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かくぱいあ~かいぶ

ある晴れた日のこと

2006年06月27日 | Archive
 去年ESLで同じ授業を受けたヒロキが、
昨日会った時に「明日マルチメディアホールでプレゼンするからな!」と言ってきた。

彼が1~2ヶ月前からゴソゴソとプレゼンの準備をしていたのは知っていたけど、
何のプレゼンなのか、いつやるのか、どれくらいの時間やるのか全く知らなかったし、
実際にこの誘いを受けた時も行こうが行くまいがどっちでも良かったので
「明日晴れたら行くよ」と応えた。

元々授業があるけど行ってないから、毎週火曜日はフリー。出席不良通知ゲット。
天気予報では雨となっていたので「晴れたら行くよ」は「行く気がない」という意味だったが、
最近の天気予報とはかくも信憑性の疑わしいもので、目が覚めたら晴れていた。
観念して、プレゼンの始まる18時に間に合うように日中の用事を済ませ、
手ぶらで大学のマルチメディアホールへ向かうことにする。



 ヒロキはスーツを着て緊張した面持ちだった。
(お前が言うなと言われそうだけど)彼は元々ふてぶてしい性格なので、
ヒロキの余裕の無い顔を見るのは新鮮でもあった。
いやぁしかし、やっぱりアイツ男前だね。

半ば冷やかしのような気持ちで足を運んだため
特に何も考えず彼のそんな姿を眺めていたら、プレゼンが始まって驚かされた。

彼のプレゼンは、大学生がやるものとしては
今まで見たことの無いくらいハイレベルなものだった。
国内のロジスティクスを海外と比較したプレゼンで、
国際交流部主催のため言語はもちろん英語。

スライドのデザイン、
一度に表示される情報量、
アニメーションの適切な選択、
わかりやすい図の配置、
正確な英文法の使用、
高度な言い回し表現、

どれを取っても今の俺には絶対マネできないような代物だった。
あっという間にプレゼンは終わってしまったが、時計を見ると40分も経っていた。
なんなんだ、アイツ、ESLにいた時はこんなんじゃなかったじゃん。
二カ国留学候補生としての半年間、どれだけ頑張ったんだ。

何よりも、壇上でスクリプトも見ず40分間喋り続けたヒロキが
3ヶ月以上何もせずにグータラやっている俺には眩しかった。
眩しすぎて目が見えなくなった。メガネを外したのび太みたいになった。



 呆けていると、次の人のプレゼンが始まりそうだったので席を立った。
外の廊下を歩きながら、半年ぶりくらいに感じる感覚を覚える。
なんかこう、今よりも、もっと先を見ているような感覚。

俺も何かやろう。
このままダラダラ生活するだけじゃなくて、
何かやりながら合間にダラダラしよう。
っておい、ダラダラするのは変わんねーのか。
何をやるのか?しれっと目標はあったりする。
去年失敗したまま、今までほったらかしにしてきた。


 ま、今日晴れてよかったね。