劇場彷徨人・高橋彩子の備忘録

演劇、ダンスなどパフォーミングアーツを中心にフリーランスでライター、編集者をしている高橋彩子の備忘録的ブログです。

玉三郎『牡丹亭』と大正浪漫!?

2010-10-08 04:03:17 | 観劇
坂東玉三郎特別公演『牡丹亭』@赤坂ACTシアター



二年前に北京と京都で上演された崑劇公演だが、東京ではこれがお披露目となる。
原作『牡丹亭還魂記』を全て通すと10日はかかるそうだが、今回は抜粋上演。
坂東玉三郎が、中国の俳優たちの中で、中国語で杜麗娘を演じた。
幽霊との恋を忌むべきものとして描く『牡丹灯籠』と違い、元ネタともいうべき『牡丹亭』では
恋する者が生死を乗り越えて結ばれる。ゆるやかに流れる時間の中、
少女・杜麗娘と青年・柳夢梅との恋がほんのり儚く、かと思えば時には妖艶にも描かれるさまにうっとりした。

興味深かったのは色彩。きらびやかな京劇とはまた違う、パステルカラー風味の世界なのだ。
窓辺でまどろむ玉三郎の姿にふと、「ああ、大正浪漫みたいだな」と思った。
淡い夢みたいな色合いとまなざしが似合うのは、やはり日本では大正時代の絵のような気がする。

大正浪漫といえばこの人。 竹久夢二作。


また、蕗谷虹児の絵も有名だろう。
 少女雑誌などの表紙を多数飾った。


さて、せっかくなので、
牡丹亭のポスターと蕗谷虹児の絵を並べてみよう。

牡丹亭ポスター  蕗谷虹児の絵


どこか通じるものがあるのではないだろうか?

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