墨汁日記

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ちくわ

2010-02-13 22:32:38 | お絵描き

 あれはもう7年近く前のはなし。あの日、ふと公園のベンチに腰掛けた俺は自分の右手の中指からペンだこがきれいに消えている事実に愕然とした。小学生の頃から毎日のように鉛筆を握りしめ落書きし続けていた俺の中指には大きなペンだこがあったはずなのに、いつの間にかその中指はきれいになっている。絵を描くのが日常だったはずが、今や仕事に追われ絵を描かない事のが日常になっている。その時に俺はその程度の人間だったんだと悟った。子供の頃からの漫画家になりたいという夢はその時に終了した。そして思った。俺はやっと無謀な野望から解放されんだと。正直、30才をこえて、もう俺は夢に絶望しかけていたのだ。やめられるならやめた方が楽だよなと俺はどこかで思っていた。そうコレから残りの人生は全て自由時間だ。夢をあきらめたとたん、早くも隠居生活がはじまる。気分的には死ぬまで『夏休み』みたいなもんだ。目標は無い。何をしてどう生きようが俺の勝手。そう、残りの人生は夏休み。何をしようかな、そうだ、せっかく時間もあることだし漫画でも描こうかな。この俺様にしか描けないような、いままで誰も見た事も無いようなものすごい漫画を。そして俺は「あれっ?」と思った。絵を描く事を本格的に再会したのはそれから4年後である

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