

・・・
今年も、旧堀田古城園の縁側で雛人形をご覧いただきます。
甲府のお雛様「横沢びな」も登場しますので、
当館にお越しの際は、ぜひ会いにいらしてください。

今年のセンターはこちら↑
かわいいだけじゃない(!?)甲府のお雛さまです。

⇓こちらもよろしければご覧ください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする