去就が注目されていた広島の黒田博樹投手(31)は6日、FA権を行使せず残留すると表明した。FAを宣言して阪神への移籍が濃厚とみられていたが、熟考の末に前日5日夜に決断し、球団に伝えた。
4年12億円(出来高含む)の球団史上最高条件で契約を更改。また来季以降に契約を破棄してメジャー挑戦も可能な条項が加えられたが、国内では今後も他球団に移籍せず広島のために働く覚悟を示した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/80/cb97d069e52801f13fda344cc040d53c.jpg)
記者会見に現れた黒田投手に苦渋に満ちた表情は、もうなかった。
悩みぬいた末に黒田は決断を下した。広島市内のホテルでの会見。FA宣言せずに残留することを表明した。
「僕はカープに育ててもらった。そのチーム相手にめいっぱいボールを投げ込める自信がなかった。プロじゃないと言われるかもしれないけど…。最終的にはほかのユニホームを着る自分が想像できなかった」
黒田投手は入団十年目の今年五月、移籍先を自由に選択できるFA権を取得。二年連続でタイトルも獲得したリーグを代表する投手として、阪神やソフトバンクのほか、米大リーグの数球団がFAの動向に関心を示していた。
心は揺れ動いた。FA宣言する方向に傾いた時期が「確かにあった」という。その場合は、阪神への移籍が有力だった。自問自答しながら5日夜、黒田はカープへの思いを選択した。
「カープで強いチームを倒すことを一番の目標でやってきた。簡単に優勝できるチームに入って、それでモチベーションを保てるのか、と」。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/e8/aaff59291059ce008a19e3c9eef9b0bf.jpg)
残留への決め手となったのは、背番号「15」のボードで真っ赤に染まったスタンドだった。「残留を願う気持ちを伝えよう」と、阪神、中日最終戦(十月十四、十六日)の二試合で、約四万人のファンが広島市民球場に駆け付けた。
「このファンと一体になって戦ってみたい。今一番大事なのは、そういう気持ちではないか」
「ファンの大声援…。判断材料の一つと言ったが、最後はそれが一番大きかった」
と振り返り、黒田は笑顔で語った。
記者からの質問に彼は答えた。
―金銭や戦力面では、他球団と比べて恐らく好条件ではないでしょう。
「カープだから(勝てない)と言われるのは悔しかった。カープでもできる、どこへ出ても恥ずかしくない成績を残す、という気持ちで常にやってきた。強い球団を倒すのが生きがい。地方球団に、そんな選手がいてもいいんじゃないか。」
―今の心境は。
「自分の気持ちに正直に決断でき、すっきりしている。ようやく野球に集中できる。選手としては、満員の球場でプレーできることが何よりうれしい。今季の最終戦、ファンが僕に期待をさせてくれた。来季、どこで野球をしたいか。マウンドに立つならどこのチームなのか。それがカープでした」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/5c/1218f8e1143d2526816501992fd756de.jpg)
ボクは、今日の感動を忘れない。これほどまでに「純情」を貫いた黒田投手、本当の“漢(おとこ)”である!
黒田投手の決断はカープとファンによるキャッチボールの始まりである。11月6日。誰もが久しく忘れていたカープへの誇りを感じただろう。不思議なほど自信と勇気を与えられ、感激した人も少なくないはずだ。そんなファンの思いこそ黒田投手が求める価値観だった。
彼が言う「カープへの愛着」は、強い責任感にほかならない。カープを相手に投げる姿が想像できなかったという言葉は、カープを支えている自負心であり、カープで勝ちたい心からの叫びである。個人主義に走れない性格が、FA移籍の選択肢を消した。
移籍を恐れて動いたファンの熱意はエースの心を動かした。「ファンは僕のことをどれぐらい必要としているのか、知りたい」。ファンにとっては「FAの悲哀を再び味わいたくない思い」「黒田抜きではもっと勝てなくなる思い」もあった。残留を願いファンが球場に詰めかけた十月の2試合の光景は、後の伝説になるであろう広島の財産である。
積極的ではなくても黒田投手は大リーグへの気持ちを初めて公にした。来季以降、その意志がどう動くか分からない。明快なのは彼自身に成績へのプレッシャーが増し、残留に誠意を尽くした球団も強化策への本気度が試されることだろう。ファンにも心地よい緊張感が必要だ。
おとこ気のある決断は、球団にもファンにも確かな自信をもたらした。
4年12億円(出来高含む)の球団史上最高条件で契約を更改。また来季以降に契約を破棄してメジャー挑戦も可能な条項が加えられたが、国内では今後も他球団に移籍せず広島のために働く覚悟を示した。
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記者会見に現れた黒田投手に苦渋に満ちた表情は、もうなかった。
悩みぬいた末に黒田は決断を下した。広島市内のホテルでの会見。FA宣言せずに残留することを表明した。
「僕はカープに育ててもらった。そのチーム相手にめいっぱいボールを投げ込める自信がなかった。プロじゃないと言われるかもしれないけど…。最終的にはほかのユニホームを着る自分が想像できなかった」
黒田投手は入団十年目の今年五月、移籍先を自由に選択できるFA権を取得。二年連続でタイトルも獲得したリーグを代表する投手として、阪神やソフトバンクのほか、米大リーグの数球団がFAの動向に関心を示していた。
心は揺れ動いた。FA宣言する方向に傾いた時期が「確かにあった」という。その場合は、阪神への移籍が有力だった。自問自答しながら5日夜、黒田はカープへの思いを選択した。
「カープで強いチームを倒すことを一番の目標でやってきた。簡単に優勝できるチームに入って、それでモチベーションを保てるのか、と」。
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残留への決め手となったのは、背番号「15」のボードで真っ赤に染まったスタンドだった。「残留を願う気持ちを伝えよう」と、阪神、中日最終戦(十月十四、十六日)の二試合で、約四万人のファンが広島市民球場に駆け付けた。
「このファンと一体になって戦ってみたい。今一番大事なのは、そういう気持ちではないか」
「ファンの大声援…。判断材料の一つと言ったが、最後はそれが一番大きかった」
と振り返り、黒田は笑顔で語った。
記者からの質問に彼は答えた。
―金銭や戦力面では、他球団と比べて恐らく好条件ではないでしょう。
「カープだから(勝てない)と言われるのは悔しかった。カープでもできる、どこへ出ても恥ずかしくない成績を残す、という気持ちで常にやってきた。強い球団を倒すのが生きがい。地方球団に、そんな選手がいてもいいんじゃないか。」
―今の心境は。
「自分の気持ちに正直に決断でき、すっきりしている。ようやく野球に集中できる。選手としては、満員の球場でプレーできることが何よりうれしい。今季の最終戦、ファンが僕に期待をさせてくれた。来季、どこで野球をしたいか。マウンドに立つならどこのチームなのか。それがカープでした」
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ボクは、今日の感動を忘れない。これほどまでに「純情」を貫いた黒田投手、本当の“漢(おとこ)”である!
黒田投手の決断はカープとファンによるキャッチボールの始まりである。11月6日。誰もが久しく忘れていたカープへの誇りを感じただろう。不思議なほど自信と勇気を与えられ、感激した人も少なくないはずだ。そんなファンの思いこそ黒田投手が求める価値観だった。
彼が言う「カープへの愛着」は、強い責任感にほかならない。カープを相手に投げる姿が想像できなかったという言葉は、カープを支えている自負心であり、カープで勝ちたい心からの叫びである。個人主義に走れない性格が、FA移籍の選択肢を消した。
移籍を恐れて動いたファンの熱意はエースの心を動かした。「ファンは僕のことをどれぐらい必要としているのか、知りたい」。ファンにとっては「FAの悲哀を再び味わいたくない思い」「黒田抜きではもっと勝てなくなる思い」もあった。残留を願いファンが球場に詰めかけた十月の2試合の光景は、後の伝説になるであろう広島の財産である。
積極的ではなくても黒田投手は大リーグへの気持ちを初めて公にした。来季以降、その意志がどう動くか分からない。明快なのは彼自身に成績へのプレッシャーが増し、残留に誠意を尽くした球団も強化策への本気度が試されることだろう。ファンにも心地よい緊張感が必要だ。
おとこ気のある決断は、球団にもファンにも確かな自信をもたらした。
満面の笑みを浮かべながらラジオを弄ってる店長さんの姿が頭に浮かんでしまいます^_^;
(といってもここの写真でしか見たことがなく、どんなお顔かは存じ上げないので、勝手にイケメンを想像してるのですが)