彼女が悪いわけでなく、その少女は手足をもがれくらやみに７年間とらわれた。糞尿にまみれ豚のえさ以下の食事にもう生きることに疲れきった頃。その音がいきなり聞こえた。普段ならとびらごしの看守が流しているラジオは耳をつんざくような雑音でしかなく五月蝿いだけだったのに、その音だけはまったく違っていたのだ。その音だけは彼女にもっと生きろとうったえかけていた。その音だけがこんな自分にさえ未来の可能性があるんだよとわたしのこころをゆさぶるのだ！その音のおかげで彼女はもう半年生きられた。そして、そのおかげで、現在は義手義足を与えられて今も生きている。
