大変なものを観てしまった。
ロメオ・カステルッチの『Hey Girl!』@にしすがも創造舎。
あの素晴らしさをどう形容したらいいのだろう?
少なくともこの写真では伝わるまい・・・
――テーブルの上で何かがうごめいている。
粘液のような粘土のようなものがゆるゆると床にこぼれ落ちていく。
やがてその中から少女の裸体が「誕生」。少女は立ち上がり、泣きながら太鼓を叩く――
と、ここまで書いてわかる通り、舞台について漫然と書き連ねても、
“わけのわからない前衛演劇”の陳腐なパロディのごとき印象を与えてしまうばかりだ。
だが『Hey Girl!』は鳥肌物の傑作。
では何がこの作品を、傑作たらしめているのだろうか?
身も蓋も無い言い方をすれば「センス」だろう。
音、光、オブジェ、身体・・・すべてのコンポーネンツを組み立てる際の、
カステルッチのシャープ過ぎる美的感覚に、心底から恐れ入った。
なんだかもう、目見張りっぱなし、瞳孔開きっぱなし。
思わず「まじでやべえ」とか口走りそうな・・・!!
人間というものは信じられない光景を前にすると、
ほとんど言葉を失ってしまうのである。面目ないっ。
よって、しかるべき言語化は後日行うとしても、
今はただ若者的(!?)に、この新鮮な驚きの中へ身を浸すことにする。