パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

竹富町への育鵬社版教科書強制を阻止したのは前川喜平氏だった

2020年02月17日 | こども危機
 ◆ 慶田盛安三氏との再会 (東京新聞【本音のコラム】)
前川喜平(まえかわきへい・現代教育行政研究会代表)

 十三日、沖縄県石垣市へ招かれて講演した。
 二〇一一年当時、石垣市、竹富町、与那国町からなる八重山地区は教科書共同採択地区だったが、中学校公民教科書について、石垣市と与那国町が育鵬社版を、竹富町が東京書籍版を採択し、一本化できなかった。
 当時の文科省は、採択協議会での多数決を根拠に、石垣市と与那国町の採択は適法、竹富町の採択は違法と断じたが、これは完全に誤った判断だった。
 第二次安倍政権下では、下村博文文科大臣義家弘介政務官が竹富町に育鵬社版を採択するよう執拗(しつよう)に迫ったが、竹富町が全く折れなかったので、一四年三月ついに地方自治法上の是正要求という暴挙に出た。
 担当局長だった僕は、竹富町の慶田盛安三(けだもりあんぞう)教育長(当時)を文科省に招き、是正要求に従うよう求めたが、実はその裏で、当時国会提出中の法案が成立すれば竹富町を単独採択地区にできると考えていた。
 慶田盛氏にもひそかに真意を伝えたが、面談後の記者会見で慶田盛氏は「全く理解してもらえず残念」と嘆いてみせた。なかなかの演技力だった。
 法案成立後の五月、沖縄県教委は竹富町を単独採択地区と決定。慶田盛氏は長い戦いに勝利した。
 講演会では慶田盛氏と再会し、往時を振り返る対談もした。
 「竹富町の島々は平和を作る工場」と語る慶田盛氏。尊敬すべき教育者である。

『東京新聞』(2020年2月16日【本音のコラム】)


コメント    この記事についてブログを書く
« 安心できる社会保障のために... | トップ | 第2回の「大学入試のあり方... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

こども危機」カテゴリの最新記事