quackpie Archives

かくぱいあ~かいぶ

平日の昼間の過ごしかた

2006年05月30日 | バイク
 ボスベンリィの弛んだチェーンを調整したのが10日くらい前なのに、
まぁた緩んでガチャガチャとチェーンケースに当たってるんで、再度調整してやった。

チェーンアジャスターのナットがしっかり締まってなかったみたい。
メガネレンチで回したら一回目でクルッと回る。
今回はしっかり調整してナットも締めておいたので、すこぶる調子良くなった。

うーん。この際だしプラグも換えちゃおうかにゃ。
プラグ見てみたら真っ黒だった。ていうかこのプラグ何年くらい前のものだろう。
バイク屋に行って、イリジウムのプラグくれと言ったけど2つも無いと言われ、
仕方なくNGKの普通のプラグにしといた。2つで900円。安いなぁ。








左が新品で、右が古いほう。真っ黒じゃん。ガスが濃いのかな?
関係ないけど俺のデジカメ、マクロで撮るとここまで精細な接写が撮れるとは
やっぱりFinePix F10は凄いなぁ~って感心した。名機以外の何物でもない。

上の2枚は縮小したからわからないけど、
元の画像は砂や小石の反射する光がぼやけて幻想的。プラグのくせに。


 プラグ交換を済ませたあとは、
俺の中でテストコースと化している穂谷を走ってきた。
うーん、素晴らしいぞ。本来のボスベンリィのチカラが引き出されている!
 
この調子がいつまで続くやら。
この夏が終わるまで持ってくれればいいんだけど。頼むよ~。


 小一時間走って、市民病院前の王将で定食たいらげて帰った。

あそこの料理は、他の王将と違って丁寧でおいしい。
しょうゆラーメンはハムともやしだけの一見ショボいラーメンだけど、
あっさりしてておいしいのだ。焼飯もパラッとしてて美味なり。

店内も清潔で、
調理師同士が股間の握り合いして遊んでるどこぞの王将とは大違いだよ。

モラトリアム

2006年05月28日 | Archive
 最近、大学で友達に会う度によく言われることば。

「就活終わっていいよねぇ。」

そう言われるのも、俺が学校に行くたびに
過剰な睡眠時間のせいで腫れあがったまぶたをつくって
気だるそうにボヤボヤと構内を歩いているからに違いない。

そして俺が決まって返す言葉が、

「そうでもないよ。何か生活にハリが無くなっちゃって。」

すると返ってくる言葉が、

「でもバイトとかしてるでしょ?」

そして常套句の様に返す言葉が、

「いや、最近人が増えちゃって、シフトに入る時間が少ないんだよ。」

最後に聞かれるのが、

「じゃ、普段なにしてんの?」

最後に答えるのが、

「クズみたいな生活してるよ。」



 実はこの会話の先にはまだ続きがあって、
「どうクズなの?」といつも詰問される。俺はいつも言葉を濁してその場をやりきる。
どうクズなのか別に言っても困らないけど、説明しにくいクズさ加減で、
恐らく3分かけて説明しても相手の共感を得にくいだろうと思う。


 俺は、大学四年生という身分を盾にした、フリーター。
最近はバイトとゼミだけ人並みにやって、
残りを全部自分の時間にまわしてる。授業は、気が向いた時だけ顔を出す。
自分の時間とはつまり、本を読み、CDを借り、バイクを弄って、乗る時間。

「授業も行かず、ロクなことしてないから」って理由だけで
この生活のことをクズ呼ばわりしてたんだけど、
なんか、ここ数日になって「今の生活も悪くないかも」と思い始めた。

社会人になる前のこの猶予期間のことをモラトリアムって呼ぶそうだけど、
この4年間で一番自分としっかり向き合ってるような気がして、割と心地よいかも。
別に人生を達観したわけじゃないけど、しばらくモラトリアム満喫します。


 ただ最近困ったことに、
この前買ったハードコンタクトレンズがどうにも痛くて慣れない。
仕方なくメガネを作ったら、「キモイ」「完全にオタク」「老けて見える」と罵られた。

これからしばらくは、どこ行っても目をシパシパさせてるか
瓶底メガネかけて「萌え~!」などとほざくつもりなので、
ご理解・ご協力のほどをよろしくおねがいしますね。

株式会社スキャッター

2006年05月21日 | Archive
 この前のボスベンリィのパンク騒動で、
夜中にクギを撒いて暗躍する組織があるのではないかという話をしましたが、
もしあったらこんな感じではないかと思います。

※完全にフィクションであり、実在の人物や企業、団体に一切関係ありません。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 



リワナビ2007
トップページ>検索>大阪>サービス業・アミューズメント

検索結果:1 件が見つかりました。





株式会社スキャッター ※東証一部上場!

クギを撒き続けて50年。昔と変わらぬ笑顔とサービスで、
地域の発展に貢献します。



"私たちはこんな事業をしています"
●クギの散布(大・中・小、様々なサイズのクギです!)
●タイヤチューブの卸売り
●パンク修理

“みなさんにはこんな仕事をしていただきます”
●技術系スタッフ…クギの製造・開発・管理
●事務系スタッフ…ルート営業

採用方法・選考基準
採用方法…まずはリワナビよりエントリーして下さい。
エントリー頂いた方から、順次内定のご連絡をさせて頂きます。

選考基準…ヤル気のある方。正義感の強い方。エントリーの早い方。

採用データ

給与

●技術系…18万6000円(2004年度実績)
●事務系…18万1000円(2004年度実績)

諸手当

●通勤手当・残業手当・パンク手当・各種リゾート施設割引

昇給

●年一回

賞与

●年2回(6月、12月) 2004年度実績 3.85カ月

勤務地

●技術系…本社
●事務系…京阪神一円の幹線道路・および生活道路

勤務時間

●技術系…09:00~17:00
●事務系…23:00~06:00


"ウチの会社のココがスゴイ!"

2004年度入社・営業担当 沢山毎太郎さん

 私の心に残っていることは、入社式が終わった後の夜、
上司に連れられていきなり営業に駆り出されたことですね。
コワイ得意先に連れて行かれたらどうしようと思いましたが、
何のことはない、人目につかないように道端にクギを撒くだけでした。
結局、今までずっとその仕事内容で、毎日クギばかり撒いています。
たくさん撒くと上司から「すごい!」と誉められるので、
自分もやっと一人前に仕事ができるようになったという実感が湧いてきます。
また、言いたいことは気軽に言い合える職場なので、
「我々のやっていることは犯罪ではないか」といった本質に関わるようなことも
新入社員の頃から盛んに発言できるところが良いと思いました。
地域住民の皆さんの自転車やバイクがパンクして、修理屋のおじさんの懐が
みるみるうちに肥えていくのを見ると、この仕事をやっていてよかったと心から思います。





この企業にエントリーするには、ここをクリックして下さい。

異物

2006年05月20日 | Archive
 ハードコンタクトレンズ!

これを異物と形容せずに何と形容するのか。
今回からメガネとハードレンズを併用することにした俺は、
留学生別科卒業式のビデオ撮影バイトを終えたあと眼科へ走り、
今まで目に入れたことのないハードレンズに挑戦した。

東レの新技術で作られたレンズは、ハードレンズながら弾力があり、
少しの力で折り曲げても割れないのである!
ところで東レさん、3月に受けた二次面接の結果の連絡はまだですか?

で、レンズを目に入れてみたよ。
普通に異物ですねこれは。
目が拒否反応を起こして開けられなくなり、涙が漏れたよ。
しばらくあっちの世界に行ったりこっちの世界に戻ったりしていたら、
10分ほどでやっと目のゴロゴロ感が落ち着いてきたので
使い捨てソフトレンズと決別してコイツと付き合うことにした。

 ついでにメガネを作るべく
駅構内のメガネ屋で一時間半ゴチャゴチャ相談して、商談成立。
めでたいことに来週からついに俺もメガネっ娘ですよ。俺萌え~。俺萌え~。

あ、ちなみにメガネっ娘の読み方は「めがねっむすめ」だからね。
あと、「メガネッ娘」じゃなくて「メガネっ娘」なので。


 異物と言えば。宮之阪のイズミヤの近くなんだけど、こんなんいたよ。



バカでかい大蛇だよ。すげーこんなんがこんな街中にいていいのかーと思って
すかさず写真におさめた。大きさの比較対象が無いのが残念だけど、
普通に両手をいっぱい広げたくらいの体長はあったと思う。

いいのかーこんなん普通にいていいのかー!

サブモダリティーがどうのこうの

2006年05月19日 | Archive
 ゼミの飲み会に行ってきた。

みんなお酒を飲みながら、
「サブモダリティーがどうのこうの」とか
「右腕にポジティブアンカーをかけました」などと
NLP用語を多用するきもい集団と成り下がっていた。

弱いが一応酒が飲める俺はビール3杯と半分くらいで甚だいい気持ちになり、
途中からよくわからない気分になっていた。
なんかアンニュイな気持ちだった。そしてなぜか標準語を喋っていた。

出された料理にちょっとおイタが施されていて笑った。
りぇがお店の人と仲良しだったため、密かに仕込んでいてくれたそうな。





 みんな結構いい感じで酔っぱらいに成り下がっていたので、
店を出るや否や、よっしゃ二次会行こうぜぇ!という流れになった。

スーパーで酒買ってそのへんで飲むかぁという運びとなり、
みんなが一生懸命に酒類を選別しているころ、
ホルモン竹内は500円もする"しそこんぶ"なるものを買っていた。

この人はその後も突然「お寿司たべようよ!」とうわごとを言い始めて
半額の寿司を買い、「お外でたべよう!」と言って俺の手を引き、
「しょうゆが入ってないよ!入ってない!」と騒いだかと思うと、
「お寿司おいしいね!もう一個買ってこよう!」とのたまって
寿司をもうひとつお買い上げになっていた。





この人には精神鑑定が必要なのではないかと不安な心持ちになったのも事実だが、
同時に彼のなりふりかまわない挑戦的な行動の新鮮さに
一抹のジェラシーに似た感情を覚えずにはいられなかった。


 
 その後は河原の公園で夜風に当たりながら6~7人で飲み、
俺はマカディアを飲んでいるうちにロマンチックが止まらなくなったりもした。
いたずらに「穂谷川の水面に煌くネオンの反射光がきれいだ」などと言ってみたので、
周囲の学友たちの困惑を誘った。

日付が変わったあたりで一同はその人数を減らしながらもカラオケへと足を運ぶ。
楽しかったが、このあたりで翌朝8時半からのバイトの存在を思い出し、
もう宇宙が無くなればいいのにという重い絶望に襲われ、お先に帰宅。

結局、帰宅後もバイトを寝過ごすのを恐れてなかなか寝付けず、
いっそのこと徹夜するか!と決意したあたりで眠くなり、
バイトを寝過ごしてエライことになる悪夢を3回ほど繰り返し見て楽しんだ。


 今回も楽しかった。
みなさんありがとうございました。またよろしくおねがいします。
残りの学生生活、満喫しましょう。あと、りぇ、お世話になりました。

近い未来の仲間たち

2006年05月13日 | Archive
 「えー、これボケにくいって。きっつー。しかもなんか期待されてる目だし。」

20代前半の男達が6人ほど、片手に酒の入ったグラスを持ち、
竹と革でできた太鼓を手に頭を悩ませる男に視線を注いでいた。

金曜日の夜、金沢で内定者の集まりがあり、
一次会はホテル、二次会は繁華街の一角にある店に20人ほどの内定者と
5~6人の先輩社員が初顔合わせした。

一次会が始まる前に独身寮の見学をさせてもらうはずだった俺は
石川県の電車の本数の少なさを甘く見て、遅刻した。





本社に集合のはずが、自分だけ駅まで迎えにきてもらう。


 同期となる内定者は100%男だけだった。
びっくりした。この会社は説明会では男:女の比率が
7:3ほどだったと記憶しているけど、二次面接・最終面接と
選考が進むにつれて、女が少なくなっていった。

しまいには、内定者(入社希望者)は全員男だけになってしまったっぽい。

「皆さん楽しそうですけどね、残念なお知らせがあって。
 今日の集まりは全員男なんですよ。
 社員から一人だけ女性のエンジニア呼びましたけどね。」

独身寮見学の間、ワゴン車を運転してくれていた社員の人がそう言うと、
一同からは落胆とも言えるため息が漏れた。
俺は別にそれでもいいじゃないか、と思った。
外大は女の子だらけだから、むしろ男だけの集まりが珍しい。
男が集まるとロクなことをしないけど、俺はそのロクでもないことが大好きだし。


 部長の挨拶と内定者ひとりひとりの自己紹介を含めて、
ホテルでの一次会はやや大人しめに幕を閉じる。
俺はなんで自己紹介のネタを考えておかなかったんだろうと後悔した。

これからこのような集まりに行くみんなは、
まるで就職面接の志望動機を考えるかのように深くアイデアを練っておいたほうがいい。
俺は即興で答えたというか、実際自分の番になると何を言うべきかわからず、
mixiのプロフィール欄に書いた自己紹介文を思い出して口から吐き出した。
会場に微妙な笑いが漏れて、あぁ、今すぐ穴を掘って入りたいと唇を噛んだ。


 二次会では、3つのテーブルに6~7人ずつ分かれて
ビールやワインとともにチーズやウインナーをつついた。

うちのテーブルは内定者6人で、
竹と革でできた太鼓がふたつ繋がっているアジアンテイスト漂う楽器を手に
「これで一人ずつボケていこう!」とくだらないことに興じる。

やっぱり男だけが集まると、
こういった一見意味のないことに情熱を注ぐ。その空気が好き。
メンバーの半数を関東人が占めるにも関わらず、6人のボケは高次元だったように思う。
気が付いたらとても仲良くなっていた。
さすがに選考を残ってきた人たちだけあって、人間ができた人たちばかりだ。

太鼓を手にスーパーマリオの歌を唄って、
ドゥトゥン!と言いながらワイングラスを太鼓の穴から出した。
キラーという砲台から出てくる黒い弾丸の敵キャラクターをマネした。
追い詰められた俺がええいままよと放ったネタ。
この瞬間、「あぁ、この集団で一番人間としての次元が低いような気がする」と思った。



 一次会と二次会で相当飲んだので、
ホテルに戻ると気の知れた仲間同士で一室に集まるなどという気もおこらず、
朝食に行く時間だけを取り決めて皆ふらふらと部屋へ入っていった。





俺は部屋の給湯器で湯を沸かしながら、
鏡に映った脂の浮いた自分の顔を見て「疲れたなぁ」と5回つぶやいた。
朝起きると、頭が重かった。酒が残っているらしく、頭を横に振ると
まるで交通事故の気絶から目が覚めたかのような鈍い痛みが襲ってきた。

他の皆も若干疲れた顔で、
金沢駅で近いうちの再会を約束して別れた。
俺は、大阪に住んでいるこのうちの一人とバイクの話で盛り上がったので、
そう遠くないうちに走りに行くかもしれない。趣味の合う人がいて安心。

帰りの電車で思い返してみて、本当に良い会社に来たという喜びが溢れる。

土曜の昼過ぎに枚方に帰ってきた俺は、
頭痛が治まらず、買ってきた本を片手にベッドに入った。
20ページくらい読んで、そこからパタリと寝てしまった。

はて、こんなに酒が後に残る体質だったのか、俺は。
入社後どうなるんだ。配属後死ぬんじゃないのか。

少し不安に思いつつも、
金沢で会った近い未来の仲間たちがイイ奴らでよかったと、心から安堵した。


路上にクギ捨てるな

2006年05月08日 | Archive
 夜8時半。バイトが終わってさぁイズミヤ行くかと駐輪場に行くと、
ボスベンリィがパンクしてなんか車高が低くなっている。

後輪をぐるぐる回して見てみると、
夏休みの工作に使うような可愛らしいクギが一本刺さっておられる。
ボスベンリィのタイヤはチューブタイヤといって自転車と同じようなものなので
やたらとパンクに弱いのだ。


 俺はもう駐輪場にボスベンリィを遺棄して
自転車で残りの人生を過ごそうかと頭を抱えたけど、思いとどまった。

とりあえず明日の朝バイク屋で修理してもらわにゃならんので
せめてバイク屋の近くの友達の家に置きに行こうと、せっせと運び出す。
タイヤのパンクしたバイクを引きずって運ぶのは死ぬほどつらい。
駐輪場から門まで、10分近くかかった。

もうだめだ。学長の家の前に遺棄しよう。
そう思った時、門の外から長身の見覚えのある男がやって来た。

おや?あれはアルではないですか?

昨年度、就活の公欠問題を巡ってメールの応酬を繰り広げた
ESLの講師、アル。

「ヘーイ!なにしてるんだい」

アルはとてもフランクに声をかけてきた。

「バイクがパンクしたんですよ」

「そいつは災難だな。おや、君は息を切らしてるじゃないか、そんなに重いのか」

「死にそうです」

「なんだって!よしよし、私が手伝おう、どこを握ればいいんだ!」

「お忙しいでしょう?!大丈夫、近くの友達の家まで運ぶだけですよ」

「いいか、二人でやればこんなのカンタンだ!


そう言うと、アルも息を切らしながらバイクを押してくれた。
俺はアルの優しさに甘えてアルにばかりバイクを押させた。

「あなたにはいくら感謝してもしきれないですよ。なんて親切なんだ。」

「いいかい、ペイ・イット・フォワード(Pay it forward)という言葉がある。
 他人が困っていたら、進んで助けてあげなさいという言葉だ。
 私に助けられた君は、いつか進んで他人を助けてあげなさい。」

俺は彼の言葉に深く感動し、
ありがとう、ありがとう、と感謝の言葉を19回くらい言った。
彼は仏ではないですか?アメリカがこんなに素晴らしい人だらけの国なら
俺は明日にでも移住するんですけどね。

バイクを運び終えてアルを教員寮まで見送ると、

「ほらみてごらん。ツツジの花が満開だよ。きれいだね。
 私は桜よりもツツジのほうが好きなんだ。良いかおりだしね。あぁきれいだ。」

と言いながら寮の中へ消えていった。
良くわからないが、素晴らしい人物だなぁと心から思った。
そして、明日の修理代金のことを思い出して、心から悲しみにくれた。


mixiのWEB広告に、内定先の広告が入っててなんか嬉しかった。

浄水器の飛び込み営業

2006年05月07日 | Archive
 うちに面白いのが来た。

日曜の昼間にポケーっと口をあけてよだれを垂らしているという
クソみたいな時間を過ごしていると、インターホンが鳴った。

「どうせNHKかなにか良くないものの勧誘だろ」

でもなぜか今日は居留守を使うという常套手段を忘れて、
インターホンをとってみる。よほどヒマだったんだ。

「こんにちはー水道の水質調査の件で参りましたーっ
 お話ししたいことがありますので玄関先までどうぞーっ」



・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 



 普段ならこの時点で「忙しいから」とか「病気なので」とか言って
お引取り願うんだけど、やはりそこはヒマだったのか、玄関を開けてしまった。
こんなに簡単に開けてしまったのは初めてかもしれない。

そこには若いお兄さんが立ってて、
水質がどうとか貯水タンクの中にはネズミの死骸がどうとか
いかにもなことを口走って、「中に入ってもよろしいですか?」と言い出した。

くどいようだけど俺は普段絶対こんな連中を中に入れないんだけど、
なぜか彼を玄関の中に入れた。今思うとどれだけヒマだったんだ。


 お兄さんの胸には「研修中」という札がついていたので、
新卒ですかと聞くとそうです、この春から営業でやってますと答えた。

じゃあ俺のひとつ先輩になるわけだな。
浄水器の飛び込み営業…。
しかもゴールデンウィークに飛び込み…。
なるほど、やっぱそういう世界なのかなぁ…。

お兄さんは色々世話話を交えながら話をするもんだから、
俺も調子に乗って「新卒で働きだしてどうですか」とか
「飛び込みって大変じゃないですか」とか本当にどうでもいいことを聞いた。
彼も彼で、本筋から外れた会話に少しリラックスしたのか、
就活で内定が出るのが遅かったとか、給料は家賃と駐車場代でほとんど消えるとか、
涙なくして聞けないお話をしてくれた。

そしていい加減こういった世話話に飽きてくると、お兄さんは
スズメを見つけて本能を突然思い出した猫のように
浄水器の取り付けやりませんかとビジネストークを再開した。

「たったの3000円/月ですよっ!一日換算だと100円です。」

「じゃあ年額3万6千円ですね?」

「はい、一日換算だと100円です。」

このあたりからお兄さんの目が
「ここまで時間潰したんだから売れるまで帰らない」的な目をし始めたので、
きっぱりうちはいりませんよとお断りすると、

「イオン水が出るのと出ないのではすごく差がありますよ!」

「イオン水って具体的にどう良いんですか?」

癒しの効果があります!」

「それって、どういう仕組みで癒されるんですか?」

えっと、ボクも良くわからないんですけど、
 とにかくボクの知ってるのは癒し効果があるってことです!






 もうこれ以上は時間の無駄だと感じて、
オロナミンCを一本渡して帰ってもらった。

俺が「浄水器いらない」と言った瞬間のお兄さんの顔は曇っていたが、
よく冷えたオロナミンCを手にしたお兄さんは少し嬉しそうだった。
俺がお兄さんと同じ仕事をしたら、2週間で辞めるだろうと思った。

なんかパソコンがうるさい

2006年05月06日 | Archive
 大阪に帰ったかくぱいは、パソコンをつけた。

フウゥオオォォー

パソコン本体の裏に取り付けられた冷却ファンが、
夜更けの静寂を破ってけたたましい爆音をあげる。


「おや、一体なにが起きているというのだ。とても穏やかではない。」



 ウイルス対策ソフトがスキャンでもやっているのかと考えたが、
そのような盛大な催しが行われている様子はなかった。

「これはひょっとすると、気温が高いせいなのかもしれないぞ。」

かくぱいは、長旅でホコリのついたズボンをすっかり脱ぎ、
上半身はよそ行きのたいそう立派なシャツに、
下はユニクロのパンツ一枚という身なりでつぶやいた。

「まだ5月だ。気温も20℃くらいだというのに。」

かくぱいはひとつ大きなため息をつくと、
昔の教科書やタオルを詰め込んだ汚い押入れから
パソコンの説明書を探そうと思いすっくと立ち上がったが、
思い直してまた青い椅子の上へ腰を下ろした。

外はすっかり暗くなり、
遠くから大型トラックが大急ぎで国道一号線を突っ走る音が聞こえる。

彼は、以前使っていたNECの古いパソコンのことを思い浮かべていた。
当時では高級なチップを積んでいたそのコンピュータは、
夏になるとチップの発熱のために、本体裏に取り付けられたファン[扇風機]が
同様の騒音を巻き散らかすやっかい者だった。

夏に放熱のためにファンが回るならまだしも、
春先からこうもたいそうやかましく騒音を出すパソコンに
かくぱいは出会ったことがなかった。

彼はすっかり困惑している様子で、
放熱ファンに手をかざしてみて、あたたかくて気持ち良いなあと
騒音のことをすっかり忘れて南国のさわやかな風をしばし楽しんだ。
しかしその爽快な風はバリ島の浜辺に吹くあまい潮風ではなく、
消毒液のにおいのする機械の中で発した熱がホコリまみれの扇風機によって
強制的に外の世界へ排出された、人工的なにおいのする熱風であった。

「秋までこの調子なのだろうか。それはとても調子がよろしくない。
 大した性能のものではないくせに、熱だけは一丁前に出すつもりらしい。」

かくぱいはまるで大手消費者金融の内々定者が
ニュースで業務停止命令を知らされたかのような失望感から逃げるように、
風呂に湯を張り、髪を洗った。薔薇のようなかおりのするヘアリンスのボトルには、
鮮やかな真紅の表面に氷上を滑るようななめらかな字体でヴィダルサスーンと書かれていたが、
中身は158円の安いヘアリンスに詰め替えられていた。
彼は普段より多く感じる頭髪の抜け毛を注意深くにらみつけ、風呂を出た。

パソコンは、依然として爆音を奏でていた。
気のせいか、部屋の温度が若干高くなっている気さえした。

「横に冷ごはんを置けば、電子レンジが必要ないだろうか。」

彼はそんな空想に夢を馳せながら、床へついた。
5月の連休も後半に差し掛かった子どもの日の夜。毛布では少し暑く感じられた。



海求め南へ

2006年05月01日 | バイク
 俺の実家は海から車で5分くらいのところなんですね。
常に潮風が吹いているので自転車とかすぐサビるんですよ。

今日、天気が良かったので
突然「海が見たい」と思い、ボスベンリィで出かけることにしました。
と言ってもすぐソコの海は3K(臭い・汚い・危険)なので、
頑張って70キロ南に行ったところにある海南という町まで行ってきたのです。










どうです、綺麗でしょ。
基本的に四国の海は瀬戸内海側よりも太平洋側の方が綺麗です。
高知の海なんか、胸まで浸かっても足の指まで透き通って見えますからねぇ。



 往復で150キロくらい走ってきたんですけど、
今日だけでもボスベンリィを買った価値がありました。

県南の海沿いをバイクで走るのがねー、これまた小さな夢だったんですよ。
海見えた瞬間、周りに人がいないのを確認して
「ウシャシャシャ!」って大声で笑いましたね。
その笑い声も暖かい風に飲まれて自分にも聞こえないんです。

途中の山道も最高に楽しかった。
GWで天気も良いから県外から沢山バイク乗りが走りに来てて、
CB1300やゴールドウイングなどの頂点とも言えるバイク達を
5分に一度くらいお目にかかりました。

山間からは暖かい日差しが流れ込んで
ずっと奥に見える段々畑や、一本杉の濃緑がハッキリと目に焼きつきました。

本当に気持ち良かったので、
ひとりでスピッツの正夢を大声で歌いながら走りましたよ。
「バイクで県南」は夢でしたからね。今日実現しました。

まじで素晴らしい一日!
欲を言えば、一緒に走る仲間が欲しかったけどね~。
みんなそのうちこっち来るって言ってるから、その日を楽しみにしてますよ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 そういえば免許証がついに最終形態!
ここまで短いようで長かった。もう恐れるものは何も無い。
あとは買うだけ。一年後かなぁ。どこ勤務かにもよるよなぁ…。石川じゃむりだ。