湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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フランク:ヴァイオリン・ソナタ

2009年09月19日 | フランス
ドゥーカン(Vn)コシェ(P)(ERATO,warner/tower records)1959頃・CD

さーて難しい曲、ロマンティックで形式に拘る余り長々しく繰言をし、ヴァイオリンは音の種類が少ないがゆえにどう解釈していくか?一方でピアノが技巧的に主張するから、ここもきちんとアンサンブルになっていなければならない。のっぺり長い音符が不規則な附点音符に左右されるシンコペ主題に象徴される不安定な(スラーの切れ目の無い)ヴァイオリンに対して、絡んでしっかり組み合う必要がある。単なる伴奏でもないのだ。この演奏はアンサンブルという点は非常にしっかり押さえている。だが・・・ドゥーカンの音色や表現が単調で、この長さにこの現代的客観スタイルでは、寝てしまう。しかも気持ちよくて寝るのではなく飽きて寝てしまう。美しさの起伏のなさ、全部美しい曲ゆえにその美しさの種類をたくさん持っていないとならない、その点で手札のないのがはっきり伝わってしまう。リマスターにも問題があるかもしれない。録音がやや悪く僅かにノイジーでぼやっとした雲に音符が覆われてしまうさまにちょっと首をかしげる。ディジタル化がその雲の中の音符を強引に整形して取り出している、これがどうも耳に馴染まない。フランクの演奏は世にたくさんある。フランスのヴァイオリンの典型のような演奏でもあり品は認めるが、これを第一に選ぶ必要はなかろう。温度の低さも・・・まあこのへんにしといたるか。

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