3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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罠にかかったトレーニング

2005年09月08日 | □CAD/CAMな日々
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お気軽にお越し下さい。仕上り、いいですよ。

さて、3次元CADのトレーニングなんですけど。

3次元CADは、使用者にすれば従来の製図用CADと何ら変らない位置付けなのに、
その性格がまるで違っているから、使用者は「道具として劣って感じる」と
書きました。
その違っている性格とは、導入以前は自分の仕事ではなかった工程を自分でやら
なければならなくなっていて、しかも設計期間自体は以前と同じか短縮を期待
されるから…
という論旨でしたね。もちろんこれは製図のCADから入替えた場合です。最初から
3次元CADを使う仕事の場合は、そんなこと考えません。
しかも悪いことに、「あそこが導入した」の「ここが短縮した」のという「事例」
ばかりが伝えられ(聞きたがったというのもあります)、このような
本質論に入ることなく導入に踏み切ったこともあったでしょう。…
ね。「事例」っていうのもリテラシーが無いと色々問題出てくるんですよね。

この続きはまた追々お話するとして、今日はトレーニングのお話です。

3次元CADですが。それでも、まぁやる事になりました3次元…で、次はトレーニングです。
ひとまずカタチを作りましょう…ってハナシです。どうですか?3次元CADのトレーニングは?
面白かった、つまらなかった、やれって言われたから別に… 色々ですよね、きっと。

あらゆる「教育」は、被教育者(生徒)にとっては本質的に不快なものです。
「知る喜び」とかね、あるにはあると思いますけど、やはり居心地悪く窮屈なものでしょう。
だって、教わる=知らない、という立場に立たされる訳ですから。それも、新入社員で
何も知らないからとにかく教わるしかない…という立場であれば別ですけど、ベテランさん
であれば今までやって来たことへの自負も矜持もあるわけですから、なおさら抵抗もある
でしょう。

そうなると、受講者にとって非常に重要な事は
「快感原則に訴える」
ことだと思うのです。「やりたい!」「楽しい!」「面白い!」「分かった!」
「ベンリ!」「ラク!」…
こういうものをきちんと用意することがトレーニングには必要だと思うのですね。

もう10年近くも前、3次元CADを使えるというだけで何となくエラかった時代はとっくに
過ぎました。昔は、3次元CAD自体がエラかったわけですから「この人凄い!自分も凄くなりたい!」
という志を動機付けのきっかけにするか、「仕事なんだから、やらなきゃ…」という消極的選択
を促すか…それしかトレーニングの動機付けが無かったんですね。

冷静になって考えれば気の毒な限りですが、CAD屋さん側から「このままだと失敗しますよ」
と脅されたり、ヒドイ場合は上司に「あの人は3次元に向いてない」など、チクられちゃって…
という話までちょっと前はあったのです(ホントにあったんですよね、これが…)。

ワタシ自身は技術者でも設計者でもデザイナーでもないので、CADやCAMのトレーニングを作る
ためにユーザさんたちからどうしても聞きたいことがあります。

3次元CADを使って良かったなぁー…と思う事って、どんなことがありますか?
それは、使用者自身が個人の仕事の範疇で実感出来るもので、どうですか?と。

ほら、あるじゃないですか?仕事でありながらも、ある種の快感が得られる瞬間って…
そういうったものが、3次元CADにはありましたか?

そういったものをトレーニングにきちんと入れ込みたいなぁー、と思っているのです。

「3次元CADが使えたよ!」というのは、ナシです(笑)だって、今や別に憧れの対象なんかじゃ
ないですもん。もう。もっと具体的で使用者にとって個人的なメリット…

一番いいのは、トレーニングを受講する人が明日からすぐ作るようなカタチを題材にして
実際の仕事に即した内容で学んでいただくことです。最近やった設計が目の前に3次元で
あれば、チョイ変えなどを題材に学びやすいじゃないですか。実際の業務でもよくありそう
ですし。
でもね…製造業ってあまりに多様で、それぞれの会社さんの業務に合うようなトレーニング
なんて作れっこないんですよ。作ろうと思うと、相当の手間をかけて取材をして構成を考えて
製品のモデルも作ってみて…と、すごい事になってしまうのです。もちろん、コストも沢山
かかってしまいます。

最大公約数的に、学ぶ人達から共感が得られ、誰にでも快感を与えられるトレーニング…
…うーむ…難しい(笑)最大公約数的…っていうのが、一番難しいですね。

…が、がんばろう。

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