○チェリビダッケ指揮デンマーク放送交響楽団(VIBRATO:CD-R)1970年代LIVE
脳天にガツンとくる名演なのだがいかんせん録音が悪い。終楽章後半で左チャネルに入りそのままフィナーレまでつづくどうしようもない放送雑音にいたってはとても最高評価にはできない。やや不安定なステレオでエアチェック特有の音の軽さがある。この時点ではまだスピーディでテンションの高いガチガチのアンサンブルを構じているチェリが、晩年には特徴的となる透明感ある明快な音響を既に指向していたのか、たんなる録音だけの問題なのかわからないが、焦燥感と掛け合いのカタマリであるこの独特の癖ある曲を聞きやすくすっきりしたものにしていることは確かだ。わずかにピアノの非力さが気になるほかはオケ的にも非常によい。解釈の余地のない線的な単純構造のメカニカルな曲ゆえ、構造にきびしいチェリにはあっている面もある。組曲ふうの楽曲内容でともすると散漫に終わる曲だがチェリならではの緻密な設計は成功をおさめている。とにかく録音だ。○。
脳天にガツンとくる名演なのだがいかんせん録音が悪い。終楽章後半で左チャネルに入りそのままフィナーレまでつづくどうしようもない放送雑音にいたってはとても最高評価にはできない。やや不安定なステレオでエアチェック特有の音の軽さがある。この時点ではまだスピーディでテンションの高いガチガチのアンサンブルを構じているチェリが、晩年には特徴的となる透明感ある明快な音響を既に指向していたのか、たんなる録音だけの問題なのかわからないが、焦燥感と掛け合いのカタマリであるこの独特の癖ある曲を聞きやすくすっきりしたものにしていることは確かだ。わずかにピアノの非力さが気になるほかはオケ的にも非常によい。解釈の余地のない線的な単純構造のメカニカルな曲ゆえ、構造にきびしいチェリにはあっている面もある。組曲ふうの楽曲内容でともすると散漫に終わる曲だがチェリならではの緻密な設計は成功をおさめている。とにかく録音だ。○。