劇場彷徨人・高橋彩子の備忘録

演劇、ダンスなどパフォーミングアーツを中心にフリーランスでライター、編集者をしている高橋彩子の備忘録的ブログです。

鈴木ユキオ 金魚『言葉の縁』/桃に首ったけ

2009-07-25 23:27:48 | 観劇
鈴木ユキオ率いるダンスカンパニー金魚『言葉の縁』@シアタートラムを観る。


冒頭の鈴木ユキオによるマイム風ソロから、群舞、デュオなどがさまざまに展開していく。
この作品は、昨年アサヒアートスクエアで上演した『言葉の先』の発展版だそうで、
確かに見覚えのあるシークエンスが入っていた。

『言葉の先』よりもまとまっているが、その分、ややおとなしくなった箇所も。
また、踊り手の人数が増えた結果、どれだけ鈴木の動きを理解し習得できているかで、
各人の動きの強度や明瞭さに違いが生じていた。
金魚の主要メンバーである安次嶺菜緒はその点、際立った存在感を発揮した。

しかしなんと言っても特筆すべきは鈴木自身の、緊張感に満ちた無駄のない動きだろう。
研ぎ澄まされた感覚・感性が、その体を通して伝わってくるのだ。

いつもながら、音楽のセンスや動きの作り方もユニーク。
女性ダンサーが曲がった膝を手で伸ばそうとしては失敗し、反動から身を跳ね返らせる姿や、
息あるいは言葉があふれ出るのを抑えるかのように、口に手を当てる仕草が印象的。
全編を通し、制御不能な身体のあがきとでも呼ぶべきさまが脳裏に焼きついた。

かなりストイックに動きや空間の可能性を追求するタイプゆえ、
その作風は、万民受けするようなものではないかも知れないが、
身体と真摯に向き合っているのがわかるアーティストの一人だと思う。
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相変わらず、桃が「やめられない・とまらない」状態。美味し過ぎるんだもん。
友人からの電話でも食べながら話していたら思いっきり見破られ(聞き破られ?)、
「電話中に桃を食うな」と叱られた。そりゃ、そうだ。

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