きょうは、YouTubeから。90秒ほどの動画だからぜひご覧ください。
このネタ、ずっと伏せて(避けてか?)来たんですけどね。
結構以前から日本にも入っている、米国製の歯科用システムです。
…このブログを読んでいただいている方であれば、さほど説明は要らないでしょう。
3Dスキャナ+CAD/CAMソフト+NC工作機械…の、組合せです。
3Dスキャナを見て、「これ、何かに使えないかなぁ~…」と知恵を絞っている方。
いわゆるリバース・エンジニアリングに興味のある方。
これが模範的な回答です。
一品一様で、高精度で、高付加価値な、切削加工の模範的な適用例。
究極の少量生産であり、RM(Rapid Manufacturing)。
これを見て、どう思うか?
ワタシは一言… 「敗北感」でした。
そして、ある経験を思い出した。
昔、3D CADの営業マンとしてSONYさんを担当させてもらっている時のこと…
ちょうどプリクラが世に出て、大流行という時代。
SONYさんの営業会社、SMOJでは同じような敗北感を訴える人たちが居た。
プリクラの中身の核、つまりモニター、デジカメとシールプリンタは
全部SONY製だった。
でも、SONYはプリクラを発想することが出来ず(少なくとも商品化は出来ず)、
プリクラという大きな商売の中の、部品サプライヤーになっていた。
3Dスキャナ、CAD/CAMソフト、NC工作機械…
CADとしては、これはポリゴンでしょうね。ポリゴンかボクセル。絶対にB-repじゃない。
そして、現在の自分たちの市場ではない、全く新しい市場。
ワタシは、ずっとずっとこのブログで書いて来ました。
CAD/CAM業界の最大の弱点は、CAD/CAM以外のことが出来ないことだ、と。
そこを見つめて、早く変化しないと就業人口を減らすことになってしまう、と。
実際はもっとひどいものだった。
だって、CAD/CAMしか出来ない、んじゃなくて、こんなモロにCAD/CAMのものまで出来なかった、のだから。
今からこいつをスタディして、それより少し良いものを作ったって、
この敗北感は打ち消せないだろう。
この「CEREC」という歯科用システムの名は、
敗北感を味あわせてくれた教訓として
よく覚えておこうと、思う。