3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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歯科用です。 これを作れなかった工作機械、CAD/CAM業界って…

2009年09月16日 | □CAD/CAMな日々


きょうは、YouTubeから。90秒ほどの動画だからぜひご覧ください。

このネタ、ずっと伏せて(避けてか?)来たんですけどね。
 
結構以前から日本にも入っている、米国製の歯科用システムです。
 
…このブログを読んでいただいている方であれば、さほど説明は要らないでしょう。
 
3Dスキャナ+CAD/CAMソフト+NC工作機械…の、組合せです。
 
3Dスキャナを見て、「これ、何かに使えないかなぁ~…」と知恵を絞っている方。

いわゆるリバース・エンジニアリングに興味のある方。

これが模範的な回答です。
 
一品一様で、高精度で、高付加価値な、切削加工の模範的な適用例。
 
究極の少量生産であり、RM(Rapid Manufacturing)。 

これを見て、どう思うか?
 
ワタシは一言… 「敗北感」でした。
 
そして、ある経験を思い出した。
 
昔、3D CADの営業マンとしてSONYさんを担当させてもらっている時のこと…
 
ちょうどプリクラが世に出て、大流行という時代。
 
SONYさんの営業会社、SMOJでは同じような敗北感を訴える人たちが居た。
 
プリクラの中身の核、つまりモニター、デジカメとシールプリンタは
 
全部SONY製だった。
 
でも、SONYはプリクラを発想することが出来ず(少なくとも商品化は出来ず)、
 
プリクラという大きな商売の中の、部品サプライヤーになっていた。
 
3Dスキャナ、CAD/CAMソフト、NC工作機械…

CADとしては、これはポリゴンでしょうね。ポリゴンかボクセル。絶対にB-repじゃない。
 
そして、現在の自分たちの市場ではない、全く新しい市場。
 
ワタシは、ずっとずっとこのブログで書いて来ました。
 
CAD/CAM業界の最大の弱点は、CAD/CAM以外のことが出来ないことだ、と。

そこを見つめて、早く変化しないと就業人口を減らすことになってしまう、と。
 
実際はもっとひどいものだった。
 
だって、CAD/CAMしか出来ない、んじゃなくて、こんなモロにCAD/CAMのものまで出来なかった、のだから。

今からこいつをスタディして、それより少し良いものを作ったって、

この敗北感は打ち消せないだろう。

この「CEREC」という歯科用システムの名は、
 
敗北感を味あわせてくれた教訓として
 
よく覚えておこうと、思う。