バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.8 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン(周回)

2011-10-13 08:59:41 | 日記
前回練習したデヴロッペ・ア・ラ・スゴンド・アン・トゥールナン、スムーズに動けるようになりましたか?
ストゥーニュ・アン・ドゥダーンからルルヴェをするスタイルと、トゥール・アン・ドゥオールからピケで行うスタイルと両方、挑戦してみましたか?
どちらの場合も、進行方向とストゥーニュ・アン・ドゥダーンやトゥール・アン・ドゥオールでの方向転換の角度、デヴロッペで脚を上げる方向などを正確に丁寧に練習して下さいね。そうした方向性を適当にして動く癖が染みついてしまうと、様々なパと組み合わせることになったときにスムーズで美しい流れを作れなくなってしまいますよ。
今回は少し大きな動きに挑戦してみましょう。
グラン・ジュテ・アン・ナヴァンでフロアーを一周する練習です。
でははじめましょう。
上手前の位置で右方向に、プレパラシオンで右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・エファセ、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド。
→8 プレパラシオン⇒1 シャセ→2 グリッサード→3 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン・エファセ→4 右脚ドゥミ・プリエで着地→クぺ・アン・レール・ドゥスー→5 シャセ→6 グリッサード→7 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン・エファセ→8 右脚ドゥミ・プリエで着地→クぺ・アン・レール・ドゥスー⇒1 シャセ→2 グリッサード→3 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン・エファセ→4 右脚ドゥミ・プリエで着地→クぺ・アン・レール・ドゥスー→5 シャセ→6 グリッサード→7 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン・エファセ→8 右脚ドゥミ・プリエで着地→クぺ・アン・レール・ドゥスー⇒…
フロアーの広さにもよりますが、まず1周してみましょう。
それでは大切なポイントを確認していきましょうね。
クぺ・アン・レール・ドゥスーは右脚ドゥミ・プリエで着地したときに左脚はアラベスクの状態ですね。いったん着地した右脚で真っ直ぐに跳び上がって左脚を後ろに引きつけ、今度は左脚ドゥミ・プリエで着地して右脚をポワン・タンジュ・ドゥヴァンあるいはデガージェ・ドゥヴァンに伸ばします。
アームスはプレパラシオンで右アン・ナヴァン、左はア・ラ・スゴンドにしていますが、シャセで両アームスをア・ラ・スゴンドに開き、グリッサードをしながら左のアームスをアン・バに下げて、グラン・ジュテ・アン・ナヴァンのときにアン・ナヴァンに引き上げます。そしてクぺ・アン・レールのときに再びア・ラ・スゴンドに開きましょう。
シャセとグリッサードはあくまでも助走のパです。シャセとグリッサードの移動の大きさに比べてグラン・ジュテが小さくお粗末な跳躍にならないように気を付けましょう。強調するのはグラン・ジュテですよ。
グラン・ジュテのあとの着地では、トルソーが前のめりに倒れたり、下を向いたりしないようにしっかり引き上げておきましょう。大げさな言い方を敢えてするならば、その着地が次のクぺ・アン・レールのプレパラシオンになるということですよ。
クぺ・アン・レールは高く跳び上がる必要はありません。脚を入れ替えるための繋ぎのパです。両脚の膝と足首、爪先がきちんと伸びていれば十分です。
グラン・ジュテをするときにアン・ナヴァンに引き上げるアームスは、跳躍をリードするつもりで少し早く引き上げるといいですよ。跳躍が終わって着地の寸前になってからアームスが動くようでは、美しい空中姿勢を作ることは出来ませんからね。
最も初歩のことですが、シャセやグリッサードでは決して脚を引きずってはいけません。自分の足音にも気を付けてみるといいですよ。
グラン・ジュテのように大きな跳躍を連続して行うためには強い筋力が必要ですし、持久力も不可欠です。決して自分の身体の許容範囲を超えて無理な跳躍や乱暴な跳躍をしてはいけません。

ではもう一つ、グラン・ジュテでフロアーを周回するアンシェヌマンを練習してみましょう。

上手前の位置で右方向に向かって、右脚ポワン・タンジュ・デリエール・エファセ・クロワゼまたはアティチュード・ア・テール、アームスはアン・バ。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚からパ・ドゥ・→2 ブーレ・ドゥシュー→3 グリッサード→4 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン→5 左脚ク・ドゥ・ピエを通過して→6 パ・ドゥ・ブーレ・ドゥシュー→7 グリッサード→8 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン→1 右脚ク・ドゥ・ピエを通過して→2 パ・ドゥ・ブーレ・ドゥシュー→3 グリッサード→4 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン→5 左脚ク・ドゥ・ピエを通過して→6 パ・ドゥ・ブーレ・ドゥシュー→7 グリッサード→8 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン⇒…
いかがですか?
こちらのアンシェヌマンではグラン・ジュテを右→左→右→左と交互に跳んで行くことになりますね。
注意するべきポイントは先ほどと同じです。
どちらのグラン・ジュテについても、もちろんすべてのグラン・ジャンプについてもいえることですが、足元ばかりを見るように下に意識が向いていると十分にトルソーを引き上げることが出来ないまま跳んでしまって、着地する脚に過度の負担が掛かってしまったり、思わぬ事故を起こしたりすることもあります。慣れないうちは高く大きく跳ぶことが怖くて、ついつい下を向いてしまうことがあるかもしれませんが、怖いのならなおさらに意識と視線を上に向けてトルソーを引き上げるようにしましょう。