嘘つき公安委員長<本澤二郎の「日本の風景」(4355)

<「真似してると安倍晋三が迷惑するぞ」と神道・日本会議からクレーム?>

 二之湯智という政治屋のことを初めて知った。国家公安委員長だというからには、警察の裏金作りの大親分である警察庁長官を指揮監督する立場だから、その責任は重い。公安というと、何やら右翼と左翼を泳がせて、甘い汁を吸っている組織と勘違いする国民も少なくないらしい。

 その国家公安委員長が、選挙の際の買収事件を追及されている。京都の自民党で内紛が起きて、内部告発されて買収が表面化したものか。突然の事件発覚で、水面下の動きは分からない。

 昨日の国会では、買収を否定する嘘を繰り返したようだ。安倍晋三の二の舞で逃げ切る腹積もりと、誰もが感じた。「安倍が出来たことが出来ないわけがない」と開き直っているのだろうか。

 安倍の心を忖度すると「俺の真似をするな」である。果たしていつまで続くのであろうか。予算成立が遅れる。まともな野党であれば、ここはとことん追及する責任が、国民に対してあるのだが。ただし、反共翼賛議会に組み込まれてしまった野党に、その力があるのか。

 二之湯の息子も参院議員になったという。石原や中曽根をまねた税金泥棒の仲間なのか。しかも、極右で戦前の国家神道・神道政治連盟の公認でバッジをつけた。そろって極右の親子らしい。

 

<潔く「愚かな有権者を買収するための資金」と白状すべきだ!>

 自民党の多くの議員は、大金を武器にしての買収選挙で、国会議員になっている。政党助成金だけでも、物凄い大金だ。河井事件はそうして起きた。安倍の犯罪である。特に世襲の輩は、どこに資金を流し込めばいいのか、ルートが特定している。

 事前に、ある程度の票読みもできる。安心して選挙戦を戦える。浮動票作戦はむしろ余分で、投票率を上げる効果だから、最初から無視している。その分、公明党創価学会に依存することになる。

 いずれこれが政界大波乱の爆弾となろう、信濃町工作資金・買収事件である。中枢幹部の秘密口座を暴くことで、容易に証明されるだろう。この10年の極右・先祖返り政治は、これから墓暴きが始まると見たい。

 それはさておく。二之湯は正直に「買収資金だった」と自白したらいい。

 

<警察庁長官・中村格を指導する資格なし>

 安倍流で逃げ切ろうとすれば、TBS強姦魔を救済するという重罪をてこに、警察庁長官になった中村格を指導・監視する資格などあろうはずがない。

 日本を駄目にした元凶には、霞が関の腐敗がある。其れなりの知識・頭脳の集団である、官僚群の腐敗である。其れなりに全体の奉仕者足らんとしていた機能が、完全に喪失してしまった。いわんや地方の小役人に、倫理は無縁である。最近では、袖ヶ浦市の放射能問題に対する役所の対応が、見事に証明してくれた。

 今回の二之湯の国会答弁から、腐敗の警察庁に変化は期待できないということであろう。厳しくも悲しい現実である。

 

<泉下で野中広務が泣いている!>

 かつて自民党が下野したことがある。同党の右翼は後退して、リベラル護憲派の河野洋平を総裁に担いで、小沢一郎の与党に対峙した。小沢の繰り出す弓矢に対抗する自民党議員はいなかった。正しくは一人いた。

 

 京都の野中広務だった。現在は麻生派に所属している森英介が、野中の存在を知らせてくれた。それまでは、池田勇人を支えた風流を好む粋人・前尾繁三郎の後継者となった野中のことを知らなかった。彼の隠れた特性も。慌てて注目したものだ。彼も護憲リベラルの人だった。元法相の前田勲男は「角さんが見つけたんだよ」と教えてくれた。

 なんと二之湯は、野中のもとで政界に飛び出した人物だった。ならば潔く政界を去るしかないだろう。野中が泉下で泣いているではないか。

 野党も野党だ、急ぎ二之湯問題を処理して、アベノミクスをおだて上げてきた、太田ショウコウの国交省データ改ざん事件を始末をつける時であろう。こっちが重大だろう。コロナ騒動にかまけて居られるか!

2022年2月15日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

 

(時事)自民党京都府連が国政選挙の公認候補から集めた資金を地元の地方議員に配っていた問題をめぐり、立憲民主党は14日の衆院予算委員会で、買収に当たる可能性があると主張し、選挙前に寄付していた二之湯智国家公安委員長(参院京都選挙区)を追及した。