○クライネフ(P)イワーノフ指揮ソヴィエト国立放送交響楽団(MELODIYA/ETERNA)
透明感ある芸風のクライネフと重厚なロマンチシズムをたたえたイワーノフのミスマッチの魅力が楽しめる。終楽章の乱れぶりにはやや首をかしげさせられるが、非力で生硬な音ではあるもののタッチでカバーし続けるクライネフの繊細な表現にはまるでラヴェルの協奏曲をやるような雰囲気があり、ロシア的な陰鬱さやあけすけさを放つイワーノフを一種閉鎖的なロマン派の世界から救っている。垢抜けた調子が前半でとくに目立ち、硝子のような音が何とも言えないフランス的な情緒をかもし出して特記できる。残念なのは繰り返しになるが3楽章で、非力さをカバーするかのように律せられた演奏ぶりがかなりロマンティックなほうに崩れてしまい、結果としてオケとも分離スレスレの状態に陥っているところがある。左右が分離しすぎ一部音域が聞こえにくい録音が悪いのかもしれないが、ちょっと辛い箇所があった。しかし全般、主としてイワーノフの領域としていかにもチャイコの末裔たるラフマニノフといった側面が引き出され、今現在やや少ないロマンティックなスタイルのラフ2を楽しめるところもあるし、かといってロシアロシアしないソリストの冷たさがちょうどいい温度感を保っているといったところで、好意的に聞けた。○。
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