3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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CADユーザを助けだせ!

2005年09月28日 | □3次元CAD私論
 
続きを書きます。
3次元のCADには、90年代初頭までの
・CAM用、解析用の時代
と、90年代初頭からの
・設計用の時代
があると書きました。今日はその続きです。

90年代初頭からは、
・設計用の時代(本格的に設計に適用し始めた時代)
に入ります。細かく考察していくと、「設計とは何か?」とか(笑)
「広義のCAEと狭義のCAE」とか、どんどん拡散していきますので、この場合の
「設計に適用」という定義をしっかりしておきたいと思います。
それは、製図のCADの代わり、もしくは前段階として共存し始めた、という
ことです。従来の製図CADのユーザと同じ人が使い始めた…ということを
意味します。
CAEなるコトバの本来的な概念にも触れておくと、もっと親切なのだと思いますが
…こちらも拡散していくのでとりあえず、置きます。

さて。
その転換の理由を考察したいと思います。言い換えると
「ナニを売りにして3次元CADは売られたか、ナニを理由に買われたか?」
です。

・コンカレント・エンジニアリング
・形状の完全なる定義(曖昧さを無くす)

このふたつだったんですね。主には。たったこれだけ。

コンカレント・エンジニアリングとは、平たく言うと設計・製造における
全ての工程が同時進行することによって、期間の短縮を実現する…ってな
もんです。それには各工程で全員が設計の対象物として共有するモノが
必要でしょ?と。それには図面じゃだめだよね、と。だからソリッドを
使うんですよ、ということです。データの一気通貫などという事も同じ
文脈の中で語られていました。

形状の完全なる定義(曖昧さを無くす)とは、こいつも平たく言うと、
図面じゃ間違うでしょ?と。曖昧な図面は後工程で間違いを招き、
結果手戻りが発生、その分時間もコストもかかるでしょ、と。
図面は曖昧でしょ?だから…ソリッドなんですよ、ということです。

難しいことは何もないです。

そして両者は、表裏一体・不可分の関係として語られて来ました。
いずれもが、最終的なメリットとして「期間の短縮」を挙げていたことにも触れて
おきましょう。

しかし、その主張(全員とか完全とか同時とか)には、最初からデザインや
意匠面とか金型とかは含まれていなかったんですよね(笑)
だって出来なかったんだもん、ソリッドじゃ。
いや、夢や願望としてはありましたよ。やがて…なるだろう、なるといいな…
というカンジで。

でも。
最初から、同時進行する工程もデータが一気に通貫する対象も、「限定的」
だったんですよね(笑)つまり同時じゃないし、通貫もしてなかったんですよ。
一気通貫は、「やや一気通貫」であり、同時は「ちょっとは同時」だったんです。
しかも、それは今でもほとんど変っていません。

面白い。。。

どんな商品にも「売り口上」があって、それはいつでも実際よりもやや美しい
というのが当然です。ワタシもそこをとやかく言うつもりは毛頭ありません。
もちろん、この市場を否定しているつもりも、まるでありません。
いや、ほんとに無いの(笑)
ただ。
一時期の熱狂が冷め、低価格化、一般化した今だからこそ
「あれは、一体何だったんだろう…?」
という分析は、しておきたいと思うのです。
 
誰も、こういう包括的な分析はしていないようですしね。
知っている人は皆知っていますが、誰もアプローチしていないのも事実
のようです。

ワタシはここにアプローチしたい…と。
なぜか?…えー… 結構好きだから(笑)ですかね。いやいや、当時の売り口上
を盛んに言って来た自分を省みて、総括くらいしとかなきゃ…なんて思うのです。
せっかくだから、恥ずかしながら、微力ながら、許されるなら…今後はこう
あるべきでしょうなぁー、違いますかなぁー…くらいのことは、言ってみたい
なぁー…という動機でしょうか。

…でもまぁ、結局は好きなんでしょう(笑)

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でしょう。その方が盛り上がっていいでしょう。

次回から、いよいよコトの本質に迫ります。
チャンネルは、そのまま(?)