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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

チャイコフスキー:交響曲第1番

2007年08月17日 | チャイコフスキー
○ゴロワノフ指揮ソヴィエト国立放送交響楽団(MELODIYA/LYS他)1948・CD

まるでチャイコにきこえない。意外かもしれないが、「演歌じゃない」のだ。ワグナーを思いっきり力んでやったような、ザッツなんて揃えなくてもぼやっとまとまってればあとは力づくで押し通せ、ということを言ったか言わないかとにかく弦はばらけているのだがそれでも、一本の強い筋の通った紛れも無く西欧的なチャイコなのである。うねりかたはロシアのデロデロ崩し指揮者というより寧ろメンゲルベルクのような恣意的解釈を定着させた名人芸といったふうで、ブラスをはじめ力強くもしっかりみんな理解して演っているのがわかる。終楽章の、さあ盆踊ってくれというような民謡旋律でさえ、テンペストなかんじの管弦楽曲に聞こえる(意味わからん)。録音もゴロワノフにしてはクリアで聴きやすい。なかなか浸ってしまって後で評する言葉を考えあぐねてしまうたぐいの、チャイ1では私、かなり好きな演奏です。まとまりがいい。○。

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チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

2007年08月17日 | チャイコフスキー
○ヴェス指揮オーストリア交響楽団(REMINGTON)LP

非常にしっかりしたドラマの打ち出された演奏でドイツ式の縦の厳しい揃え方もクレンペラー的な重さはなくスムーズに若々しさを保って程よく聞ける。かなりブラームスを意識したような抽象的な演奏になっていることも確かで、チャイコの勢いまかせな部分はやや減退しているものの、ドイツ系の中堅指揮者のそれに比べればずいぶんとアグレッシブだ。派手さはほどほどだがなかなか聞かせる技巧的にもすぐれた演奏。○。

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チャイコフスキー:交響曲第5番

2007年08月09日 | チャイコフスキー
ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル(MELODIYA他)1982/11/6live・CD

生気のない演奏ぶりでどうにも面白みが見出せない。ムラヴィンスキーには解釈はそのままに痩せて弱体化してしまったようなふうの演奏がたまに聞かれるが演奏者側の都合かたまたま録音状態が悪かったのか。オケがいかにもロシアオケの悪い部分を強調したような、しかもレニフィルの良い部分が余り出ていないという、何か別の指揮者がムラヴィンを真似て振ったようなスカスカで不恰好なところが何なのか、テンポ設定もいつもどおり速いが、人工的な感じを与える「らしくない」ものとなっている。最近変な海外レーベルでCD復刻されている。無印。
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チャイコフスキー:交響曲第6番

2007年08月06日 | チャイコフスキー
○テンシュテット指揮フィラデルフィア管弦楽団(MEMORIES他)1989/1/13LIVE・CD

引き締まった大変立派な名演でフルヴェンの高精度版という感すらある。4楽章前に拍手が入るのが興醒めだが、やや遠いものの録音もいい。○。
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チャイコフスキー:交響曲第6番

2007年07月17日 | チャイコフスキー
○ウォレンスタイン指揮LSO(LEF他)CD

板起こしの状態がよくない。おそらく原盤はかなりいいステレオ録音の筈で、左右そっくり返ったり溝が浅くてかすれたりといった復刻瑕疵(1楽章に顕著)はちょっと問題だ。演奏はまっすぐで新即物主義スタイルだが力強くからっと明るく進むさまはこれはこれで爽快。オケは申し分ない素晴らしい出来。録音自体は生々しい迫力もある。だからこそ復刻状態が惜しい。また、山っけが無いだけに食い足りない人もいるかもしれない。でも廉価盤としてこのCDはうってつけの初心者向けの「色のついていない生の悲愴」。おすすめ。
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チャイコフスキー:大序曲1812年

2007年07月06日 | チャイコフスキー
○ゴロワノフ指揮モスクワ放送交響楽団(GRANDSLAM/MELODIYA)1947・CD

なかなか気合の入った力強い演奏で編成も恐らくかなり大きいことだろう。録音が弱いので迫力とまではいかないが、解釈(編曲ゆえに弱くなっている面もあるが)の独特のアクの強さがかっこよく曲におさまっているので気持ちいい。それほど「爆演」とは思えないがソヴィエト方式の秀演だと思う。○。
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チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

2007年06月27日 | チャイコフスキー
○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(Guild他)1957/6/13・CD

これは他にも出ていたものだがバルビの感傷的な旋律回しが聴けるなかなかの演奏で、ただ録音の弱さだけが際立っている。guildは残響がうざい。ドラマチックな音楽は残響がなくても十分伝わるものだ。貧弱な録音から無印にしてもいいのだが、余りにロマンスの主題が美しいので○。
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チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」抜粋

2007年06月27日 | チャイコフスキー
○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(Guild)1950/10/17・CD

かなり生硬で凡庸な、かつ余りよくない録音なのだが何故○かといえば終曲の盛り上がりだけのためにつけたのである。発掘音源というのはおうおうにして名演とは程遠いものでありこれもそのほかの曲に特に聴くべきところはないが、ワルツの浮き立つ雰囲気は壮年期バルビの骨頂だ。○。
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チャイコフスキー:スラブ行進曲

2007年06月27日 | チャイコフスキー
○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(Guild他)1959/4・CD

guildはたまに初出音源が混ざる困ったレーベルだがこれは既出。比較的聴きやすい音に整えられている。牧歌的な雰囲気が支配的な行進曲になっていていかにもバルビというか「イギリスらしいスラヴ」だ。エルガーの曲と言っても通るのではないかというくらいに響きが整いテンポは客観的ですらあるが拍節感はそれほど損なわれない。爆発的威力はハレなので土台求めるのが無理であるが、比較的まとまって出来ているほうの演奏だと思う。ヴァイオリンにはもうちと謳う気持ちが欲しいが。曲の素直な面白さが出ている。guildはプレイヤーによっては外周(終わりのほう)が読み取れないことがある。CDはこれだからあかん。

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チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」~Ⅰ

2007年06月26日 | チャイコフスキー
ホロヴィッツ(P)スターン(Vn)ロストロポーヴィチ(Vc)(sony)1976/5/18カーネギーホール85周年live・CD

祝祭的な大舞台において小規模アンサンブルというのはえてして失敗しがちである。とくにアンサンブル専門ではなくソリストの寄せ集めであったとしたらおのおのの個性が衝突してしまいその場のライヴとしてはスリリングに楽しめたとしても録音としてはなかなか難しい結果となりうる。この演奏はスターンが足を引っ張っている。必ずしも嫌いな表現ではないのだが奏法(音色)が単調で粗く弓を弦に押し付ける耳障りな雑音の混在に力みすぎて音程にならない場面はしょうじき絶対音感のない私のような人間ですら辛く感じるし、スピードに不安定な起伏がつき過ぎて聞きづらい。ロストロは引きのスタイルで全く危なげなく実に余裕たっぷりにつけているが自己主張が無さ過ぎて印象に残らない。いや、巧すぎるのだろう。ホロヴィッツはこの三人の中ではずば抜けて芸術的であり、曲がそうであるということもあるのだけれども細かく詰め込まれた一音一音に意味があり、尚且つ全体の流れを損なわない。結果としてスターンがすべてを支配しようとしているのにホロヴィッツの音楽を聴いてしまう。録音バランスの問題も否定できないか。らしくないミスもロストロ以外にはきかれ、この史上最大のコンサートと称されたアメリカ的な記念碑に、やや稚拙な文字が彫られたかのような、少し残念なかんじをおぼえた。遅いので練習の伴奏用に使える側面はあるかも、明日聴きながらつけてみるか。ロストロにはゴリゴリのソヴィエト・トリオによる物凄い演奏があるが全く違う。ルバートしているのに結構生硬なテンポが練習に向くような気が。それにしても、全員鬼籍に入ってしまったのか。

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チャイコフスキー:交響曲第5番

2007年06月18日 | チャイコフスキー
○ヴェス指揮オーストリア交響楽団(REMINGTON)LP

クルト・ヴェスはN響を振ったり近年のブルックナーライヴ音盤化でわりと人気の出た指揮者だと思うが、この演奏もじつに「チャイ5らしい」もので楽しく聞ける。しっかりしたところはしっかりしているがそれ以上に感情に素直で、つくづく「モントゥやチェリにはこれが無いんだよなあ」と思う。いい意味で期待どおりであり、無味乾燥や純音楽的といったチャイコにおよそ似つかわしくない解釈に落ちていないところがいい。このオケの実体はVSO?音が違う気もするが・・・わりと機能的でローカリズムが鼻につかず、バランスのよい音。録音は古い。○。

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チャイコフスキー:バレエ組曲「くるみ割り人形」

2007年06月17日 | チャイコフスキー
○シュヒター指揮ベルリンFFB交響楽団(IMPERIAL)LP

きちっと律せられた演奏ぶりで、チャイコフスキー特有の響きの的確な表現、構造の明瞭な描き出しかたに、清々しく聴きとおすことができる。この曲のスラヴ的な側面よりヨーロッパ的な側面を印象付けるところがあり、花のワルツのウィーン的な表現、最後のルバートにはにやりとさせられる。聴きごたえあり。○。
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チャイコフスキー:憂欝なセレナーデ

2007年06月17日 | チャイコフスキー
カイゼル(Vn)シュヒター指揮ベルリンFFB交響楽団(IMPERIAL)LP

つまらないソリスト。弱くて無個性な演奏。
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チャイコフスキー:大序曲1812年

2007年06月17日 | チャイコフスキー
○シュヒター指揮ベルリンFFB交響楽団(IMPERIAL)LP

手堅さつまらなさで語られる人だがドイツ伝統の手法を合理的な形に大成し理知的なトレーニングに反映させた職人的指揮者であり、たまに当たるとハマる。ロマン派を古典的にさばくのが巧く、ここでもまるでローカル臭がなくチャイコが国民楽派じゃないドイツ古典派のような均整感をもって引き付ける。ドイツ的な響きの安定感と縦のリズムの整合性を重視した演奏スタイルではあるのだが鼻につくようなドイツ圏特有のローカリズムは音色や発音法から排されており汎世界的な価値を感じさせる。小粒だが非常に立派な演奏。比較的早世したのが仇だがN響の名シェフとして幸いにも日本では名を残せている。
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チャイコフスキー:交響曲第5番

2007年06月15日 | チャイコフスキー
○モントゥ指揮ORTF(M&A)1958/5/8LIVE・CD

熱演。だが余りに普通だ。解釈にまったく特徴がない。3楽章の乱れと4楽章のブラスのぶっぱなしかたくらいか。大ブラヴォはORTFがこの曲をロシアっぽくやりきったことに対してなら、納得できる。モントゥのチャイコは余りにケレン味がなさすぎる。見本品みたい。ステレオに近いくらいのよいモノラル録音で僅かにヨレがあるほかは申し分ない音。おまけで○。
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