ちょっとピンぼけ/倉敷界隈

日々の記録。見たり、聞いたり、買ったり、食べたり。

今日の見もの(由紀さおり 1969)

2013年06月14日 18時23分33秒 | 見もの

「1969」 由紀さおり+ピンク・マルティーニ
市立図書館蔵

アズナブールといえば、若い人はシャアだろうが、私たちには由紀さおりだ。

由紀さんの全盛の時を私は知っている(と思う)。何を持って「全盛」というかは問題だが、TVの歌番組で彼女の歌が流れ続け、名曲と言われる曲の生まれた時期を知っている。

それからしばらくして、お姉さんと一緒に童謡や唱歌を歌っているのを見て、売れなくなった彼女が路線変更して居場所を見つけたのかと失礼なことも考えたのも事実だが、その二人の歌声を聴いて、由紀さおりの声・伸びの方がお姉さんを圧倒しているのを目の前にして、やはり彼女は本物だなと思っていた。そんな時に飛び込んできたのが彼女とマルティーニの本作で、世界的に彼女のCDが売れていると聴いて嬉しくなった。先日何となく図書館を検索していたらこのCDがでてきて早速予約してみた。

実は私は、「1997年にトーマスが米国ポートランドの中古レコード屋で偶然見つけた由紀さおりの『夜明けのスキャット』のジャケットのヴィジュアルに魅せられたことがきっかけで、後に由紀さおりとトーマス・ローダーデール率いる12人編成のジャズ・オーケストラ=ピンク・マルティーニが共演しアルバムで共演~このCDの誕生へ」となったという逸話だけを知っていて、このCDの内容まではよく知らなかった。だからこのCDも1969年からの彼女のヒット曲集、あるいは当時のオリジナルアルバムの復刻+コラボ=新CDぐらいに思っていたのだが、実際には全く違っていた。

曲目を書くと

01 夕月 [黛ジュン]
02 真夜中のボサ・ノバ [ヒデとロザンナ]
03 さらば夏の日 [映画音楽 フランシス・レイ]
04 パフ(ザ・マジック・ドラゴン) [ピーター・ポール&マリー]
05 いいじゃないの幸せならば [佐良直美]
06 ブルー・ライト・ヨコハマ [いしだあゆみ]
07 夜明けのスキャット [由紀さおり]
08 マシュ・ケ・ナダ [セルジオ・メンデス&ブラジル'66 ]
09 イズ・ザット・オール・ゼア・イズ ?[ペギー・リー]
10 私もあなたと泣いていい ? [兼田みえ子]
11 わすれたいのに [ザ・パリス・シスターズ]
12 季節の足音 [新曲] 詞 秋元 康 曲 羽場 仁志 作

これは英国盤で、日本版とは曲順のみ違っている。

見てわかるだろうけど、彼女の曲は夜明けのスキャットだけだ。名曲の一つは手紙だと思うが、それが入ってない。その代わりにブルー・ライト・ヨコハマとか、いいじゃないの幸せならばなんて曲が入っている。つまりこの曲集はピンク・マルティーニが絶賛した彼女の歌唱で、あの頃の名曲を歌って欲しかったCDととらえたらよいのではないか。彼らが、当時の日本の歌謡曲を非常に評価しているということだろう。

どこで見たか忘れたのだが、このCDは「1969年に発表・もしくはその時代を象徴する名曲を洋邦問わずカヴァーする」というコンセプト」でつくられたと書いてあった。それならなるほどと頷けるってもんだ。

どの曲も彼女のすばらしい歌唱で仕上げられているのだが、やはり私としては夜明けのスキャットのようなオリジナル曲を聴きたい。そう思う人も多いようで、「11月初めのiTuneジャズ・チャートでアメリカ1位、カナダ1位、シンガポール16位、ギリシャ65位を記録するなど、世界中でヒットしている。」にもかかわらず、たぶん日本が一番売れてないんじゃないかと思う。私もこれを聴きながら、彼女のベストアルバムがあるなら手紙を聴きないなって今思っているのである。

子どもの時の自分にとって由紀さおりはキレイなおばさま(ホントは若いお姉さんだったのだろうが、子どもにとってはおばさまだった)だったが、今でもほとんど変わらないおばさまなのは、ホントにキレイな人なんだからなのだろうなと思う。

あ、そうそう、手紙に出てくるアズナブールってたぶん(いや間違いなく)シャルル・アズナブールだろうね。シャア・アズナブールの名前もそこからとったのでしょうか。まぁ違うだろう・・。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。