3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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本当にすごい!のは、こういう人たちがちゃんと居ることだ

2009年09月15日 | □CAD/CAMな日々
 
「…うあぁ長文めんどくさー」

と、思った方はこのURLを見ましょう!

『すごいぞ!日本の製造業』

blog 『工業系3DCADモデリング日記』

今日の本題は、以上です(笑)以上のリンクを見ていただくための長文です。
では、長文に行こうかー…
 


世界的な金融危機の発端となったいわゆるリーマンショックから一年が過ぎようとしています。
 
メディアも一般の人たちも、後出しジャンケンよろしく
 
「あれはイカンかった、良くなかった」
 
な、毎日ですけれども。
 
かのアラン・ケイは、「実際には、コンピュータが一家に一台も普及することはないだろう」と言ってたようですし、
 
ビル・ゲイツも「将来的にもパソコンのメモリは640KBもあれば十分だろう」と言っていたようです。
 
…いや、ウラは取ってません(笑)なにせ、ゲイツは秋月律子の大ファン…とかいう話もあるくらいで(笑)

有名人の逸話っていうのは、とてもウラを取り切れたもんじゃない。
 
何が言いたいか、といいますと、
 
「やっぱ未来予測くらい難しいものは無いなー…」
 
と、思うわけですね。先のことなんて、わからない。
 
未来予測、ってとても難しいのですけど、ワタシ、こんな風に見てます。
 
「日本の製造業は、その姿を少し変えながらも将来に渡って国際競争力を持ち続ける」
 
です。
 
ハイ、そう思ってますよ。特に大きく心配なんてしてません。
 
技術を、それ単体で見ていると分からないことですけれども、周辺の色々なこととの兼ね合いで見ていると
 
よく分かります。
 
モノを作る、って技術とか手先だけの話ではなくて、
 
職業倫理とか、それによって作られる信頼関係がとても重要だから
 
です。
 
逆に言うと、郵便物がきちんと届かなくなったり、宅配便の素晴らしいサービスが現場の怠慢で滞るようになると
 
製造業も劣化が止まらなくなるでしょうね。
 
オールドタイプな分析でワタシがいま一つ好きになれないのは(というか大嫌い)
 
「日本人特殊論」
 
です。製造業においては、外部から、内部から、これが本当に多い…
 
「日本人特殊論」って、分析になってないんですよね(笑)
 
「やっぱりさぁー、ニッポン人はこういうの得意だからさぁー」
 
とか、結構不用意に言ってしまう… わけが分からない(笑)
 
自他共に認める個性があって「キャラ立ちしている」とは思いますけれど、
 
別に我々日本人が特殊なわけは、ないです。
 
強いていえば、最も早い時代に「キャラ立ち」したアジア人だから
 
その時代は「国」としてのまとまりを持ち得た非白人は日本人だけだったから
 
世界におけるステレオタイプの成立も早かったのだろう… 程度に見ています。
 
(国としてのまとまりを持つ、というのを近代化と呼んでいいです)
 
「日本人特殊論」と「キャラ立ち」とは、まるで違う。
 
「日本人特殊論」で分析したつもりになっていると、
 
足元をすくわれるよな・・・ と思っています。
 
実際… 優秀な工作機械を輸出して、しっかりした材料を輸出して、
  
定年退職した日本人技術者が「先生」と呼ばれて教えに行って、
 
真面目に学んだ結果、かつての日本と同じ品質のモノを海外でも多く作れるようになっているわけだから。
  
私たち日本人の技術を、「日本人だから」という理由で説明してしまうことは、
 
とんでもなく差別的で、恐ろしいほどにそれに無自覚だ、と思います。
 
だってさ、「日本人特殊論」って「神州不滅」と何が違うのさ?と(笑)

どちらかと言うと、「キャラ立ち」の理由を分析して、その有利度を活かす…
 
という方向性がより正しいアプローチじゃないかな、と思うんです。
 
私たちの国の製造業は、非常に強い競争力を持っていますけれども、
 
弱点もある。だって別に特殊な国じゃないもん。
 
これは別に私たちの国に限ったことではないのだけれど、
 
やはり、私たちの国の技術者にも色濃くある。
 
それは、
 
「視野が狭い」
 
ということだ。
 
良く言えば「職人肌」、悪く言えば「視野狭窄」。
 
例えば、世の中の製造業が、水泳競技だったとしよう。
 
誰よりも速く、効率的に泳ぐためにその技を磨き、力を蓄えて来たとしよう。
 
その姿は、美しい。
 
でも、突然言われるわけだ。
 
「アレ?何で裸なの?これからはバスケだよ」
 
…どうすんの?(笑)と。
 
もちろんこれは極端なたとえですけれど、そういうことって実際に起きてます。
 
「精度!歩留り!納期!コスト!」
 
安く!早く!間違いなく!…そうじゃない、それとは違う基準を要求されてしまったら…
 
バスケットコートで、海パン一丁、ゴーグルまで付けたマヌケな姿で立ち尽くす…
 
わけですよ(笑)

または、泳いで泳いで陸に上がってゴールだよ… と思ってたら、突然他の選手は自転車で走り出したりね(笑)
 
そういう価値基準の大転換期に、どうしても脆弱な姿をさらしてしまうのが、
 
私たちの国の製造業が持つ最大の弱点だと思うんですよね…
 

これは、以下の事にとても良く似ている。
 
「議論が出来ない人」、これ。
 
貴方のその意見に反対だ、と言われるとそういう人の耳には、どういうわけか
 
「貴方が嫌いだ、貴方の人格を否定する」
 
と、聞こえるらしいんだよね(泣)
 
製造業者の、特に職人肌の技術屋さんって、こういう傾向があると思う。

そう、貴方が継続し、築き上げて来た技術は素晴らしい。
 
何もそれを否定するものじゃ、ない。
 
でも、その技術ではない、違う競争が始まったら…
 
やはりその技術は、相対的に価値を失ってしまうものである、と。

何にだって良い面と悪い面はあって、それは「職人肌」にもあるってことでしょう。
 
で。
 
今日はこの先が本題なんですけどね(長くてゴメン 笑)
 
そういう自分たちの弱点をキチンと見つめて、そうじゃない在り方を真面目に模索している
 
単に職人肌だけではない、職人さんたちも居る。
  
「これからの製造業は、精度と歩留りの良さだけじゃダメだ」
 
とか、なかなか製造業の現場従事者側から言えたものじゃない、と思う。

でも、それを言ってのけて、どう変われば良いのかを模索されている。


自己否定、とまでは言いませんけれども、現状認識が素直に出来るというのは
 
これから先、非常に強力な武器になると思います。

何も製造業の武器とは、技術だけではない。
 
技術を下支えしている、その「意識」こそが、重要な武器であると思う。
 
ぜひとも仲良くしたい。
 
そして、私たちの国が、最も「キャラ立ち」している2つの分野
 
「コンテンツ」と「モノづくり」

この2つが新しく出会い、互いの競争力を磨き合って進む
 
そんな文化を、つくりたいと、思う。


『すごいぞ!日本の製造業』

blog 『工業系3DCADモデリング日記』

何か、モノを作ろう…と考えたときには、ぜひ思い出して欲しいです。
必ずや、力になってくれるでしょう。