詩人PIKKIのひとこと日記&詩

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ウクライナ 反戦な家づくり

2022年02月14日 | 四要素論

ウクライナ

「戦争はいらない」掲出問題なし ウクライナ選手にIOC
2/13 共同通信
 
国際オリンピック委員会のデュビ五輪統括部長は13日、ロシアと緊張状態にあるウクライナのスケルトン男子選手が北京冬季五輪でのレース後に「NO WAR IN UKRAINE(ウクライナに戦争はいらない)」と書かれた紙をテレビカメラに向けて掲げた行為について、IOCは問題視しないと明言した。
(引用以上)
 
このニュースを見て、「けしからん」と思った人はあまりいないだろう。
自国で戦争は要らない という訴えに、この選手の政治的な立場がどうであろうと賛同する。
 
ところで、先日の衆議院本会議で、こんなあった。
 
国会でウクライナ決議採択 れいわ反対で全会一致ならず
2/9FNN
 
ロシアとの緊張が高まるウクライナ情勢をめぐり、国会では、「状況を深く憂慮し、力による現状変更は断じて容認できない」などとする決議を衆参両院で採択した。
 
自民党・宮沢洋一議員「ウクライナ国境付近の情勢は、国外勢力の動向によって不安定化しており、緊迫した状況が継続している。いかなる国であろうとも、力による現状変更は断じて容認できない」
8日の衆議院に続き、9日の参議院本会議で採択された決議では、ロシアを名指しで非難することは避けつつ、「ウクライナ国民と常にともにあることを表明する」と連帯を示した。
また、日本政府に対しては、国際社会と連携して、緊張の緩和と平和の実現を目指すことを求めている。
一方、れいわ新選組は、「状況の悪化を後押しする決議になりかねない」として反対し、全会一致とはならなかった。
 
あれ、れいわ新選組は反対?
なんだよ どーなってんだよ と思った人も多いかも知れない。
 
決議案の全文はこちら
 
ウクライナを巡る憂慮すべき状況の改善を求める決議案
(第二〇八回国会、決議第二号)
 
 
ウクライナは、EUとロシアの間に位置することから、地政学上、地域の安定を実現する上で重要な役割を担っている。我が国は、ウクライナの主権と領土の一体性を一貫して支持している。そして、同国の民主化・自由化を推進し、地域の平和と安定に寄与するために、G7をはじめとする国際社会と協調しつつ、同国に対する支援を行ってきている。
そのような中で、昨年後半以降、ウクライナ国境付近の情勢は国外勢力の動向によって不安定化しており、緊迫した状況が継続している。
本院は、こうした状況を深く憂慮し、自国と地域の安定を望むウクライナ国民と常に共にあることを表明する。いかなる国であろうとも、力による現状変更は断じて容認できない。そのため、関係する国々に対し、外交努力を通じ、地域の安定が早期に回復するよう求める。
政府においては、本院の意を体し、国際社会とも連携し、あらゆる外交資源を駆使して、ウクライナの緊張状態の緩和と速やかな平和の実現に全力を尽くすことを強く要請する。
右決議する。
(引用以上)
 
私がこの決議文で気になったのは、黄色いマーカーを引いた2箇所だ。
まずG7。これは従来のG8からクリミア問題を理由にロシアを排除したもの。文中ではロシア名指しを避けているが、G7の一言で実質的にロシア非難決議になっている。
 
それと「自由」だ。自由そのものが悪いのではなく、ウクライナで「自由」というのは特別な意味があるからだ。
スヴォボーダ、全ウクライナ連合「自由」という政党がある。2014年の政変時には平和的なデモを暴動に扇動し、暫定政権では中枢を担ったネオナチである。
 
どっかの国で、日本の「自由民主」を支持する、なんていう決議があがったら、日本人はどう受け取る?
自民党応援としか思えないはずだ。
決議文の提案者は日本ウクライナ議連なので、そうした事情を知らないわけがない。意図的な暗喩にちがいない。
 
そんなわけで、れいわ新選組が反対したことにはまったく異論はない。
参考までに、れいわ新選組の声明はこちらのリンクから見ていただきたい。
 
 
その上で、私がウクライナを思うときに、まず浮かぶのは「棄民」という言葉だ。
ソ連が崩壊したとき、ウクライナが独立した最大の理由は、チェルノブイリだった。石棺と化しながら放射能を流し続けるチェルノブイリ原発を、未来永劫管理し続ける運命を背負わされてソ連から捨てられたように、私には見えた。
 
そのウクライナが、今また大国のパワーゲームの狭間でもてあそばれている。
現在のウクライナ政府は、2014年の米国が後押しした政変の後継であるだけに、米欧よりかのように思われているが、必ずしもそうではない。
 
 
ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアによる侵攻が迫っているとするアメリカ政府の見解について、「こうした情報はパニックを引き起こすだけで我々の助けにはならない」と指摘しました。
(引用以上)
 
ウクライナ国内の情勢は複雑で、何につけ断言が難しいけれども、ウクライナ国民の困難の歴史と、今なお大国の板挟みになりながらギリギリの道を探る様を見ると、決議案の中の「ウクライナ国民と共にある」の部分だけは、れいわ新選組の見解とはちがって、私は同意したい。
 
ウクライナ
実を言えば、2014年から8年間、ほとんど意識してこなかった。
ゼレンスキー大統領のことも知らなかった。
 
不純な動機の決議だったけれども、これをきっかけにもう一度意識の上らせることができた。
毎日の目の前の業務に追いまくられる日々の中で、知ること、考えるを諦めてはいけないなあと、実感した次第。