墨汁日記

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実弾

2006-01-16 20:51:38 | 旅行記
 俺が初めて実弾を発射したのは27歳の頃であったろうか。
 その頃、建築会社に勤めていた俺はフィリピンへ社員旅行。とかいう名目で、半分売春ツアーみたいな旅行に参加した。もちろん、売春は社員の自由行動で会社が計画したものではない。
 昼間はビーチでビール片手に昼寝。夜は中華料理をほおばりながらフィリピーナと過ごす。ある意味パラダイスでパライソで、なおかつ極楽で天国だ。
 が、俺は飽きっぽいので、さらなる刺激を求める。バナナボートやパラグライダーも良い。でも、心引かれるのは射撃だ。縁日の空気銃なんかじゃない、実弾が撃てるやつだ。この国でなら実弾を発射できる。ホテルのロビーで日本語のわかるタクシーの運転手と話していたら、良い射撃場があると言うのでさっそく案内して貰う。

 山奥の射撃場に行ったら地元の少年兵みたいのがガンとたわむれていた。迷彩ズボンの親父や銃をかついだ青年もいる。なんか雰囲気的にゲリラの射撃訓練場といった風情。
 最初に渡されたのはハンドガン。「ルパン」の銭形が持ってた例のアレだ。えーと、ガバメントだっけ。
 最初は、的に当てるつもりで撃つ。

 パン!

 銃声はなんともそっけもない破裂音。
 ズバンともズキューンとも聞こえない。単なるパンだ。
 最初の三発は、なんてことなく的のカンカラに当てた。以外に楽勝。ガンとたわむれていた少年もフィリピン語で誉めてくれた。
 しかし、残りの三発は駄目。
 硝煙で目がかすんでショボショボになり、狙いが定まらない。マジで硝煙は目が痛い。集中力的にも初発から3発目ぐらいめまでが限度だ。それ以上を当てられたらプロのスナイパーだ。
 次にライフルを渡された。正直もういいよと思ったが、撃ち心地だけは確認したいなと思って受け取る。少年兵が射撃のアドバイスをしてくれるが何を言っているのかわからない。
 米軍のMなんとかとかいう小銃だ。連発も出来るはずだが、設定が単発になっているらしい。引き金を引くと、やはりパンと乾いた音がする。

 パン!パン!パン!

 硝煙で目は痛いし、鼻水もたれてきたのでヤケクソで連発する。構えはマンガのゴルゴの真似。肩に銃のケツを押しあて引き金を引く。思ったよりたいした反動はない。当てる気もないし、狙ってもいないので全弾を全て外した。

 ハンドガンにライフル、両方のタマを撃ち尽くすのに15分ほどかかった。これだけの経験をするのに、タクシーの運ちゃんに1万円近く渡した。チップもはずんだ。
 高いんだか安いんだか。フィリピンは良く分からない。


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