5月22日(月)、この日の3限目は、オープンカレッジ(地域の一般者向けの講座)で、眉山のふもとの大滝山を訪れました。主目的は、その中腹にある石碑見学です。例によって、「滝の焼餅 和田の屋」でお茶を一杯いただいたあと、大学に戻る途中に春日神社を写真に収めました。天気は快晴で、夏の様なぎらぎらした日差しで、顔も焼けました。
改めて神社の入り口の彫り物を見たら、あまりに立派なので驚きました。普段、あまりここまで目に入りませんが、今日は石碑をいろいろ見ていたせいか、細かなところに目がいきます。雲の中を動き回る龍、そして空に飛びあがろうとする鳳凰。
この神社は、毎年女性デザイナー2名による、干支を表現した巨大絵馬が奉納されるので有名です。酉歳の今年の絵馬はまだ見ていなかったのですが、思わず目に飛び込んできました。横幅は3mほどあるでしょうか。なかなか迫力のある鶏の作品です。遠近法を上手に使って二羽の鶏が、奥から前に歩いてくるように見せています。廊下の木目の表現もなかなかの優れものでした。
かつて地球は恐竜の王国でした。そのころ、哺乳類はまだネズミのような小さな生物で、どちらかといえば恐竜の餌になっていたのです。恐竜に食べられないように夜行性になって、物陰でひっそりと生きていました。ところがある時期に、地球に隕石が落ちたかして、急激な気候変動で大きな恐竜は滅びてしまいます。強敵のいなくなった後に哺乳類は進化を始めます。ついには現在のように人間が支配する星となりました。でも恐竜は完全にいなくなったわけではありません。小型恐竜の一部が鳥に姿を変えて、今も堂々と地球の生物の中でかなりの分量を占めて生き残っています。
鶏は人間に飼われていても、決して卑屈にはならない生物です。実家でも昔、鶏を飼っていたのでわかりますが、堂々と自分たちの生命を主張します。雄鶏が大地を踏みしめて時を告げている姿には、神々しささえ感じることがあります。それは、かつて地球の王者だった過去を今も忘れていないかのようです。小鳥でもあの小さな体で、大音量の鳴き声を出して縄張り宣言をします。美しい生命体だと思います。
幼少期から、鳥には興味があって、卒論で選んだ書家も「鳴鶴」の雅号を持つ人で、今は自分の雅号にも「鳩」の字を付けています。
鳥のから揚げを美味しく頂く時も、そんないろいろなことが頭をよぎって、不思議な気持ちになることがあります。