goo blog サービス終了のお知らせ 

quackpie Archives

かくぱいあ~かいぶ

マラソン緊急対策会議

2006年10月18日 | Archive
 唐突だけど今週の日曜日に和歌山のハーフマラソンに出場する。

誰が言い出したのか知らないが、
トシと直人が出るって言ってたから俺もエントリーした。

ハーフマラソンってことは距離は20キロだ。
結構本気で20キロくらい何とかなるだろうと思っていた。
高校の部活で土手ラン(土手長距離ランニング)10キロくらいは走ってたし、
その2倍くらいの距離なら根性でカバーできるものと信じていた。



 が、単なる俺の思い違いだったようだ。

近くの公園で5キロくらい走ってみたが、
とてもじゃないがこの4倍走れる気がしない。
毎日練習してた高校時代と、ネオ引き篭もり24アワーの今とじゃ体力に差ありすぎ。

やはり10キロくらいならいけそうだけど、20キロとなると話も別だ。
根性でカバーできる範疇を優に超えていると思う。
普段1日ほど徹夜をしている人が根性で2日間寝ずに過ごすことができても、
4日間寝ずに過ごすのは無理だろう。一歩加減を間違えれば永眠だ。天使の迎えが来る。



 もう当日まで時間が無いので、
脳細胞を総動員して具体的な対策案を講じてみた。

やはり土壇場で気転が利くところが俺の強みである。






対策A案
当日までに10キロを余裕で走れるようにしておく


これは非常に建設的なアイデアだ。
普段5キロ走れる奴が根性ブーストで10キロ走れるなら、
10キロ走れる奴は20キロ走れるだろうという理論だ。

もはやツッコミ待ちとしか思えない、スペースコロニー並の現実味の無さだが
実際完走するにはこれしか方法は残されていないだろう。
つまり、完走できる確率はとても低いということだ。



対策B案
ショートカットする


さあ、ふたつ目にしてさっそく雲行きがあやしい。

具体的にはこうだ。
当日の20キロコースは10キロを折り返す形になっているので、
5~6キロそこそこ走ったらしれっとUターンして先頭集団に食い込むのだ。

このとき、「我輩は鑑だ、スポーツマンの」(倒置法)という、
堂々とした表情がきわめて重要になってくる。監視の目を欺くのだ。

もはやスポーツマンシップのSの字も感じられない、外道だが確実っぽい案だ!



対策C案
バスに乗る


「マラソンは走る競技」という常識を根底から覆す、大胆な手法だ。

作戦内容は実に簡単だ。
コースは和歌山の公道なので、少しコースから外れればバスも走っているに違いない。
スタート直後にバスに乗り、折り返し地点で降りてまた乗って戻ってくる。

これなら20キロどころか1キロも走らなくて済むので、
体力に自信に無いアナタにもとてもオススメだ。
ただしタイムが異様に早くなることが予想されるので、
表彰台に登った時のコメントを考えておくとベターである。



対策D案
護衛のバイクにまぎれ込む


マラソンの放送を見ていて必ず目にするのが、
選手たちを数多の妨害工作から護る護衛バイクたち。

スタート直後からさも当たり前のようにボスベンリィのエンジンをかけ、
やさしい眼差しで選手たちと併走すればやさしい気持ちになれることうけあいだ。

でも気をつけて!
護衛のバイクはあくまでも選手たちを目立たせる引き立て役。
私語はもとより、服装もなるべく地味なものを選ぼう。
仕事が終わったら服を着替えて、すみやかに帰宅しよう。家に帰るまでが護衛なのだ。



対策E案
実家に帰る


ところで、今回マラソンが開催される和歌山県の和歌浦から、
徳島行きのフェリーが出る和歌山港までは目と鼻の先。
せっかくここまで来たんだから、たまにはお父さんやお母さんにあいさつに行こう!

フェリーは2時間おきに出ているけれど、
徳島でゆっくりしたいならできるだけ早めに和歌山を出たほうがベターだ。
マラソンが始まる午前9時半までには和歌山を出よう。
こころゆくまで家族との団欒の時間が確保できるぞ。

関係無いけど、最近実家では新しいペットとして
チンチラを飼い始めたそうだぞ!
どんないきものかな?要チェックだね!



21歳、運動会に行く

2006年10月15日 | Archive
 運動会いってきた。

高校時代から運動会は体育祭にその名を変えるので、
今日行った運動会が実質7~8年ぶりの運動会ってことになるね。

どこの運動会かわかる?はいそこのあなた、答えどうぞ。

…そうです、幼稚園です。

うちの彼女は幼稚園の先生なので、
たまには彼女の働いてる姿を見てみようと思ったわけだね。
よく考えたら働いてるところをまだ見たこと無いからね。
一度見てみたいと思いながら今日まで来てしまったので、行ってみようかと。



 会場の大きな公園に到着すると、
予想以上に大きな歓声がこだましている!

なんだなんだ?たかが幼稚園の運動会だろ?大したことないんだろ?

ってうおー!人多すぎ!

なんだこれは、保護者多すぎだろ?!
お父さん・お母さんの他に、お兄さん・お姉さん、妹・弟、
おじいちゃん・おばあちゃんそれに犬コロまで、持てる人員を全て動員している!
お犬はいらんでしょ、お犬は!

そして親たちはこぞって三脚を立ててビデオカメラを回している!
あの人もこの人も、カメラで我が子を撮っている!
俺は知ってるんだぞ、そういうの撮っても見るのはその日の夜だけで
後は5年も10年も放置される運命にあるんだぞ。うちがそうだった。
でも恐らく俺も子どもができたら同じようにビデオ撮るだろうな。
自分のことだからわかる。絶対ハイビジョンで撮りそう。撮るだけで見ない。

こりゃぁ松下電器もソニーも必死に運動会のCMしますわなぁとひとしきり納得していると、
なんとなく見慣れた顔立ちの先生が炎天下のもと忙しそうに走り回っている。

あぁ!いましたようちの彼女が。
走ってますねー。あー今度は荷物運んでますねー。めっちゃ忙しそうですねー。

ニヤニヤしながら2メートルくらいのところまで接近してみても、
小太鼓をカバーから出す作業に必死でマジで10分経っても俺に気付かない。

ほんまにシャレ抜きで忙しそうですねー。毎日こんな感じらしいですからねー。
給料も安くて休みも少ないそうですからねー。
私立幼稚園って企業に例えればブラック企業かもしれない。
保育内容が充実してるから保護者には高く評価されてるらしいけど、
働く側へのサポートが全然なってないらしいです。

しばらく遠目に見てると、どうやら彼女に20分くらいのお昼休憩が与えられた模様。
しかしようやく休息のひとときを得た彼女の所に子どもたちがパタパタとやってきて
弁当食ってるまわりで5人ぐらい大暴れしてますがな。うわー。大変だろうなぁ…。



 午後、子どもたちが太鼓やシンバルのような楽器を持って
フィールドを闊歩する本日のメインイベントが始まりました。





ここでもう少し彼女の写真撮っておいて、先に帰ろうかな。

周りのビデオカメラに夢中のお父さんお母さんは
自分たちのかわいいご子息を撮影するのに夢中なのに、
俺は幼稚園の先生の写真撮ってるからね。
普通に周りの人から見たら気色悪い保母さんマニア。

できるだけ怪しまれないよう立ち振る舞ったけど、
俺は場の空気に溶け込めていただろうか?



 …とまぁこんな感じの運動会を体験してきたわけですが、 
なかなか彼女の頑張ってる姿というのは眩しく見えますね。

本人めっちゃ頑張ってるしね。
普段ポワーンってしてるから、シャキシャキ働いてるところをみるのは新鮮かも。

余談やけど、
15時に運動会終わるって聞いてたから16時くらいに仕事終わるかなーと思ってたら
19時の今も連絡がないままなんですよ。

まだ仕事終わってないんでしょうねぇぇ。ほんまにかわいそうです。
幼稚園って、子どもがよっぽど好きじゃないと絶対勤まらないね。
これが企業だったら、ブラック通り越して暗黒企業って呼ばれてるところやね。

とにかく、結構感動しました。
心の底から「おつかれさま」と言ってあげたいですが、仕事中なので音質不通です。


日常を抜け出して

2006年10月09日 | Archive
 たまには接客がしたい。

座ってるだけのバイトもいいが、
たまにはお客様の前で笑顔をふりまく仕事もいいだろう。

そこで派遣のバイトにエントリーした。
土日だけのド短期で、イベント会場までのシャトルバスの案内。


 …土曜日。
俺は鶴橋の駅前にプラカードを持って立っていた。立っていた。立っていた。

ただひたすら立っていた。
プラカードにはこう書いてある。「シャトルバスはあちらです」
イベント会場に行くお客さんは、この表示を見てバス乗り場へ向かう。
ごくたまに年配のお客さんが道を聞いてくるのでその応対をする。

まぁ基本は立っているだけだ。ずっとだ。
俺は思った。バイト開始10分で思った。

これだったら普通にコンピュータルームで座ってたほうがいいな。

よく京都とかに行くと
「90分13,000円」という看板を持ったオジサンが道端に立っているが、
基本はそれと同じだ。

派遣先で新たな友達ができたのと、
きみまろテレビでできた親ローンの返済の目処ができたということで結果オーライか?



 もひとつおまけでこちらは非日常。

もしホンダが廃盤になったボスベンリィを再販するとしたら、
こんなキャッチフレーズはいかがだろうか。

キミのバイクは、テレビをはこべるか?





すげぇよこのバイク。

病でバタンQ

2006年10月05日 | Archive
 水曜日から発熱して寝込んでます。
実は先週も一週間くらい風邪引いて咳込んでたんですが、またです。
携帯・PCメール・ミクシィの返信が遅れているのはそれが原因です。
ゼミなんかクソくらえってかんじで休みました。

本当に、大学生活で一人暮らしするようになってから
免疫・抵抗力が物凄く下がりました。
高校時代なんか出席で皆勤賞貰うほどの元気マンで、
仮に熱が出ても翌日には回復して走り回ってましたが今はこの有様です。

ひとえに食事の差が出てると思います。
母親の作るほうれん草の胡麻和えとか大嫌いだったんですが、
今思えばあれが元気な俺を作ってたんでしょうね。

一人暮らししてると食いたいモンしか食わないし、
野菜ジュース飲んで野菜摂った気になってるから余計に野菜不足になる。


 一人暮らしして一度病に倒れると、
部屋全体が死臭に近い陰気臭さに包まれます。

放り出された風邪薬、使い終わった冷えピタのゴミ、
溜まりに溜まった食器類、湿った布団。
多分みんながこの部屋を見たら心配すると思います。この人大丈夫なの?って。

とりあえず片付けたいのは山々なんですが、
ヤル気も起きません。精々パソコンに向かってマウスを持つくらいで、
その姿が余計に不健康さをアピールしているようです。

また、熱が出てる時にはやはり眠るのが一番の薬ですが、
こういう場合は大抵悪夢を見ます。怖い系の悪夢から、ただ単に不快な夢とか。
全く身動きできない狭い箱の中に閉じ込められて汗だくになる夢とか、
殺人鬼に追われて汗だくで逃げ続けるとか。起きるとやはり汗だく。

さすがに参ります。


 しかし、病になるとほんの少し良いこともあるわけです。

友人の心遣いとかが支えになりますね。
けっこう「俺って良い友達持ってんな」と実感できる瞬間でもあります。

ある友人は心配して、
高熱を早く直すコツを教えてくれました。「汗をかけ。」
確かにこれは聞いたことがあります。汗を流せばスッキリするそうです。

とりあえずこれを身をもって実証してみようと思います。
さっき熱い風呂に入って汗だくになってきたんですが、
もう一回湯を入れたのでもう一回汗だくになってきます。

これを繰り返せばかなりの発汗量になること間違いなし。
そして失った水分を野菜ジュースでビタミン補給。
野菜ジュースに頼って病気になったのにこの期に及んで野菜ジュースを飲む俺ってどうなの。

ほんじゃ、もうひと汗かいてきます。


(追記)
二度目の風呂のあと体温測ったら、平熱になりました。
一度目の風呂に入る前が38.3度だったのでビックリです。
これからまた熱が上がったりしそうなので注意してます。

超音波使えよ

2006年10月03日 | Archive
 玉出で冷凍食品買って家に帰る時の話。

家の近くまで来て、とてつもなくデカイ飛行物体が
ヘルメットのシールドに直撃した。

バチ!

ふわあ!なに?
セミ?セミにしては時期遅くない?なんなの?スカイフィッシュ?

衝突した物体はふわりと俺の股の部分に落ちて引っかかった。
イヤに軽い。だんだん何だかわかってきたが、
とりあえずバイクを降りるまで確認したくない。


 バイクを降りて確認する。
やっぱりコウモリだ。短い毛がフサフサと生えていてハムスターのようだが、
グロテスクな羽が他の動物と一線を画する。

しかしこのコウモリ、ピクリとも動かない。
さすがにあの速度でプラスチックのシールドに直撃すれば昇天か。

なんでコウモリさんすぐ死んでしまうのん?

悲しみにくれるというよりはむしろ死骸をどう処理したものか悩んでいたら
コウモリは思い出したようにピク!ピクーリ!と動き出して、
「ちくしょー!次会ったらただじゃおかねーからな!」と言わんばかりに
フラフラと飛び去っていった。

いや、お前らなんか超音波とか使えるじゃん。
飛行中にモノにぶつからないための。あれ使えよ。
俺めっちゃびっくりするやんか。

理系ってちょっといいよね

2006年10月02日 | Archive
 内定者の飲み会があった。

うちの会社は内定式をしないので
代わりに非公式で飲み会を開いたところ、
会社の人事の人たちも経費引っさげて登場。


 8人いたうち、2人が人事、5人が理系、1人が文型。
さて、文型の1人は誰でしょう?(1問5点)

つーことで周りが理系だらけでした。
俺は理系の人たちが好きです。むしろ、文型の集団にいるより
理系の集団の中にいるほうがどちらかというと落ち着く。

それも高校時代、周囲に高濃度の理系人が多くいたせいだと思う。
男の子と遊びすぎて自分が男だと信じて疑わない女の子のように、
理系とつるみすぎてどこか文系離れしている存在、それつまり俺。

「女の前だと何を話していいかわからない」とか、
「研究室で毎日ゲームやってる」とか、
「この前秋葉原行きました」とか、
「23年間彼女いないんだけど」とか、
自虐的だけどむしろ開き直りの境地に達しているあの姿勢が好きだ。
もちろん理系みんながそうじゃないけど、一般的に見てその傾向があるだろう。
飲み会にソフマップの袋提げてた人がいたのも個人的にツボだ。


 人事の2人は、ひとりが40代くらい、
酔うとスーパーぶっちゃけトークをしてくれ、扱う話題も割と広い。
あまりオヤジ臭くないおじさん。好きだこの人。

もうひとりがひとつ年上の、短髪さわやかイケメン先輩。
笑顔が男前すぎる。絶対この人はモテる。

いいわぁ、居心地いい。
内定者に女がひとりもいないってのも、外大生にとっては新鮮だ。

「葵みのりって知ってる?あ、知ってるんだ、じゃあ森下くるみとかも?
 あぁ、いいよねぇあれはよかった!
 ちょっと最近だと蒼井そら、柚木ティナとかね!」
 

ようこそ我が家へハイビジョン

2006年09月28日 | Archive
 物欲が爆発して、液晶テレビ買っちった!





アクオス?そんな高級品買えるか!
こいつはユニデンのきみまろテレビ・27インチだ。
綾小路きみまろがCMに出てたからきみまろテレビというそうだ。

安価でハイビジョンを導入するにはもってこいだと思う。


 しかし、今のところうちにはデジタルハイビジョンチューナーが無い。
普通はテレビに内臓されてるけど、きみまろテレビは安いから付いてないのだ。

試しにアナログ放送を見てみた。ちょっとキツイ。
遠くで見ればいいんけど、近寄ると失明するかと思うほど汚い。
やっぱテレビ観るならチューナーが必要っぽい。


 ゲームはハイビジョン対応なんで、
しばらくはハイビジョンでゲームを堪能させてもらおう。

これバイクのゲームだけど、すごくきれいだ。





親ローン組んじゃったけど、良い買い物だったと思う。
コストパフォーマンスという言葉がしっくりくる。


酒ブースト

2006年09月27日 | Archive
 ジョンがアメリカに帰るってことで、
アパートを出払った後から数日間、俺の部屋に泊まってます。

ジョンが英語で喋って、
俺が日本語で喋るという画期的なコミュニケーション方法を採用。

昨日は居酒屋で焼酎のボトルを空けて帰宅後すぐ寝たもんだから
今朝起きたら死ぬほど頭痛くて。ていうか死んだ。即死。



 そう、昨日焼酎飲んでて気付いたんだけど、
俺は酒に酔ったらスピーキングが飛躍的に向上することに気付きました。

シラフだとどうしても単語が出て来なかったり冠詞の扱いにまごついたりするのに、
酒飲むとそりゃもうベラベラ喋る。喋ってて自分で「俺すげぇ!」って思うくらい。
知らない人が見れば帰国子女か!っていう次元。

ということはですねー。
来年就職して、いつか仕事で英語を使う時になって
「アイー、アイ アム・・・アー・・・」では困るなら、
酒を飲んで出勤すればいいんですよね!

そりゃもう恐いもんナシですよ!

英検の英語面接を受けるときも、
ペットボトルにミネラルウォーターが入っていると見せかけて焼酎。

視力を得るためにメガネを掛けるように、
話力を得るために酒を飲む。
この現象を、酒ブーストと命名します。

やりましたね!
これで俺は将来安泰ですよ!
酒ブーストで年収1億!ヒャホーイ!


カラオケパブは、家族で行くところではない

2006年09月23日 | Archive
 今、実家に帰っている。
夜に両親とレストランに行った。

「車は俺が運転するから飲めば?」

酒が飲みたそうな父親に、俺はそう言った。
俺がいるときくらい、車のことを忘れて気ままに飲めばいい。
最初は確かにそう思っていた。



 父は酔いやすい体質だ。

今日の父は明らかによく飲んでいた。
ビール2杯、紹興酒1杯、サワー1杯。
少なく聞こえるかもしれないが、
そこは俺の父親だ、すぐ真っ赤になって良い気持ちになる。

「カラオケに連れてってやるよ!」

この人が家族とカラオケとはまた珍しいと思っていたが、
指示されるまま車を運転しているとそこは歓楽街。

「ここだ。いいぞ、ここは」

なんだこれは。
カラオケパブと書いてある。
これは家族連れで行く場所じゃなくないか。

「いやいやこういうところが歌いやすいんだ。よく歌えるぞ」

席に着くと、世間一般的にはオバハンと呼ばれても仕方ない感じの
ホステスさんが席に2人ほどやってきた。
ドリンクなんにしますぅ?ってアンタ、オバハンやないかいっ!
俺は運転手なのでトマトジュースだ。

パブで自分の母親くらいの歳のオバハンと母親に囲まれてトマトジュースか。
これは奇特だ。誰がどの角度から見ても、奇特な状況に今俺は置かれている。


 ここが俺のステージだと言わんばかりに歌を唄う父親。
極度の居心地の悪さを感じて路頭に迷う俺と母親。

あぁ、やっぱり飲ませるんじゃなかった。

「おい、おまえも歌え!」

俺は「外大仕込みのレットイットビーを聴かせろ」という
わけのわからない挑戦を受けた。
唄いたくねぇよと固辞の姿勢を見せるも、両脇のオバハンが
明らかに必要以上に俺に体を近づけて
「いいじゃない、唄いなさいよおニィさん・・・」と勧めてくる。
いいか、アンタたちに勧められると唄うどころか帰りたくなるんだよ。

レットイットビー対決だが、
仮に俺が嫌々唄っても相手は酔っ払いのおっさんだ。勝利を収めた。
「大学に行かせた価値くらいはあったか」と言われたが、
オバハンに囲まれてそれっぽい発音でレットイットビーを唄うために
4年間の教育を受けたわけではない。断じてな。



 母親は最初こそ「こんなところで歌うのはいやだ」と言っておきながら、
俺の知らない古い歌を2曲ほど唄ったのち、
何か見覚えのあるタイトルの曲を入力した。
あの、浜崎あゆみの次の歌姫と呼ばれる人がカバーした曲だ。

カラオケの画面に踊る、キューティーハニーの文字。

目を疑った。
俺はひょっとして数分後には脳にショックを受けすぎてこの世を去っているのではないか。

母「おねがい~! おねがい~! 近寄らなひ~で~!

ああぁっ!
やっぱりだ!これはいかん、声が裏返っている!実に苦しそうだ!
あかん!あかんでこれは~!

母「わたしの~ ハートはぁ チュクチュクしちゃ~ふのぉ~!

俺はこの瞬間、誰にも聞こえない小さな声で
「なんやねんこれ」とつぶやいた。誰にも聞こえない、消え入りそうな声で。

母「イヤよっ イヤよっ イヤよ見つめちゃいやぁ~

家族の何気ない団欒のシーンだ。
たまにそんなことがあってもいいじゃないか。
これを読んでくれている皆さんはそう思うかもしれない。

母「ハニー、フラァッシッ!

想像してみるがいい。
こんなことが「たまに」あってはならない。
俺はマジでつらい。どんな顔をすればいいのかわからない。
母の声は無理に高くしすぎて線となって消え入りそうだ

母「今どき人気の女の子~ プクッとボインの女の子ぉ~

ほら2番始まったぞ、頑張れ俺、こんなところで負けるな


ロシアという国

2006年09月18日 | Archive
 吉野家が一日限りの牛丼復活祭をする前日、
俺は夜中にすき家に行ってテイクアウトの牛丼を買い求めていました。

するとかばんの中に、
覚えの無いボールペンと冷蔵庫用マグネットが入ってるんです。
なんだこりゃと手にとって、その異国情緒溢れるデザインを見てハッとします。
あぁ、これロシアの留学生がくれたやつだぁ、と。


 話は戻って9月6日。
留学生がノートパソコンの登録にコンピュータルームに来ました。
ロシアからの女の子の留学生です。

登録に必要なウイルススキャンをしてみると、
なんと賑やかなことに12個もウイルスが発見されたんです。
しかもどのウイルスソフトでも削除ができない。

「こりゃ登録できないわ。」

留学生のノートパソコンは、大学に登録されると
留学生用の寮でインターネットに繋げるようになるので、
ウイルスを抱え込んだままだと大学のネットワークにも支障を与えかねません。

登録を完了させるには、ノートパソコンの中身を全部消して
ウインドウズを再インストールする必要があります。
ノートパソコンの持ち主はおしゃれで可愛らしい女の子で、
再インストールが必要な旨を伝えると、

「今まで私がウイルス対策ソフトを入れてなかったせいだわ。
 ごめんなさい、私のせいです。」

と、とっても謙虚な姿勢で謝ってくれました。
いや、別に謝らなくてもいいんだけど。

おい、外大でファイナルファンタジー11ができないのはどういうことだ?
…などと怒り出すふざけた留学生と比べると、そりゃまぁ天と地ほどの差がありますがな。



 そんなこんなで10日ほど経ち、
やっと彼女のノートパソコンを綺麗さっぱり再インストールして
インターネットが使えるよう登録も完了しました。

それまでの間、彼女はまめに何度もコンピュータルームに足を運んでくれたので
何かと世間話もしました。

やっぱり一番俺が興味を持っていたのはロシアという国のことです。


「ロシアのどこから来たの?」

「サンクトペテルスブルグです。」

「あぁ、その街のことなら知ってるよ。きれいな街だよね?」

「そうですね。来たことはありますか?」

「いや、ないけど、是非行ってみたいよ。でも英語は通じないよね?」

「通じるわ。若い人は大抵英語が話せますよ。」

「そうなの?」

「そうです。」


俺の中にはおかしなバイアスがあって、
ロシアという国は相当閉鎖的で
英語なんて話せる人はあまりいないと思いこんでました。
そして皆分厚いコートを着て、白い息を吐きながら
降り積もる雪をブーツでワッシワッシと踏みつけて歩く。

そんな強烈なバイアスがあったのに、彼女と5分間話しただけで
俺の中のロシア像はガラガラと崩れ去りました。

ここで言い訳をさせてもらいましょう。
確かに俺はロシアに対して間違った認識をしていたけれど、
我々日本人が普段生活する中でロシアについての情報に触れる機会って多いでしょうか?

たまに北方領土がどうのとか、新しい通信衛星がどうのとか、
スホーイ戦闘機がどうのとか、そういう話題がちらほらと聞かれるだけで
ロシアに生活を根ざす人々の暮らしの像が全く伝わってこないんですよね。

何を食べているのだろうか?ボルシチとウォツカだろうか?
休日は何をするのだろうか?雪かきだろうか?ラウンドワンでボウリングではあるまい。
温かい季節はあるのだろうか?それとも年中雪に閉ざされた世界だろうか?

なぜイギリスやアメリカ、ブラジルなど遠く離れた国の情報は伝わってくるのに
隣国でもあるロシアの情報は伝わってこないのか。これ不思議ですね。

「もっとロシアについて知りたいな。」

俺が自然に出したその一言を、彼女は覚えていてくれたんでしょう。
後日、登録の終わったノートパソコンを持ち帰るためのカバンが無い彼女に
俺がリュックを貸してあげたんですが、返してもらう時に
何やらリュックの中に物品が入っていました。

「ノートパソコン登録の手伝いをしてくれた礼」と言って
サンクトペテルスブルグの絵葉書や栞をくれたんです。





 これには衝撃を受けました。
だって、雪が無いですからね。またひとつバイアスが打ち砕かれた瞬間でもあります。

これは雪国というか、まるでヨーロッパの街並みですよね。
なるほど確かに極めて美しいです。
この時、心の底から「いつかロシアに行ってみたい」と思いましたね。

後日、つまりさっきですが、
すき家で牛丼を買うときに気付いたリュックの中のボールペンは、
彼女が入れておいてくれたけど俺が気付いていなかった
他のロシアみやげだったわけです。


 「ロシア」と聞くと
ウォツカ・ボルシチ・サンクトペテルスブルグ・冷戦・雪しか浮かんでこない俺。
これは異常なんでしょうか?皆さんはロシアについてどれだけ知ってますか?

いつもはヒマすぎるコンピュータルームのバイトですが、
今回のこの経験は実によいものだったと言わざるを得ません。

ゴミを拾ってきましたですね

2006年09月01日 | Archive
 金曜日の夕方の話です。

4日間で35時間働いたストレスで、
仕事がひと段落したバイトを早めに抜けてバイクで枚方市内を流してました。

疲れてるので何も考えず、ただぼーっと街を前に進んでると
樟葉の河川敷に着いたんです。ここ風が良いからたまに来るんですね。






いつも使わない携帯カメラで汚い写真を撮ってみようと遊んでると、
草むらに何か銀色の球体が夕日に反射してピカリと光りました。

バイク用ヘルメットが無造作に捨ててあるんです。

なんだこりゃと思って手に取ってみると
昨晩の雨で中がびしょびしょに濡れていて、カビ臭いんです。
濡れたまま掃除用具入れに突っ込まれた雑巾のような、赤信号全開的なにおい。

でもよく見ると外観はそんなに汚くないんですよねえ。

そんなんだからダメなんですよ。遺棄物なら遺棄物らしく、
小汚い外観で見る者を不快にさせるような様相をしていないから
持ち帰って再利用しようと思ってしまうんですよねぇ。

気が付いたら公園の水場でバシャバシャ洗ってました。


 アパートに持って帰って来て、
さらに風呂場でせっけん付けてゴシゴシ洗うと、外観は新古品くらいになりました。

問題の中身ですが、シャワーで奥まで水をかけると
きったねぇアリの死骸がコロコロ出てくる

あぁ、やっぱり元あったところに戻してこようかな…。

そう思いつつもできる限り洗い流して、
ホームレスのヘルメットはいま、換気扇をつけた風呂場に鎮座しておられます。
このあとファブリーズをアホみたいに振り掛けて、
天日干し×10日くらいで実用域に達するのではないかと目論んでます。



まぁ正直、自分はあんまりかぶりたくないですね…。
正しい使用方法としては出所をヒミツにして友達にかぶらせるとかでしょうけど、
この記事を読んだ皆さんは果たして笑顔でかぶってくれるでしょうか…?
まぁ俺はヘルメットを拾ってテイクアウトして自宅で洗ったという
行為そのものに充足感を感じているので、かぶれなくてもいいんですけど…。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 そういうわけでです。どなたか枚方近郊にお住まいの方で、
日照条件が極めて良いという方おられましたら是非ご一報お願いします。
俺のアパートは東向きで朝しか日が当たらないので。

セミの幼虫

2006年08月29日 | Archive
 8月下旬。枚方市。
見たことの無い顔ぶれの留学生が街をウロウロし始める時期。

この一ヶ月間、マジで全くバイトも勉強もせず
ひきこもりどころかセミの幼虫のような生活を送っていた俺に
ついに社会復帰のためのメスが入った。

パソコン登録

日本に来たばかりの留学生たちのパソコンを
大学で使えるようにしてあげるためのハナクソみたいな作業だ。
400人の留学生たちが我先にとパソコンを持ってくるので
その作業現場はアルバイトを総動員しても混乱を極める。
あんな暇なバイトでも一応繁忙期はあったのだ!


 午前7時30分という普段なら眠りにつく時間帯に起き、
玄関を出て日光を浴びる。やめれぇぇ!俺様はセミの幼虫!日光に当たるには早すぎる!!
命からがらバイト先に着くと、ホイサホイサと留学生たちが
ワキにパソコン抱えてやってくる。あっという間に3~40台。

どれもこれもOSや機種が違ううえに、
イタリア語・スウェーデン語・スペイン語・韓国語など
電源を入れたが最後、消し方すらわからなくなる言語が盛りだくさんだ。

ウイルスが入っていないかスキャンするのだが、
ウイルスバスターに「스캔을 실행합니까」と韓国語で聞かれても
「僕の世界の中心は、君だ。」と書いてあるようにしか見えない!
最近の映画をわざわざ韓国人でリメイクしてんじゃねーよ!
こういう場合はわざわざ持ち主を呼んで一緒に作業をするので作業能率が一気に落ちる。

10時間フルで働いて、やっとひと段落ついた。
しかし今日はおよそ10日間続く地獄の一日目でしかない。
セミの幼虫には過酷すぎる労働だ。

四六時中「はやくかえってひきこもりたいなあ・・・」とばかり考えてた。
もし俺がこのまま社会人になったら確実に一週間で退社だ。


 ま、悪いことばかりでもないが。
忙しすぎて時を忘れる感覚は総菜屋でバイトしてた時を思い出せたし、
「ウェルカム トゥ ガイダイ!」とにこやかに言えば
留学生も嬉しそうな顔をしてくれるし、確かに悪いことばかりではない。

悪いことばかりではないが…
エブリデイ・フルタイム労働は幼虫にはツライとです。
さっき帰ってきたのに、あと数時間したら眠ってまたあの地獄へ駆り出されるでしょ?
そんなん今の俺に無理でしょ?1日働いて2日篭るくらいがベストでしょでしょ?

パソコン周辺機器いろいろ

2006年08月27日 | Archive
 新しいマウスを買いましたですね。




数あるPC周辺機器の中でも、
マウスやキーボードはべらぼうに安い類に入ります。キーボードとか千円からあるし。

PC周辺機器って大好きです。
ハードディスクとか、カード類とか、DVDドライブとか。
技術の革新で次々と新しいものが発売されるから、
店に足を運ぶたびに新鮮な気持ちがします。


 今一番欲しいのは、EIZOの液晶モニター。
サイズは19インチ以上のワイドがいいな。

ショウルームで24インチのワイドモニターを見せてもらったけど、
溜息が出るほど精細で美しい映像に惚れ惚れとしました。
トランペットの画像が表示されてて、楽器の持つ鈍い光や光沢が
まるで目の前にあるかのような、そんな臨場感があるんですねぇぇ。

外大にあるEIZOの液晶モニター、
あれは15インチの小さいやつだけど、あれも相当キレイです。
バイトしてる時に、真剣に「頼んだら一個くらいくれないかなぁ…?」と
考えてたことがあります。

パソコンモニターって、
何時間も見続けるものだからお金ケチらず良いものを使いたいです。
デルのモニターも普段の使用に何の不自由も無いですけど、
一度EIZOを使うとデルには戻れないと思います。


 あ、ちなみにマウスの話に戻りますが、
買うときは白は避けましょう。手垢が目立つんで。
え?手垢なんて付かない?あれ?俺だけ…?

奄美は俺を狂わせる

2006年08月24日 | Archive
 俺は今まで高知の海より綺麗な海を知らなかった。
友達が四国に遊びに来たら、必ず高知の海を見せてる。

早い話が、俺の中で"美しい海"の定義は高知の海だった。
が、今回、彼女と三日間だけ奄美大島を訪れて、その定義が覆された。

元はといえば「北海道いきたい!」という彼女の要望が予算オーバーで叶わず
その妥協案として奄美大島(北海道と方角が逆)に行くことになったんだけど、
こりゃ本当に大当たりだったよ。奄美にしてよかった。

この旅行ではどうやら俺の緊張感が足りなさすぎたようで、
3度に渡るエマージェンシーが起こった。
そのへんも踏まえて、写真を中心に旅自慢させてもらいます。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


第一章 一日目 ~ほころび~



 伊丹から90分。ちっこい飛行機で
鹿児島と沖縄の中間点に位置する奄美大島に到着。

レンタカーでデミオを借りて走ること5分。
早速目に飛び込んでくるエメラルドブルー!





さっそく草むらで水着に着替えて海へ飛び込んだ。
なんだこれは。水が透き通っているどころの騒ぎではない。
お風呂。これはお風呂だ。お風呂並みの透明度だ。
しかも水がぬるくて気持ちいい。サンゴのカケラがあちこちに沈んでる。貝殻も沢山。





ひと泳ぎして、また草むらで着替える。携帯がない。

俺「なぁ、俺ってホテルに携帯置いてきたっけ?ないんやけど」

彼女「えぇ?わからん。落としたんじゃない?」

俺「まさか。車にあるっしょ。」


車へ戻るふたり。そこに携帯はない。

俺「やっぱホテルに置いてきたんちゃうかな。」


既にエマージェンシーが起こっているとも思わず、デミオは岬へ向かった。
そこでも雄大な絶景が俺たちを待ち受けている。











俺「すごい…これはすごい…この光景をすごいとしか形容できない自分が情けない…」

そこへ、俺と共に呆然と目の前の景色に心を奪われる彼女の携帯に、着信が。

電話の相手「すいません。携帯拾ったんですけど。」

突き刺さすような彼女の目線。

聞けば、浜辺で俺の携帯が落ちていたので
この親切な男性が拾って、着信履歴に残ってた彼女らしき人物に電話をしてくれたそう。
この男性は親切にも携帯を近くのレストランに預けてくれ、
名も名乗らずに電話を切ってしまった。本当に親切な方だ。

俺「よかった…携帯見つかって…。」


その夜、スーパーの駐車場に車を停めようとした俺は
車止めで後輪のホイールを削った。






第ニ章 ニ日目 ~おびえ~



 二日目。奄美大島の目玉のひとつであるマングローブ林に出発する前、
俺はレンタカーの貸し出し規約を読んで血の気を失っていた。

相手がいる・いない、傷の大きい小さいに関わらず、
事故が起きた際は営業所に連絡してください(笑)
届け出が無いまま帰ってきたら、保険対応外になって
お金いっぱいいっぱいもらっちゃうんでそこんとこよろしく(笑)
あと、保険効かしても2万円は払ってもらうことになってます(笑)


若干脚色したけど、大筋ではそのようなことを書いてあった。
あわわ…どうしよう…!こんなつまらない傷で2万…?
とりあえず営業所に電話してみると、「帰るときに傷見せてね」という返答。
こえーよ。

マングローブ林への道中、
サクマ式ドロップをなめて鼻歌まじりの彼女を尻目に
俺は2万円あれば何ができるかについて50分ほど考えていた。


 そして、待望のマングローブ林!
ここではカヤックをレンタルしてスタッフさんと一緒にマングローブを探検できる。























知らなかったんだけど
マングローブというのは特定の樹木の名前ではなくて、
何かの規定で決まった珍しい植物が何種類か共生している森の総称だそうで、
"ジャングル"と同じようなものだ、という説明を受けた。

マングローブには海水が混ざっているので、
時には大きなマグロが迷い込んでくることもあるらしい。
おもしろかったのは、マングローブに生息するメヒルギという木は
葉っぱがところどころ黄色く変色しているんだけど、
これは海水の塩分をその葉っぱでろ過した結果なんだそうだ。

実に面白い!このマングローブ探検が、今回の旅行で一番楽しかった。
さすがに楽しすぎてレンタカーの傷のこともすっかり忘れてた。



 午後は、ホノホシ海岸という
海の侵食で砂浜が全て丸い岩石で構成されているというとっても珍しい浜へ行き、
夕方には海中観光船に乗ってサンゴ礁の見物に酔いしれた。


























実に綺麗だ。
島のどこへ足を運ぼうが、そこには必ず絶景がある。
どこにでも絵葉書になりそうな景色がある。



第三章 三日目 ~脱出~



 三日目を迎えた。

静かに朝食を摂り、島のあちこちでうまいものを食べ、
路上で野生の山羊にも遭遇し、リラックスした時間を過ごす。



鶏飯(けいはん)。ご飯の丼に鶏ささみ、金糸卵、しいたけ、みかんの皮などを乗せ、
鶏肉のゆで汁をかけたもの。お茶漬け感覚。



鶏刺し。レバー、トサカ、ハツ、ズリ。安い、うまい、新鮮。



パパイヤのフラッペ。








段々と車のキズのことなんてどうでもよくなってきた。
こんなに良い経験ができてるんだから、二万円の授業料くらい屁でもない。

今日は、彼女と楽しくゆったりした時間を過ごせて、
規定通り16時20分にレンタカーを返却し、
17時50分の伊丹空港行きの飛行機に乗れればそれでいい…。


 夕方、16時
最後の観光スポットとして、アヤマル岬という展望台へやってきた。
青い海に目を奪われる。最後の最後まで美しい島だ。








感動を胸に詰め込んだまま車に戻り、
レンタカーを返すためにガソリンスタンドへ向かう最中、
彼女が素っ頓狂な声で訊いてきた。

彼女「あれ?飛行機の出発時間、16時20分なん?」

俺「そんなわけないじゃん。あと20分しかないし。
  もしそうだとしたら大阪に飛んでいく飛行機を指咥えて見ることに」

彼女「だってここに書いてあるよ?」



俺は即座に車を路肩に寄せ、彼女の持つチケットを穴が開くほど見つめた。

出発時刻 16:20 出発時刻 16:20 出発時刻 16:20
出発時刻 16:20 出発時刻 16:20 出発時刻 16:20
出発時刻 16:20 出発時刻 16:20 出発時刻 16:20
出発時刻 16:20 出発時刻 16:20 出発時刻 16:20
出発時刻 16:20 出発時刻 16:20 出発時刻 16:20
出発時刻 16:20 出発時刻 16:20 出発時刻 16:20

俺「あっ、俺、時間勘違いしてたみたい…。」

そこから先のことはよく覚えていない。
人間、切羽詰ると処理能力が大幅に向上して普段できる仕事の3倍近く働ける。

デミオは新幹線のような速さで彼女を先に空港へ送り届け、
俺はガソリンも入れずにレンタカーを返し、
俺の慌てぶりを見た店員はキズの確認をするも

店員「あぁ…このキズならいいですよ大丈夫です治ります…
   うん…大丈夫…かな…これ…?うん…?」


…と甚だしく懐疑的な様子だったが、
無罪放免の許しを得た俺はデミオを超える速さで空港へ走り去った。
あの速さなら飛行機に乗らずとも90分で大阪へ帰れたかもしれない。
ガソリン代は法外な値段で請求されたが、飛行機に乗れないよりはずっとマシだ。
それよりも、ガソリン代の計算やその他の清算を極めて迅速に処理してくれた
レンタカーのスタッフの皆さんに何とお礼を述べていいものか…。

滑り込みで飛行機に乗り込んだ俺と彼女は
座席が全く離れ離れになってしまったが、そんな些細なことは二人とも気にしなかった。



エピローグ ~運~



 運が良かった。そう言うしかない。

失くした携帯は親切な人が拾ってくれた。
飛行機の時間の勘違いも彼女がギリギリで気付いてくれた。
レンタカーの傷も許容範囲内…で許された…?

そうだ。運がよかったのだ。

気分よく自宅のアパートに帰った俺は、
ボスベンリィの後部シートにこぶし大の真っ白な汚れを見つけた。





そうだ、俺はツいている。全てはウンだ。

俺はシートを風呂場へ持っていき、
「アホカラス、いつか焼き鳥にしてやる」と呟きながらウンを洗い流した。

まぁ、とにかく、奄美いいですよ。

SF脳

2006年08月16日 | Archive
 発作的にSFが読みたくなって、
「夏への扉」(ロバート・A・ハインライン)という本を読んだ。
SF小説の古典だからまずはこれを読めと言われた。
すごい探した。近くの本屋にはなかった。紀伊国屋ばんざい。

おおまかな内容は

友達に裏切られる

冷凍睡眠で30年後の未来へ飛ばされる

未来でタイムマシンを作ったえらいひとに会う

タイムマシンを使って30年前の過去へ戻る

(ネタばれなのでひ・み・つ)


…ってかんじで、SF色全開。

1957年の古い本だから、
1970年の時点でロボットが家事をしてくれたり、
2001年の時点で映画が立体映像になってたりしておもしろい。

1957年の昔から見れば、2001年なんて相当の未来に思えただろうな。
実際に未来っぽいのは、携帯とかパソコンの普及くらいで、
2006年の今は通過点に過ぎないと思う。


 この本は時間旅行モノの古典と言われてるだけあって
特に目新しい物語の流れがあったわけじゃないけど、
未来へ行くのに冷凍睡眠を使って、過去に戻るのにタイムマシンを使うのは
ちょっとおもしろいと思った。

だって、キテレツだってドラえもんだって、
行きも帰りもタイムマシン使っちゃうじゃない。あの人たちはラクしすぎ。

そう、もし現代に冷凍睡眠の技術があれば、
(お金さえあれば)俺も30年先の未来に行けちゃうわけ!
別に30年先なら冷凍睡眠使わなくてもじっとしてれば行けるとか細かいことは抜きにして。
タイムマシンは現実味ないけど、冷凍睡眠ならまだ可能性はあるんじゃない?

もし俺が冷凍睡眠を使って2036年に目覚めたら、

・両親のどちらかもしくは両方がいなくなってると思う。

・大学のアイドル的存在だったアノ娘が、ただのオバハンになってると思う。

・市町村合併が過熱しすぎて四国がひとつの県になってると思う。

・インドが凄まじい経済大国になってると思う。MADE IN INDIAが流行。

・家庭のテレビは未だに二次元。映画館だけは、映像が飛び出す3次元。

・エイズは意外と早いうちに解決されている。

・アルコロジーがある。


行ってみたいなぁ未来。
でもね、仮に冷凍睡眠で未来に行っちゃったら、過去へは戻って来れないかも。
「夏への扉」の作中でも、"冷凍睡眠は片道切符なんだ"ってセリフがあったきがする。

なら俺は、ひとしきり2030年の未来を楽しんだあと、
もう一度冷凍睡眠に入ろうと思う。今度は30年なんて言わず、300年といこう。
それだけ未来へ行けば、タイムマシンくらい本当にできてるかもしれない。
そこで未来の人に土下座して、330年前の2006年に帰らせてもらおう。

うわーすげー夢がある。SFっておもしろい。ハマりそう。


 高校時代にスタートレックにハマッてたくらいなので、
俺はSF的な話が大好きなのさ。

何かのテレビで
"911テロの瞬間に科学では説明のつかない速度で飛び去る飛行物体の影がある"
って言ってたけど、多分あれは未来人だね。

歴史が動く瞬間を、未来人が観光に来てるんだ。
普段は俺たちに気付かれないようにカモフラージュしてるけど、
あのときはヘマやっちゃってカメラに映っちゃったんだよ多分。

その他、テレビや雑誌で宇宙人のUFOとか騒がれてるのは
全部未来から来た人類説を唱えたい。


 …これを読んでる人、若干ヒいてない?きのせい?
「ついにかくぱいは日焼けしすぎておかしくなったか」とか思ってない?

昔はよかったけど、最近こういった話をじっくりできる友達がいなくて寂しい。
マジでみんなヒくからな。酒で酔ってるから大丈夫かなと思って話してもヒくからなぁ。


 最後に、俺が考えた名言を遺してこの記事を終えたいと思います。

"タイムマシンに乗って未来へ行きたい?
 君は既に乗ってるよ、一分間に一分だけ進むタイムマシンさ"

あれ?意味わかりませんか?ひょっとして迷言ですか?
俺やっぱり日焼けしすぎて頭おかしくなった…?