○パレー指揮ORTF(DA:CD-R)1971/1/27LIVE
いきなり即物主義的なスピードとドライさにオケがつんのめりついていけなくなりそうになるところ、足を踏みならし掛け声をかけて縦を揃え直した結果スピードは落ちたが異常にリズムの強い(附点音符の引っ掛け方などまるでラフマニノフだ)ドイツ風の構造的なチャイ5が出来上がった、2楽章以降もそのテンポが維持されるためカンタービレの余裕ができたせいか弦歌う歌う、パレー的な強靱なフォルムが危うくなるまでうねるような旋律が歌われる。ワルツの歌い回しの巧さもやはりリズム感のよさに裏付けされている。弾けるリズムや強引なスピードに対して音響的配慮があまりなくなる傾向をパレーには感じることがあるが、このライヴでは1楽章前半までで解消されていて聴き易い。4楽章ではわりとよくある解釈に落ち着いていく感も否めないが、しっかりリズムを踏みしめて進むマエストーソまで盛り上がりはしっかり作られていて、パレーらしくないチャイコらしいチャイコになっている。内面的燃焼度の高さは終演後次第に高まるブラヴォの中に窺い知ることができる。祝祭的な雰囲気もある佳演。但しモノラル。
いきなり即物主義的なスピードとドライさにオケがつんのめりついていけなくなりそうになるところ、足を踏みならし掛け声をかけて縦を揃え直した結果スピードは落ちたが異常にリズムの強い(附点音符の引っ掛け方などまるでラフマニノフだ)ドイツ風の構造的なチャイ5が出来上がった、2楽章以降もそのテンポが維持されるためカンタービレの余裕ができたせいか弦歌う歌う、パレー的な強靱なフォルムが危うくなるまでうねるような旋律が歌われる。ワルツの歌い回しの巧さもやはりリズム感のよさに裏付けされている。弾けるリズムや強引なスピードに対して音響的配慮があまりなくなる傾向をパレーには感じることがあるが、このライヴでは1楽章前半までで解消されていて聴き易い。4楽章ではわりとよくある解釈に落ち着いていく感も否めないが、しっかりリズムを踏みしめて進むマエストーソまで盛り上がりはしっかり作られていて、パレーらしくないチャイコらしいチャイコになっている。内面的燃焼度の高さは終演後次第に高まるブラヴォの中に窺い知ることができる。祝祭的な雰囲気もある佳演。但しモノラル。