湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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バルトーク:弦楽四重奏曲第4番

2007年05月13日 | 北欧・東欧
○ギレー四重奏団(concerthall)

ギレー団は巧いなあ。。惚れ惚れするような腕と力感、しかし中間楽章での硬質な印象派的情景の描き方もすさまじく繊細で巧い。録音が旧いのでちょっと小粒に聞こえるところもあるかもしれないが、アメリカ往年の室内楽がどのようなレベルだったかがしのばれる(今もそうかもしれないが)。よく20世紀最大のカルテット作家にショスタコを挙げるマニアがいるが、優劣はつけられないものの、影響範囲の広さ、技巧の開拓者としての功績を考えてもバルトークの位置は揺るがないように思う。人好きするかどうかとベートーヴェンぽくない、この二点だけでバルトークのカルテットは日本ではやや分が悪いかんじがする。でも、書法を分析するまでもなくこの作品あたりの緻密さ隙のなさは神がかっている。やはりドビュッシイストであったバルトークの過去がフランスふうの香気をはらむ要素はあるとはいえ、単なる民謡・舞曲編曲にしか行きえなかった国民楽派室内楽の、知性の側面で状況を打開できた唯一の例であると思う。アマチュアが立ち入ることを許されないリゲティ的な清澄さをあわせもつ特殊奏法の饗宴、書法のプロフェッショナルさを抜きにしてもアイヴズとまったく同傾向の新しさをはなつ和声にリズム、よく集中しないとよさがわからない可能性もあるが、しかしギレーは巧い。○。私はバルトーク苦手だけど。

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