中世 葛西家近習寺崎氏の居城跡
国道342号線と花泉町日形地区を結ぶ県道21号線花泉町老松地区の道路沿いにこの標柱を見ることができます。
苅明館跡は、中世時代この地を治める、葛西家家臣寺崎氏の館跡です。

苅明館は峠城とも呼ばれる城跡で、標柱より後方にある山の稜線を利用した山城となっています。
「仙台古城書上」峠城 南北四十間、東西三十一間 城主寺崎石見守刑部、木村勘助、五郎兵衛、真秋五郎助貞之、勘助貞元などいろいろな名前が記されています。
寺崎氏の祖は、葛西清時(葛西三世)の弟、葛西清次よりでています。
この人物は、下総国因幡郡葛西荘の寺崎城に居住していたので分家して「寺崎」を称したとされています。
寺崎氏の三代目清義の時代に、宮城県桃生郡を所領としたので、桃生郡に寺崎(現 桃生町)の地名が生まれたとされています。
寺崎十代目の常清(刑部太夫)の代になると、寺崎の主流は磐井郡峠村に移動を始めています。
中世における寺崎氏の動向は下記のように伝えられています。
葛西氏家臣である寺崎氏は岩ヶ崎の富沢氏と同格の近習として名を連ねていました。
天正七年春、葛西氏一門としての主導権争いから富沢氏と軋轢を生じたのです。
この騒乱は葛西国内に大きな波紋を投げかけ、大乱に発展していきます。
はじめ、富沢勢は磐井郡の流の庄まで攻め込み合戦となりますが、その後続々と葛西方の諸勢が寺崎氏の応援に駆け付け富沢勢を押し返し岩ヶ崎の城下まで進撃し、富沢氏を降しています。
天正十年(1582)四月、九戸政実が金ヶ崎城に侵入し、黒石梅雪、寺山布月などと連合し激戦の末、金ヶ崎城を陥しました。
城主である小野寺前司宗道は葛西領の逃れ、葛西晴信の救援を要請しました。
晴信は、五月に寺崎石見守良明を総大将とした総勢四千騎をもって胆沢方面に発向させました。
七月七日より十三日に至る七日間の激戦となり、寺崎石見守の討ち死によって葛西勢の撤退となったのです。
その後、寺崎氏は、豊臣秀吉による「奥州仕置」による葛西氏と共に没落し伊達政宗の軍勢によって深谷須江山にて討死したといわれています。
稜線上には北館,本丸館、東館、南館があり県道の山沿いに西館があります。
館跡へは、標柱脇の道路を花泉町金沢地区方面へ200mほど行き、未舗装の脇道を入ったところに、「老松地区お宝保存会」の看板がかけられていますので、そこから山林を入って行きます。

県道とは反対側の急斜面をロープに沿って登っていきます。
急な斜面を登ると、本丸館跡と北館跡への看板が現われます。
各館の間には堀切りで区切られています。

山林となっているため曲輪の状況はわかりづらい状態になっています。

本丸館跡は三角形の平場となっています。
周辺には、急峻な崖と曲輪跡を確認することが出来ます。

本丸跡からさらに進んでいくと、東館跡にたどり着きます。
東館跡には土塁や空堀が残されています。

東館跡から南館跡に続きます。
南館跡にも他の館跡同様に、空堀跡があるといわれていますが、確認できませんでした。

本丸跡と反対側に北館跡があります。
北館跡の端部の一段下がった曲輪には平野神社が祀られています。

苅明舘の内館・西館とも云われいるところです。
寺崎氏の氏神でもある八幡大菩薩や妙見尊が祀られています。
(参考文献 仙台領の戦国誌、岩手県の歴史 (県史)
)
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