バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.5 ブリゼ

2010-12-20 09:41:04 | 日記
今回は跳躍するパの練習をしましょう。
ブリゼ(=brise)です。
砕けた、壊れた、打ち砕かれたという意味の言葉が元になった動きで、空中で両脚を打ち合わせて、しっかりと5番ポジシオンを守らなければなりませんから少し難しいパです。
アン・ナヴァンとアン・ナリエールがあり、その両方を交互に繰り返すブリゼ・ヴォレヴォレ(=volee)には連打というもともとの意味があります。

まず、アン・ナヴァンのブリゼを練習しましょう。先に動きの構成をご説明します。
右脚後ろ5番ポジシオン・クロワゼ、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド。
右脚を1番ポジシオンを通過させてエファセ・ドゥヴァン・デガージェにジュテ→左脚で跳び上がる→左脚を右脚の後ろに引き上げてエファセの5番ポジシオン・アン・レール→空中で両脚を入れ替え→右脚で着地→すぐに左脚を前に引き付けて最初と同じ5番ポジシオン・クロワゼに戻る
右脚をジュテして跳び上がるとき、トルソーは脚のほうに傾けます。
その場で上に跳び上がるのではなく、跳躍することで前方に移動します。
では、もっともシンプルなアンシェヌマンにしてみましょう。
右脚後ろ5番ポジシオン・クロワゼ、プレパラシオンでアームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド。
プレパラシオン→8 ドゥミ・プリエ⇒1 ブリゼ・アン・ナヴァン→2 右後ろ5番ドゥミ・プリエ→3 ブリゼ・アン・ナヴァン→4 右後ろドゥミ・プリエ→5 ブリゼ→6 ドゥミ・プリエ→7 シャンジュマン・ドゥ・ピエ→8 左後ろ5番ポジシオン・クロワゼ・ドゥミ・プリエ⇒1 ブリゼ・アン・ナヴァン→2 左後ろ5番ドゥミ・プリエ→3 ブリゼ→4 ドゥミ・プリエ→5 ブリゼ→6 ドゥミ・プリエ→7 シャンジュマン・ドゥ・ピエ→8 右後ろ5番ポジシオン・クロワゼ・ドゥミ・プリエ

5番ポジシオンで後ろ側の脚をエファセ・ドゥヴァンにジュテして跳び上がるとき、脚のほうに傾けるはずのトルソーが、背中が丸くなって後ろに引けていませんか?
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、エファセ・ドゥヴァンにジュテした脚の爪先の、さらに先の床に視線を向けるように、とアドヴァイスしています。たとえば、爪先の向こうに見える湖を覗き込むようなイメージ、でしょうか
ブリゼをして5番ドゥミ・プリエに着地したとき、トルソーはアン・ナヴァンの手のひらを覗き込むように少し前傾させますが、骨盤をしっかり立てて真っ直ぐにドゥミ・プリエをしましょう。中途半端に腰の引けたプリエをしてはいけませんね
5番ポジシオンの後ろ側の脚をエファセにジュテして跳び上がり、踏み切った脚を先にジュテした脚に引き付けます。決して先にジュテした脚を打ち下ろしてはいけません。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、あとから引き付ける脚で先にジュテした脚をもう少し押し上げるくらいのイメージで、と伝えています。

ブリゼの難しいところは、しっかりと5番ポジシオン・アン・レールで両脚を交差させないと、ただ軽く脚を空中に放り上げて擦り替えただけ、の動きにしか見えない点です。はじめはゆっくりのテンポで構わないのですから、両脚をきちんと交差させる練習を十分にして下さいね