ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

作家はキャラの運命を変える事があるのか?

2006-07-04 21:43:52 | Tolkien・おたのしみ
指輪物語で,果たして運命の「予定」を変えられたキャラクタはいるのかをまとめてみたくなりました。何故唐突にこんな記事を書く気になったかというソースは,ネタバレブログAmon Gwarethこちらの記事です。一応,指輪物語には関係のない話なのですが‥‥,まあ勇気のある方(笑)は,その理由を確かめて頂いてもよいですが。。。

いや,もちろん,この記事の話はそのネタバレ記事とは直接何の関係もありませんので,ご安心を。

いろいろ思い出してみましたが,とりあえず,正式版で命を落とした主要キャラクタは,ボロミア,セオデン,アングマールの魔王,デネソール,ゴラム,サウロン,サルマン,蛇の舌です。また,死にはしなかったけど,死にそうな目に遭ったとか死んだと勘違いされたキャラクタもたくさんおります。ガンダルフ,フロド,ファラミア,エオウィン,メリーですね。

さて,この主要キャラクタ達,トールキンさんが果たして「予定」を変えた事があったのかどうか。サウロン,アングマールの魔王はデフォルト,ゴラムについても,こんな初期からトールキンさんは彼を滅びの山の噴火口に突き落とすつもり(ひぇ~残酷~;)でいたようなので,置いといて。。。早速調査開始。

で‥,早くもとんでもない事実に行き当たりました。実は何とトールキンさんは,ホビットの誰かを殺すつもりでいたんですね。(汗) HoME7巻 A Story Foreseen From Moria(1)(2)(3)で示された初期のプロットでは,サムを滅びの山で殺すかどうか迷っていたようでした。さらに毒牙はピピンにも。彼は何かホビットらしくない(勇敢な)行いをしてその後‥‥という計画がありました。(汗;)

ボロミアに関する「予定」も相当変更されています。フロドから指輪を奪おうとする設定は最初からあるのですが,そのままミナス・ティリスに行き,実はそこでアラゴルンとタイマン勝負をする予定だったのですよ。しかし,フロドとのそのシーンを書いていたある日,突然ボロミアの運命が変わり,‥それは物語のその後を大きく変えてしまう事に。。。。

サルマンについては,トールキンさんは最初殺すかどうか迷っていたようです。HoME8巻,1-IV章,Flotsam and Jetsamには,ガンダルフにやらせるのかどうかと自問している下書きまで存在します。

フロドについては,先ほどのゴラムの運命と一緒に書いてありますが,最初から,シャイアに戻った後しばし平和な日々を過ごして西へ行く事が決まっていたようです。ただ,サムの運命が決まったのはもっとずっと後の事のようですけどね。

こうしてみると,トールキンさんは,結構臨機応変にキャラの運命を変えていたんですね。なるほど。

HoME8 2-V Faramir (9)

2006-07-04 21:04:42 | Tolkien・HoME
余談ですが,私の働く業界で好まれる理想のリーダー像は,「オレについて来いっ!」ってボロミアタイプより(そういう人は営業などでは好まれそう),穏やかに人の話をうだうだ聞き,自分自身もうだうだ話をしながら,相手の心を読みつつ,適切な判断をしていくというファラミアタイプのようです。(笑)

エルフの話をしていませんだ~というサムに対するファラミアの返答,発展途上の下書きだそうです。
<下書き>
「(もしミスランディアやエルロンドと話をしているならご存知と思うが)ヌメノール人はエルフの友であり,Gnome達に協力して最初の戦いを共にし,上のエルフが住む場所に近い海上の王国を賜ったのだ。しかし中つ国の中では,人間とエルフの間は人間を買収しようとする敵により(ヌメノールの人々は別だが)疎遠になっていった。海を渡らなかった彼らは,エルフ達を恐れ疑うようになった。そして人々は黄金の森を恐れ,見て見ぬふりをするようになった。しかしゴンドールには僅かにエルフの友が残っている。古代の王は半エルフだった。エアレンディルの息子でエルロンドの兄弟であるエルロスもそうだった。そしてエレンディルの家系はエルロスの若い方の家系と言われる。ゴンドールの中にはいくらかエルフと付き合いのある者もいる。(何人かは黄金の森から戻ってこないが) 我々はエルフの言葉を理解する事ができる。」

「でもあなた様は共通語を話しておられるだ。我々のように,もしくはちょっと古い言い回しだが。」
「そうだ,それは我々の言葉だ。共通語と言われているが,元々はヌメノール人の言葉で,べレンもトゥーリンもエアレンディルも使っていたものだ。(この言葉は,いろいろな種族に広く伝えられている。)しかしヌメノールの王侯はノルドールのGnomeの言葉を使っていた。通常は我々はその言葉は使わないが。という事で,古い時代にはエルフ名が与えられている。エレンディル,イシルドゥアなど。現在も場所の名前,男女の名前に使われている。デネソール,マブルング,その他もそうだ。」
</下書き>

この大将の話,どこまでが正式版通りでどこから正式版には採用されなかったのか,と思いましたが,意外と正式版に近いような,違うような。。。。(笑) ところで,()が結構多いのですが,ここで前からずっと気になっていたある事が。。。。大将正式版のどこかで,カッコ付きで(うちの父は○○代執政だが)というようなセリフがありましたが,もしかすると,カッコ取り忘れだったりとか。。。(笑)

次の下書きはサムの「共通語を話しておられるだ」に対する返事が少し変化してます。
<下書き>
「もちろん,それは我々の言葉で,おそらく,そなた達の住む北の国より古い形をよく伝えていると思うが。共通語と言われているが,元々はヌメノール人の言葉だ。しかし,3つの家の時代からは変化している。この言葉は,広く伝えられているが,エルフの言葉ではない。全ての人間の言葉はエルフの言葉から来たものだが,それは始まりの時だけだ。ヌメノールの王侯はノルドールのGnomeの言葉を知っていた。ヌメノールの血を引く者は,それを少しずつ変えながら受け継いでいる。町や野や丘や川など場所の名前,男女の名前に使われている。マブルング,ダムロド,私自身の名前,そして,父デネソール,その他もそうだ。」

「あなた様がエルフの事を悪く思ってねえでよかったです。素晴らしい人達ですだ。そして黄金の森の奥方ガラドリエル様は。。おらはただの庭師なんです。。」
</下書き>

この後,サムがうっかりボロミアが指輪を‥と,言ってしまうシーンに突入なのですが,それはまた後で出てくるそうです。

ナルニアSEE?

2006-07-04 01:40:03 | ナルニア・C.S.Lewis
もう寝ようと思っていたら,すごいニュースが飛び込んで参りました。日本版がまだ発売してないっつうに,ナルニアSEEの噂です。ソースはこちら。(来年8月に,Prince Caspianが公開されるという事も言ってます)要は,2月辺りには,そんな準備はしてないと言っていたのだそうですが,通常版のDVDが十分売れているのを確認して,SEE版を出す事にしそうだとの事です。詳細はもうすぐ出そうですので,待ちましょう。

ルーシーを抱きしめるシーンが入っているといいですね~。(いやとにかく,それが気になっていたので)


The Farthest Shore 読書 (11)

2006-07-04 00:22:29 | ゲド戦記・Le Guin
映画版ネタバレちょっとあり,要注意。

Orm Embar (1)
最近,本屋さんなどでポスターを見ることが多くなりましたが,実は原作を読めば読むほど,物憂げなArrenときりっとしたTeruのポスターのイメージから遠ざかっていくような気がするんですけど‥(汗;) で,ついつい覗いてしまった映画公式サイトの「ストーリー」あれあれ?やっぱ原作と随分違う~(汗) あ~あ,最初心配した通りだわ。

でも,宮崎駿監督は,息子さんの仕事に対して「素直な作り方で、よかった」という感想をおっしゃったそうです。(ソースはこちら)親父が息子にそう言うって,一種最高の褒め言葉じゃないですか。映画は映画で期待してよいのでしょうかね。

さて,原作読書,お話の方はようやくドラゴンの登場です。いよいよ「人と竜がひとつになる」時が近づいてきたのでしょうか。

この頃のGedは,ドキッとするような発言を。。。でも,ガンダルフはこんな事は言わなかったでしょうが,Ged以降のファンタジーでは,むしろこういう賢者の方が多いかもしれません。


Run!Run!Run!