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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆オネゲル:交響的運動「パシフィック231」

2016年09月19日 | フランス
○ツィピーヌ指揮ORTF(EMI他)1953/2/24・CD

デュナーミク変化、大音量での打楽器的表現が「上品すぎて」少々スケールは小さく感じられるものの、下手な誇張が無くORTFのよさが出ている。アンサンブルが堅固過ぎずばらけすぎず、絶妙の精度の高い近代的な演奏をなすツィピーヌ。録音時期が多少遅ければきっとスタンダード盤として広く知られるようになったのだろうな、この人に限らないがモノラル末期に全盛期を迎えてしまった指揮者はその後あらわれたステレオ期の人材(を持ち上げるプロモ会社・レコード会社)に~その才能の有無にかかわらず~四の五の言わさず表舞台から去ることを強いられた感がある。しかし現在このともすると伴奏指揮者のような扱いすらされるフランス系指揮者は一定の評価を受けているようで、CD復刻は進まないけれどもマニアにとどまらず人気はあるようだ。

私はこの指揮者は抽象音楽の表現が好きで、特にオネゲルあたりはミュンシュのような灰汁の強さ(というかオネゲルの灰汁の強さを浮き彫りにしてしまうこと)が無く、管弦楽をバランスを損なわないようにさばく鮮やかな手腕がはっきり聴きとれるが、仏CD化を契機に声楽を伴う曲を推す向きも多いようだ。この曲では機関車が音をたてはじめるのが少し早い気もするが後代のマルティノンなど録音のいいものに比べても時代なりの音で拮抗できる力感と精度はあり、同時代のシェルヒェンなどのようなゴリ押し感の無さは抽象性を主張したオネゲルの意思に忠実であるとも考えられ、なかなかいいと思う。○。

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