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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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オネゲル:交響曲第4番「バーゼルの喜び」

2007年04月11日 | フランス
ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(DA:CD-R)1965LIVE

レンジのきわめて広い明瞭なステレオだが不安定で傷だらけのエアチェック盤ゆえ、左右チャネルのバラバラ感もあいまって曲自体の散漫さが目立つようになってしまっている。いわばベートーヴェンの5番と6番の関係性がオネゲルの3番と4番の間にも性格として成り立つわけで、オネゲル自身も必然的な存在だったと述回しているが、散漫さもひとつの主張なのであるが、案外冷え冷えとした音の硬質な叙情が際立ち、3番の中間楽章に特徴的にきかれる牧歌的な暖かさと比べて寧ろ晦渋な印象を残す。作曲家の盟友であったミュンシュは開放的で透明感のある表現をほどこし、BBC交響楽団かとききまごうようなボストンの機能的な面が非常によく引き出されている。しかし聴衆には少々馴染みのない曲であったせいもあろう、楽章間に拍手が入りかけ、ミュンシュらしくもない構成上の求心力の弱さが露呈している。確かに晦渋なようでじつは構造上わかりやすすぎる3番より「要素の上で進歩があ」る、だが解釈者は聴衆との仲立ちとして少し工夫すべきところがあると思う。美しい曲だがそれを磨くとともに肉付けする必要、ミュンシュの得意技と思うがここではやや足りない気もした。

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