ぴあピアノ教室 in 目白

豊島区目白にある
小さなピアノ教室のページです。
日々の出来事を綴っています。

ラン

2009-09-25 09:27:20 | 
「ラン」森 絵都。

この作家さんの本を読んだのは初めて。

森 絵都。「知らないなぁ~」なんて思いながらプロフィール見たら、
講談社児童文学新人賞やら、路傍の石文学賞やら、
たくさんの賞をとっていた人だった。
そして、直木賞受賞作家だった。
全然知らないなんて!

「ラン」
一言で言えば、面白かった。

この作家さんの本。きっとこれから読みまくるだろう。

面白いという表現は適切でないかもしれない。
人の生きるということに対する思いが、それぞれ違っていて、
それをとても温かく描いていて、どの人にも共感できた。
登場しているキャラクターは、どの人も個性的。
でも、みんながみんな、自分らしく迷いながら生きている。

生きる意味をなくしている環は、
死の世界にいる家族に会うためにひた走る。
そして走って走っているうちに、
生きることに前向きになっていく。
環が前向きになればなるほど、
家族は安心して成仏し、環が足を踏み入れられない世界へと昇っていく。
(悲しいね)

人間、色々不幸な面を抱えているけれど、
そこからどうやって生きるかが大事なんだ。
自分の不幸な面に寄りかからずに…。

仲間に出会う前の環は、とてもとても閉鎖的な人間だった。
誰とも深く付き合わず、できるだけ人を避けていた。
渋々だったけれど、人と関わるにつれて、
面倒なこともたくさん出てくるけれど、
人と繋がり、だんだん自分らしくいられるようになっていく。

自分とは違う世界の人。
と感じる人って、周りには結構いるけれど、
きちんと付き合っていくことで、
相手のことがきちんと分かって、
第一印象とは実は全然違う人で、
同じように悩みを抱えて生きる仲間なのだと分かることがある。

避けてばかりいては、その人の本質は分からない。
自分を分かってほしいと思うなら、
まずは自分が歩み寄らなければ。

そんなことを感じた。

ただ、「ラン」の中にはそんな思いだけではなく、
もっといっぱい、色々な感情が溢れている。
読み終わった後に、あったかい気持ちになれる。

よかったら、読んでみてください。




コメント
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