昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

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夢のせて ― 日本一の天然芝球場へ 広島新球場

2008-08-13 | 広島 カープ
来年3月開業予定の広島新球場の輪郭が見え始めてきた。博多へ出張する新幹線に乗ると広島駅到着までの約30秒間、内外野オール天然芝のグラウンドを包むスタンドの建設の様子が見える。広島市民球場を引き継ぐ「夢のボールパーク」の全容に迫る。 
 日本一の“ボロ球場”から日本一の天然芝球場へ・・・・来年3月、広島に待ちに待った新球場が誕生する。右翼100メートル、左翼101メートルの広さのフィールドは、現在の広島市民球場より10メートル近く広くなり、センター122メートルも7メートル近く広い。「バットにかすっても入る」と投手から怖がられていた日本一狭い球場ともおさらば。セ・リーグでは最も広い球場となる。
      
        ▲来年3月開業予定の広島新球場(下のコンペ作品と比較してください)
 新球場建設の機運は1994年、広島商工会議所が現地にドーム球場建設の「ネオひろしま構想」を発表して高まった。2002年にはドームを前提にした複合型球場建設に向けて日米企業体「チーム・エンティアム」と合意したものの、翌03年には事業化を断念。
 ところが04年、球界再編の動きが起き、広島を本拠地とするカープと他球団の統廃合が報道されるやいなや広島県民や市民、地元経済界は、球場建設の早期実現に向けて立ち上がった。
広島カープは市民が支えてきた歴史を持つ。敗戦と原爆のつめ跡が色濃く残る1950年、親会社を持たない球団として誕生。だが1年目から選手の給料さえも捻出できない資金難で解散の危機に陥ったことを知った市民の間で「カープを救え!」との声が上がった。本拠地だった広島総合球場に寄付を呼びかける四斗だるが置かれ、人々は身銭を樽に入れ、愛するカープに夢を託したのだ。
      
        ▲元祖たる募金('51年)と'04~'05たる募金  ▲CHEMISTRY堂珍嘉邦も参加
 2004年11月、広島の「たる募金」が復活した。老朽化の進む広島市民球場に代わる新球場の建設資金集めが目的だった。県内外の約1200か所に、たるや募金箱が置かれ、1年間で目標を上回る約1億2000万円が寄せられ、新球場建設の機運を高めた。現球場の全面改築か、現在の建設地への移転か、紆余曲折を経て、06年に一般公募によるコンペの末 総工費約90億円をかけた新球場建設が決定。
      
        ▲選考委員会(コンペ)の最終審査に残った4作品
 一般公募全20作品の中から、
  ・レフトスタンドが新幹線側に大きく開かれ、新幹線の乗客も球場の観客ととらえている
  ・いろいろな観戦スタイルを可能とするような工夫を凝らし、多彩な観客席
の内容が評価され、21世紀の新たな広島のシンボルとして、市民・県民が誇りの持てる球場にふさわしい提案であるとして、最優秀案は決定された。
      
        ▲選考委員会(コンペ)で最優秀案とされた作品
 昨年10月に着工したアメリカンスタイルのボールパークとなる新球場の特色として、左右対称でないことが挙げられる。カープファンでぎっしり埋まる予定の一塁からライトスタンドは、広く感じるが、レフト後方は少し低く感じる。「グラウンドの開放感、通風、街との一体感を確保するため」といわれている。
グラウンドの広さも立派なら、観客席(3万350席=立ち見、芝生等を除く固定席数)も大きく変身する。狭くて階段の段差がまちまちでつまずくシーンがよく見られた現球場に比べ、観客席は緩やかな傾斜で、全面バリアフリーになる予定。大リーグの球場並みの横幅50センチ、奥行き85センチを確保。「砂かぶり席」も、本塁後方の一塁、三塁側両方と一、三塁の内野席に設置して、選手と同じ目線で臨場感を楽しめる。
      
        ▲内野2階席前方のテラスシートでは、テーブルを囲んで観戦できる
 新球場は、外野席にいろいろな工夫が凝らされている。
カープファンで埋め尽くされるライトスタンドには、現市民球場と同様に観客が一体となって思いっきり応援できるパフォーマンスシートが設置される。
ライトポール際に3段式に並べられたテラス状の「びっくりテラス」と呼ばれる観戦スペースやライト後方のスタンド下には細長い窓から観戦できる「のぞきチューブ」があり、センター後方の2階席には、レジャーシートを広げて団体観戦ができる芝生席も設けてある。
レフトスタンド後方にはスポーツバーやパーティーフロアがあるほか、レフトスタンド下には「砂かぶり席」、さらに「ただ見エリア」という入場券なしでも観戦できるスペースまであるのだ。
      
        ▲ライト側パフォーマンスシートからの眺め
 1階観客席の最後部には球場を眺めながら周回できる幅12m(内野)~8m(外野)の広いコンコースがあり、売店やトイレ、授乳室などを配置し、試合のない日もイベントスペースとして活用できる。
新球場のコンセプトとして「いつでもだれでも試合がない日もコンコースからスタジアムを見ることができるのが理想」と思われるが、野球だけでなく、ちょっとしたコンサートもできる広いコンコースや、「ただ見エリア」の設置などはそのひとつ。
      
        ▲コンコースからはグラウンドを眺めながら、球場を周回することができる
 レフトスタンド後方から100メートルも離れていない所をJR山陽本線の電車が、その先には新幹線が走っている。球場の雰囲気、楽しさ、素晴らしさを新幹線などの車窓から感じ取れるロケーションは、広島の新しい顔にもなるだろう。
      
        ▲JR広島駅東側から見える夜景
 広島市は、新球場周辺の施設充実にも力を入れている。新球場をボールパークとしてとらえ、緑地作りやスポーツクラブなどの誘致を決めている。広島新球場が、広島駅周辺の再開発に果たす役割は大きい。かつての「復興のシンボル」は、ファンの思いを背負う「新たな発展のシンボル」に、その役割を変えようとしている。単なる施設でなく美しい街の一部として、そこにプレーヤーがいなくても、野球観戦の想像力がかき立てられるような球場作りを目指してほしい。
      
        ▲広島駅から東へ約1,000m、徒歩でいける新球場の正面エントランス
 広いフィールドでは、攻守ともにスピードが生命線となる。広い球場では、守りを固め、少ないチャンスを生かす野球が勝つ。すべての選手が次の塁を狙う意識を持つ、カープ伝統の機動力の復活が低迷脱出のカギになる。今季は、走塁と守備に力点を置き、東出・赤松・天谷といった俊足強肩の選手を並べ、昨年までとは違う戦いを繰り広げ善戦している。

 都市再生の起爆剤という使命を担う新球場。求められるのは、経営と野球の新たなスタイル。
真っさらなキャンバスに、球団とファンはどんな絵を描くのか・・・・カープ ファンの夢は、膨らむ。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カープファンって萌え~? (赤いコルトプラス)
2008-08-14 22:31:26
店長・・・なんでここまで熱くなれるんですか?
気合入りまくり~!!!!!!!!!!!!
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カープファンは燃え~!! (店長)
2008-08-16 15:16:16
5日間のお盆休みもあと残すところ1日となりました。
お盆のゴルフコースは平日料金のため、普段の土日は¥16,000(昼食付)のコースも¥8,000で楽しめますが、この暑さに身も心も溶けてしまいそうな、ヘタレ店長です。

赤いコルトプラス様
 FAで投打の大黒柱が抜けた今シーズンの赤ヘル・カープは、足が速く守備力のある若い選手を登用し、伝統の足を使った機動力野球が復活、8月も7勝2敗と善戦しています。
来年オープンの新広島球場への夢と期待が広がりますぜ!
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