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信玄ミュージアムボランティアガイド視察研修を実施しました その2

2023-11-29 18:35:44 | 紹介
視察研修の午後の部は、宮光園近くのレストランでみんな揃って昼食をとり、
その後、国指定史跡勝沼氏館跡まで戻って整備された館跡をぐるりと見学しました。
勝沼氏館跡は、武田信虎の弟、信友の館として知られていますが、関東から甲府盆地への
入口に当たる交通の要衝でもありますので、おそらくそれ以前から何らかの施設があった
可能性も想定されます。
館は、日川が形成した約20mの高さの河岸段丘上に築かれていまして、大きく内郭・外郭で形成されています。
内郭は、堀や土塁がしっかりと復元整備されていまして、戦国時代の館の姿がよくわかります。
特徴として、領主の館でありながら、内郭の中に金属加工の職人工房を抱えていたことで、
金属の熔融に使用した出土かわらけには、金が付着したものが多数発見されています。
(数点をお借りして、信玄ミュージアムでも展示中)
参加されたボランティアガイドの皆さまも、館跡から見える盆地の景色や、現地で平面表示されている
実際の工房跡などを見学して理解を深めました。

次いで、すぐ近くにあります古刹大善寺へ。
寺伝では養老2年(718)、あるいは天平4年(732)と言われていまして、古代の在庁官人
三枝氏との関わりが知られる寺院でもあります。
古代の有力氏族の三枝氏は、戦国時代には三枝虎吉が活躍していまして、山県昌景の与力でした。
そして、武田氏滅亡直前には勝頼一行も立ち寄り、理慶尼がもてなした記録も『理慶尼記』として伝わっています。
歴史ある大善寺を自由見学で散策しましたが、紅葉が見頃で山門から薬師堂につながる
石段両脇のモミジがキレイでした。


本堂の薬師堂は国宝で、鎌倉時代の建築です。
中には、平安時代前期と伝わる国重要文化財の薬師三尊像が厨子の中に安置されています。
そのほか、かつては丈六(約4.8m)薬師三尊があったようで、現在はその脇侍と考えられます
日光・月光菩薩立像や、十二神将像(いずれも国重要文化財)があります。
ちなみに、県指定文化財の山門は、江戸時代の建築ではありますが、旧武田家臣の
土浦藩土屋家の援助で再建されたとされます。
土屋家といえば、片手千人切りの土屋昌恒の子孫ですので、昌恒が奮戦して亡くなった
田野に近い大善寺に縁を感じ、援助したのかもしれません。

夕方近くなり、空も徐々に夕暮れに向かう中、大善寺からもうひと歩きして柏尾の古戦場へ。
幕末の慶応3年(1867)に幕府より甲州鎮撫を命ぜられた新選組の近藤勇らが江戸から
甲府城に向かったところ、板垣退助率いる官軍に一足先に入城され、柏尾で迎撃戦を展開しました。
その地に立つ、近藤勇像です。
山梨県内では戊辰戦争唯一の戦場ですが、実際には官軍の圧勝で、数時間で勝敗が決まったとされます。
そのまま、日川まで下って行くと、勝沼堰堤があります。
山梨県内には日本で最初にコンクリート製砂防を築いた芦安堰堤に先駆けて、部分的に
コンクリートを使用して構築したのが勝沼堰堤です。
現在、登録有形文化財となっていまして、堰堤脇は公園化されていますので、気軽に見学可能です。
夏場でしたら、水しぶきがあって涼しげですが、この日はもう日暮れ時で寒さが優先しました。

朝から夕方4時過ぎまでかかってしまい、予定を大幅に超過してしまいましたが、
ガイドの皆さまに怪我もなく、無事に初の試みとなりました視察研修を終了しました。
こうした研修もしながらより良いガイドを目指してまいりますので、信玄ミュージアムに来館予定の際は、
ぜひお声がけいただいてご利用ください。
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信玄ミュージアムボランティアガイド視察研修を実施しました

2023-11-28 18:01:41 | 紹介
このところ、穏やかな陽気で散策にはもってこいのお天気が続く中、先週末の26日(日)に
信玄ミュージアムボランティアガイドの皆さまの視察研修を甲州市にお邪魔して実施しました。
ガイド活動の中では、武田氏館跡の現地見学や歴史のお話を希望される方もいる一方、
武田神社参拝のついでにという方も多く、県内の見どころ照会などもあります。
ガイド内容や需要も多岐に及びますので、ガイドの皆さまには歴史以外の知識を深め、
観光目線でも様々な県内情報を仕入れていただくことも大切ですので、
今回の研修となったところです。
初回ということもあり、県内でも早くからボランティアガイド活動が盛んで、現在は、
NPO法人甲州市観光ボランティアガイドの会として活動をされている先進地ですので、
参考にされていただくため、依頼いたしました。
朝は、国史跡勝沼氏館跡の駐車場に集まり、ガイドは甲州街道経由で旧田中銀行と宮光園をリクエスト。
あとはガイドの方におまかせで案内いただきました。
旧勝沼宿は、甲州街道の宿場町として元和4年(1618)に整備されたとされ、江戸と
甲府盆地をつなぐ玄関口として栄えました。
本陣跡の表示の横には歴史を感じる松の木が。
旧甲州街道沿いに歩くと、あちらこちらに土蔵が残されていて、宿場町を感じることができます。
中には立派な建物も。
そして、町並みの中で目を引く近代和風建築の建物。

旧田中銀行の建物です。
明治30年代に勝沼郵便電話局として始まり、途中から田中銀行になったそうです。
開館は土日のようですので、見学の際はご注意ください。

旧田中銀行を後にして、勝沼小学校入口で明治天皇の記念碑を見ながら説明を受け、
護念寺様で戊辰戦争時に勝沼の柏尾坂の戦いで戦死した官軍兵士のお墓などもお参りしながら
宮光園に向かって歩きました。
日川河川敷に残る水防施設なども説明を受けながら、穏やかや陽気の中をのんびり散策できました。
そして、宮光園に到着。
ガイドの方のご案内はここまでで、資料館は施設の方から丁寧に説明いただき、山梨の
ワインの歴史について勉強しました。

ここにも、信玄ミュージアム内の旧堀田古城園と同じ結霜ガラスが建物にたくさん使われていました。

午後の部は、次回につづく・・・。

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真田宝物館へ行ってきました

2023-11-27 21:14:24 | 紹介
このところ行事などが立て続いていまして、ブログ更新まで手が回らず、情報発信頻度低下と、
実施日と記事掲載のタイムラグの差が大きくなりまして、大変申し訳ありません。
いろいろとお知らせやご報告したいことはあるのですが、時間差で掲載報告していきますので、
どうぞお付き合いください。

さて、ご案内しました企画展に合わせて、11月21日(火)の休館日に資料借用のため、
長野市松代町真田宝物館様にお邪魔しました。
以前に信玄公から真田家に与えられたと伝わる文琳之茶入の借用以来となりましたが、
休館日にもかかわらずご対応をいただき、この場を借りて心より感謝を申し上げます。
なんだかんだで毎年、長野市内には資料借用でお邪魔をさせていただいています。

今回の長野市訪問は、調整の結果、お昼過ぎとなりまして、少し早めに到着したところで、
時間調整も兼ねて、松代藩の居城となっていました松代城跡の様子を見学に行ってきました。
甲斐の人からすると、海津城と言った方が馴染みがあるお城です。
以前から橋の架け替え工事をしていましたが、ようやく目途が立って来たようで、キレイになった
橋が架けられておりました。
供用開始はもう少し先のようですが、居合わせた外国人の方が渡れないのを残念そうに
バリケード越しに眺めておりました。
そして、整備された城の隣接地では、おそらく長野市教育委員会様が実施されているのであろう
発掘調査を遠目に見てまいりました。
夜に降った雨の影響か、現場はお休みで排水作業のポンプだけが稼働していました。

場所的には絵図等で武田流築城術の三日月堀が想定される場所と思われるので、
今後の調査成果が楽しみなところです。

そして、少し早めに真田宝物館様へ到着したところで、美術輸送専門のスタッフの方と合流。
すると、外国人の方をどちらかに案内されながら、学芸員の方がいらっしゃり、時間より早めに
資料借用の手続きをさせていただきました。
今回は、大河ドラマに寄せたテーマ設定となっていますので、「徳川家康画像」と、
真田昌幸に秀吉が送った「豊臣秀吉書状」(長野県宝)の2点をお借りしました。
昼休みにもかかわらず、対応いただき本当に恐縮でした。

施設では現在、特別展を開催中です。


後期展終了までもう少し時間もあります。
大名家の貴重な品々が間近で見られますので、ぜひご来館の上、ご観覧ください。


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11月3日は、信玄公の誕生日

2023-11-03 20:10:11 | 紹介
今週末は三連休。
本日11月3日、文化の日の祝日は、信玄公生誕日でした。
ちょうど2021年に生誕500年記念でしたので、本来は山梨県全県でお祝いの
準備をしていましたが、ちょうどコロナ禍真っ只中で多くのイベントなどが中止。
信玄ミュージアムでは、感染縮小のタイミングで何とか戦国パフォーマンスを開催でき、
記念御城印などを配布しました。
そして、信玄公本陣などもご用意したところでしたが、今年も少し場所などを変えつつ
フォトスポットをご用意しています。



そして、旧堀田古城園中庭にも鎧を着用したつもりで撮影できる、顔出しフォトスポットも登場。
と思ったら、なんと姫ニャンがどうぞお撮り下さい、と言わんばかりにスタンバイ。
昨日、奇跡的にカフェスタッフの方が撮影しましたが、姫ニャンのナイスパフォーマンスでした。
どうやら、鎧の周辺で遊んでいたらしいのですが、気づいたら鎧の上によじ登っていたとか。
信玄公祭りも冨永愛さんの女性信玄公でしたし、ジェンダーレス時代ですから、
姫ニャンも「私も負けてはいられない」、と思ったのでしょうかね(笑)

それから、先日御城印の情報を少しだけお知らせしましたが、そのことで。
信玄公がお生まれになった場所は、館跡の北方に築かれた要害城か、
あるいは麓の積翠寺と言われています。
ちょうど今川勢が甲府に迫り、大井夫人が避難した先が記録では「積翠寺丸山」
とありますので、おそらく城ではないかと。
当時の記録から言えば、正確には積翠寺丸山城という名称が正しいのかもしれません。
現在は、「国指定史跡要害山」と呼ばれ、一般には要害城や要害山城などと呼ばれています。
その「要害城」御城印が甲府市観光協会から信玄公祭りに合わせて販売されています。
販売元から公式発表がなかったため、きちんとお知らせするタイミングを逃しました。
申し訳ありませんでしたが、すでに販売開始ということでご存じの方も多いと思いますので、
遅ればせながらのお知らせです。
信玄ミュージアムでは取り扱っておりませんので、詳しくは、甲府市観光協会までお問い合せ下さい。


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明日から信玄公祭りスタートです。

2023-10-26 20:26:10 | 紹介
山梨県を代表するお祭りになりました信玄公祭りが明日から甲府市舞鶴城公園から
中心市街地を中心に開催されます。
今までは毎年春に開催されていましたが、新型コロナウイルス感染症により延期や中止の連続を経て、
昨年は秋に移行して初開催されました。

つい最近、信玄公祭りを立ち上げた方の創設期のお話を伺う機会がありました。
現在の形になる前の苦労や開催趣旨なども伺う中で、本当は信玄公の命日に毎年開催される
春の武田神社例大祭の武者行列までを含めた期間の祭りとしてスタートしたものだったと伺いました。
今後、祭りが秋に定着していくのか、どうなるのかわかりませんが、明日からお天気にも
恵まれそうですので、多くの方にお越しいただき、祭りを楽しんでいただきたいと思います。
祭りは明日から国指定史跡甲府城跡でもある舞鶴城公園内の屋台村が開かれ、
夜には祝祭の花火が甲府のまちなかで打ち上がる予定のようです。
本番は土曜日で、勇壮な武者行列が繰り広げられます。
信玄公役も冨永愛さんという話題性もあり、大いに盛り上がりそうですので、きっと市内も
混み合うことでしょう。
その信玄公が被られたと伝わる諏訪法性兜の本物を信玄ミュージアムでは展示しています。
祭りに参加される前に、ぜひめったに見られない本物をご覧ください。
旧堀田古城園側では、ニャンたちも待っているかも?
久々に母ニャンと姫ニャンの親子画像。
最近、母ニャンの姿を施設外で見ることがありましたが、あまり元気がなかったので
やや心配なところでした。
お元気そうで何よりです。
久々にグーグルマップを見たところ、施設評価が3.8に0.1ポイントアップしました。
ご来館いただき、評価をしていただいた皆様に、この場をお借りして感謝を申し上げます。

開館直後は、不慣れな運営と展示も未熟でご批判もいただいたこともありましたが、
そうしたご意見も参考にして改善に取り組んできました。
常設展示室のみでご判断をいただくことも多いのですが、それは人それぞれの見方と
考え方ですので、厳しい評価も甘んじてお受けしています。
常設展示は、ふらっと観光で来られた歴史好きでない方でも気軽にご覧いただけるよう、
あえてパネル中心のご紹介展示のみとしています。
少しでも興味を持たれた方には有料で申し訳ないですが、特別展示室の資料展示や
映像までご覧いただければ評価も変わる部分もあると思いますので、お越しの際は、
全体をゆっくりご覧いただきたいです。
この週末、皆様のお越しをお待ちしております。

そうそう、最後におまけ情報です。
私どもではありませんが、甲府市観光協会では新たな御城印をご用意しているようです。
こちらでは詳しくはお伝え出来ませんが、近日情報公開があると思いますので、
気になる方は注意深く情報をご確認ください。
詳細が明かされましたら、またご案内もさせていただきます。

コメント (3)
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