令和3年2月4日に文部科学省告示により、正式に国登録有形文化財として登録されました。
この登録文化財の制度は、規制が厳しくありません。
登録によって今までの運用に制約が出るわけではありませんので、従来どおりの利用や見学は継続しますのでご安心ください。
とはいえ、ただの古そうな建物ではなく、文化財というお墨付きをいただきましたので、
この先も大切にしていきたいと思います。
さて、旧堀田古城園の建物ですが、木造平屋建てで当初の用途が料亭だったこともあり、通常の個人住宅と比べて天井が高く、
使用されている材料にもこだわりが見られます。
そして、建築上の特徴は、大広間を廊下が囲むようになっていることで、山梨市出身で鉄道王と呼ばれた
根津嘉一郎氏の邸宅(現 根津記念館)とほぼ同時期の建物で、規模は違いますが、建物構造は似ています。
廊下に囲まれた大広間
また、上が8畳間、下が半地下構造の山梨県内では珍しい中二階の部屋もあり、庭園や周囲の山々が見渡せるこの部屋は、
建物内でも上等の部屋として使用されたと考えられます。
また、「古城園」の由来となったと思われる武田氏館跡にちなんだ趣向も建物のあちらこちらにちりばめられています。
流し台の窓(武田菱リスペクト?)
そして、離れの茶室も菱形
もともと、客室でしたが、昭和後期に増改築されて玄関の形態が復元できませんでしたので、
既存の菱形建物を残しつつ、思い切って用途を茶室にすることで、玄関の作りを茶室仕様にしました。
柱も触るとちゃんと菱形ですよ。
修理の際に加工の手間が大変で、大工さんたちが泣いていました😓
お越しの際は、ぜひ、ご覧になってください。