ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME6 : XXII Uncertainties and Projections (2)

2005-08-26 22:40:49 | Tolkien・HoME
注意:この章の話はトールキンさんのメモに基づいていて,しかも私がさらに省略したりしていますので,一生懸命読んでいると論理的な首尾一貫性を欠いている事が少なからずありますので(^^;)ご了承下さい。

トールキンさん「これはダメ」とメモった後に次のような文章を書いています。

<本文>
彼(ビルボ)はポケットまさぐって鎖をつけた指輪を出します。そしてそれをほどいて,手のひらに乗せます。そして「これだよ!」とため息をつきます。フロドが手を出します。ところが彼はそれをポケットにしまってしまいます。彼は変な顔をして「あー,」とどもると,「出発する前,最後に,君に渡すか,―それとも引き出しに入れよう。」フロドは不思議に思いましたが何も言いませんでした。

そしてパーティの後,ビルボはさよならを言い,「あ~,‥指輪‥は引き出しに‥」と言って消えます。
</本文>

クリストファーさんによれば,ビルボが指輪で悩んでいた事,―指輪の影響による疲労―,が,彼がシャイアを出る理由になるのだそうです。お父さんは最初は「ビルボはフロドに,指輪の問題点を何も言わず,ただ渡す」事にしようと思ったらしいのですが,「やっぱり彼が出発する瞬間まで持たせよう」に変えたと,クリストファーさんは推測します。そしてビルボにちょっときまりの悪い,わけのわからない態度を取らせる事により,読者には,指輪が持ち主にとても不吉な影響を与える,と思わせる効果を狙ったと考えています。

(5) 裂け谷の話の後,ドラゴンがシャイアにやってくる???
フロドは,ビルボから受け継いだお金が底を付き,ドラゴンの金を求めて旅立つという筋書きもあったそうです。(なんかその話でも面白そうでしたが(笑))

(6) 「その後」の筋書き
そして同じページに,また別のアイディアも書かれていました。

海の中の島。最後はフロドをそこに連れて行く。
ラダガスト(ホビットの冒険にちらっと登場してましたね)
エルフ,人間,と冥王の激しい戦い
冒険‥‥Stone-Men

海という話は,正式版でもちらっと出ていたような気もします。ラダガストは,もしかすると,活躍した可能性もあったわけですね。3番目のは結局ちゃんと採用されていますが,面白いのは4番目‥‥,クリストファーさんによると,これはやがて「ゴンドール」に発展したのだそうですよ。(なんだ,私はてっきりモアイを想像しちゃいましたが(笑))その冒険談は,Trotterがいざなう予定だったそうな。当時彼は,ゴンドールとは何の関係も持ってなくて,単なる旅好きだっただけですが。

(7) そして,石の都,文明化された人達というメモの後に,(ついに!)簡単ですが結末が‥‥!

最後にビンゴは火の山の割れ目に着く。
彼は自分で指輪を捨てる事ができない? 彼は死人占い師が褒美をくれるという声を聞く。力を共有しよう,と。
その瞬間,ゴラムが,‥彼は改心して秘密の道を通りモルドールを案内してきたように見えたが,ここで裏切り,指輪を取り上げようとする。彼らは争い,ゴラムは指輪を取り,落ちていく‥‥。
山はガラガラ音を立てる。ビンゴ逃げる。
モルドールは雲のように消える。
石の都は灰に覆われる。
裂け谷への帰還の旅。
シャイアはどうなる? サックヴィル=バギンス?(友達を傷つける?)
ビンゴはエルフと塔を越えて西方へ去る日まで緑の山の小屋で平和に過ごす。
土地は耕されない方がよい。全てのホビットは剣を作るのに忙しい。

トールキンさんは1964年に説明したのだそうですが,ゴンドールのアイディアは,1939年の8月に「Stone-Men」から出てきたのだそうです。

馬の都より石の都の方が先にできたんですね。(笑)

それにしても,まだちゃんとした筋書きもまだできてないこの時代,ゴラムの役割→秘密の道,最後の裏切り,と,シャイアのその後→サックヴィル=バギンスがキーになっている事と,ビンゴ(フロド)が結局最後どうするのかが,既に示されていたというのが,驚きです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿